西洋のLGBT法案=イスタンブール条約の驚くべき中身
先日アップした記事に続き、イスタンブール条約の詳細を見ていきたいと思います。
前回、全世界で広められているLGBTイデオロギーが西洋ではイスタンブール条約という形になって推し進められているとお伝えしました。
条約本文では、”性自認”=gender identityという記述が3ページに一度出てくるのですが、この本文とは別に”解説書”という文章が同じ欧州評議会から発行されており、そこでは更に踏み込んでトランスジェンダー・異性装・バイセクシュアル等個人の性的嗜好を暴力の被害者と位置づけ条約の中に組み込んでいることが分かります。
以下にその解説書”Explanatory Report”の該当箇所を抜粋してみたいと思います。
トランスジェンダー、クロスドレッサー、トランスヴェスタイトを性別、障害、婚姻状況と同列にするとんでも条約
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第1章 目的、定義、平等および差別の禁止、一般的義務
第4条 基本的権利、平等および差別の禁止
53.この判例法に照らして、起草者は、条約の主題に大いに関連する以下項目を差別禁止理由として追加することを希望した:性別、性的指向、性自認、年齢、健康状態、障害、婚姻の有無、移民または難民の地位またはその他の地位、つまりこのリストは無制限を意味する。
女性は、ジェンダーに基づく暴力行為を通報する際、法執行機関や司法の手による差別をいまだに経験する可能性がある。
同様に、ゲイ、レズビアン、バイセクシュアルのDV被害者は、性的指向を理由に支援サービスから排除されることが多い。
ある特定の集団は、自己の性自認に対する差別を経験することもある。これは簡単に言えば、自認する性別が、出生時に割り当てられた性別と一致しないことを意味する。
これには、トランスジェンダー、性転換者、クロスドレッサー(異装者)、その他、社会が「男性」または「女性」のカテゴリーに属すると定めたものと一致しない個人のカテゴリーが含まれる。
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イスタンブール条約本文では"gender identity"と一語書かれているのですが、この解説書を見るとトランスジェンダー、クロスドレッサー、トランスヴェスタイト(異性の服装を着用することによって、性的な興奮を覚える)を差別暴力の対象として性別や、障害、婚姻状況などと同列に扱っているのです。
トルコ大統領の脱退声明にある、
「イスタンブール条約はもともと女性の権利を促進するためのものでしたが、同性愛を当たり前のこととしようとする集団に乗っ取られました」
という言葉が意味するのはこのことであると考えられます。
社会的弱者に組み込まれるLGBT
日本のLGBT法案もそうですが、実際にイデオロギーが法的根拠を持って広げられることになります。
以下抜粋の解説書の内容には条約に基づき国内法の立法まで言及されています。被害者の枠をLGBTまでに広げることでなんでもありの社会が作られてしまうことは一目瞭然です。
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第3章 防止
第12条 一般的義務
86.第2項は、この条約の締約国に対し、条約によって規定されている自然人または法人によって行われ得るあらゆる形態の暴力を防止する為に、必要な立法措置およびその他の措置をとることを求めている。
国の法制度によって、これらの措置の中には法律の成立を必要とする国もあれば、そうでない国もある。
87.第 4 条第 3 項に含まれる差別の禁止に加え、この項では、あらゆる予防措置が積極的な形で取られ、社会的弱者の需要に堪えることを求める。
本条約の目的において、特別な状況により弱者とされている人とは次を含みます:妊娠中の女性および幼い子どもを持つ女性、精神的または認知的障害を含む障害者、農村部または遠隔地に住む人、薬物乱用者、売春婦、少数民族の背景を持つ人、移民(査証なし移民および難民を含む)、ゲイ男性、レズビアン女性、バイセクシュアルおよびトランスジェンダー、ならびにHIV陽性者、ホームレス、子どもおよび高齢者を含む。
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次に、LGBTイデオロギーが移民政策へと組み込まれている部分を見ていきたいと思います。
このイスタンブール条約の批准拒否宣言をしたハンガリー議会の主な理由の一つに”ジェンダーを背景とした暴力被害者の庇護規定”がありました。
端的に言えば、性自認を理由とし差別を受けたと主張する者に対し難民認定
を与えることを可能とするのです。
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第7章 移住および庇護
第60条 ジェンダーに基づく庇護申請
最後に、政治的意見を理由とする迫害には、ジェンダー的役割に関する意見を理由とする迫害が含まれることがある。
例えば、社会の役割や許容される行動の規範に従わないことや、伝統的な性別役割に反対する発言をすることを理由に迫害される女性もいる。
さらに、各条約の根拠に対してジェンダーに配慮した解釈がなされるようにする場合、締約国は、希望すれば、特定の形態のジェンダーに関連した迫害や暴力に直面する可能性のあるゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーの個人にもその解釈を拡大することができる。
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トランス団体が評価するイスタンブール条約
ヨーロッパと中央アジア48ヵ国で運動を展開する団体TGEU(Transgender Europe)のWebサイトでは同条約に関し以下の様に解説しています。
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イスタンブール条約におけるトランスジェンダーの保護
イスタンブール条約は、女性に対する暴力とジェンダーに基づく暴力に対する最も包括的で詳細かつ法的拘束力のある対応策です。
イスタンブール条約は法的拘束力のある文書です。したがって、いったん批准すれば、各国はその条項を実施する義務を負い、その効果を監視されることになります。
各国が署名することは、条約の価値と措置に原則的に同意することを意味します。しかし、批准して初めて条約の規定に拘束されることになります。いったん批准すれば、国際法としての条約は矛盾する国内法を上書きし、国内法を条約の目的と措置に合致させるよう要請されます。
イスタンブール条約とトランスジェンダーの差別撤廃
解説書は、性自認に関して「トランスジェンダーや性転換者、クロスドレッサー、異装者、その他、社会が「男性」や「女性」のカテゴリーに属すると定めているものに該当しない集団」が差別禁止規定の対象となることを明らかにしています。
条約を実用的なものに
次のステップは、モニタリング・メカニズムの構築とその実施です。監視は、独立した専門機関である「女性に対する暴力および家庭内暴力対策に関する専門家委員会」(GREVIO)と、締約国の公式代表で構成される政治機関である締約国委員会が実施します。
GREVIOは、公的機関、市民社会、独立人権機関から、締約国の現場の状況に関する情報を収集します。この情報に基づいてGREVIOは、それぞれの国が特定された問題をどのように克服できるかを提言します。
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国内法に優先する国際法である条約を批准することで、外国の団体から監視されるスキームまで出来上がることになります。
このイスタンブール条約に対抗している国々は少数ですが、いくつかあり、その国々の対応状況を注視していくことは非常に重要であると思います。
今後、その様な活動をしている人々に取材ができないか考えてみたいと思っています。
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