写真雑館【フィルムカメラで秩父を】
改めてフィルムカメラを使い始めて今回で5度目。
やっと思いに近い写真が撮れるようになってきました。
これまでの4回で最も不満足だったのが露出でした。
ファインダ内の露出計のメモリを見て露出を決めているので、適正な露出になっているはずなのに、出来上がりは何故か露出オーバー気味になり、全体がシラっちゃけてしまいました。
今はそれもデジタル処理をすれば求めた通りの画質に調整できはするものの、やはり不本意さは拭いされませんでした。
私が思う写真の面白さの一つに「狙い通りの色を出す」ことがあります。
それも後処理でその色を出すのではなく、そういう撮り方をする、ということです。
これは、後処理ができなかったフィルム世代独特の考え方なのかもしれませんが、私には出来上がりの「色」は撮るときに決まる、決めるものという思いが強くあります。
ですので、今も後処理での色の調整は極力したくないと思っています。
誤解をしないでいただきたいのですが、後処理で色味を調整することについて否定的な考えを持っているわけでは決してありません。
また、デジタルでは露出のことを考えなくても撮れると思っているわけでもありません。
デジタル写真が後処理でさまざまな加工ができることは写真の楽しみや面白さをそれまで以上に広げてくれていると感じています。
また、撮りっぱなしでは表現しきれない被写体の美しさや面白さを後処理で引き出せるのはとても素晴らしいことだと思います。
さて、自分に話を戻して。
そんなこともあり、これまで撮ったままの状態で狙い通りの色を出したいと思って撮ってきました。
しかし、過去4回はいずれも失敗。
以前使っていたころはそんなことはまったく意識しなかったのに、どうなってしまったのだろうと思っています。
そこで、今回はこれまで以上に慎重に露出を検討し、その上で、決めた露出よりも少しだけ絞り気味にしてみました。
そのため、被写体を決めてからシャッターを押すまでに、2、3分かけていたかもしれません。
これにはかなりの思い切りが必要でした。
なにしろフィルム1本は36枚しか撮れない。
その1本も高い。
無駄にはしたくない。
その結果、今回はかなり満足のゆく色を出すことができました。
もしかしたら、半年前に修理に出したときに露出計の設定が若干変わってしまったのかもしれません。
この色味に加えて、焦点の合い具合や背景のぼかし具合も思い通りに出すことができたように思っています。
いったんは「もう出番はないかも」と思いかけたフィルム一眼ですが、これなら今後も使い続けようと思えています。