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YouTubeの検閲から『自助論』まで

新規購読者0人

 YouTube様から届いたメール、先月のチャンネル成績表です。
ずっと続いているのですが、我那覇真子チャンネルは先月も新規登録者数0人。

 検閲が見事すぎて、毎回このお知らせに失笑しております。

 配信の制限や、中身の検閲、特定の言葉を使うと規約違反となり動画を削除、野球のルールのような3アウトでチャンネル凍結、これが当たり前の社会になってしまいました。
 ジョージ・オーウェルの『1984』でいうところの”ニュースピーク”です。

 私のチャンネルの現状を先日、『あさ8』終了後、番組ホストの有本香さんと百田尚樹先生に話したところ、『あさ8』も最近までその様な検閲にあっていたそうです。しかし、改善策を講じたところAIの制限も和らいできたとのことでした。
 そこで、私のチャンネルの改善策として、配信する動画に、政治的ではない”真実省”ことAIに引っかかりにくい動画も加えることで、制限される回数を減らしていけばチャンネルの全体としてのステータスも向上するのではないかということでアドバイスを頂きました。


 今後その様な工夫をしていきたいと思っているところなのですが、内容として自分の好きな本を紹介していく配信をしようと考えております。

 インターネットで情報を得ることが多い時代ですが、私自身もやはり書籍に勝る勉強法はないと実感しています。もちろん実践を伴ってのものですが。

 それになんと言っても、本を読むことは率直に楽しい。
 そのことを配信する形でなら、勉強のまだまだ足りない私の話も配信するに足るものになるかなと思います。


 私は渡部昇一先生を大変尊敬申し上げているのですが、時折、先生のお声が聞きたいなと思うとYouTubeで”渡部昇一”と検索します。


 少し前に見つけた動画では、
 ”インターネットはサプリメント、読書は食事”という主旨のお話をされていました。

 

本といえば、例えて言えば食べ物。栄養だけ取ろうと思えばサプリメントで良い。サプリメントだけ食べても生きれるとは思うけど、成長できるかと言えば、成長はできないと思う。子供達はやはり食べなきゃだめ。食べて余計なものは排泄する。そのプロセスで成長して、足りないものはパッと入れる為にはサプリメントが良いですね。自分の思想を作ったり、感受性を磨いたりするには、本を読み返し、愛読書ができるプロセスにおいて出来る。
(3:22〜)

動画 未来ビジョン013『渡部昇一、日本の未来ビジョンを語る!』2010 6 26


  私の愛読書の1冊はサミュエル・スマイルズの『自助論』です。最近読み返し、また考えさせられることが沢山ありました。


第8章 自己修養
さびついてしまうより、ボロボロにすり切れたほうがましだ

 人間は誰でも、自己修養を通じて進歩向上したいと望んでいる。それでいながら、それ相応の努力を払いたがらないのが世の常だ。

 科学でも、似たり寄ったりの勉強法がまかり通っている。われわれは、見ていておもしろい実験にだけは興味を覚え、緑色の水が赤に変わったり酸素中でリンが燃えたりするのを眺めては、生かじりの知識を得ている。生かじりでも何もないよりはましだが、実際そんな知識はものの役にも立たない。結局われわれは、単なる楽しみを教育とはき違えて考えているのだ。

 当座の間は精神を刺激し、知的喜びを与えたとしても、楽しみ以上の高い目標を植えつけはしないから、結局は無益な気晴らしに終わる。
 このような知識は、ほんのいっときの印象や感覚の域を出ない。
それは刹那的な知性であり、ほんものの知性からはほど遠い。

 ふざけ半分に知識を得ているうちに、今度は知識をふざけ半分にもてあそびはじめる。

「おもしろ半分の乱読は、煙草と同じように精神の力を衰弱させ、人を無気力に落とし入れる。それは怠惰の中でも最悪のものであり、人間を完全に去勢してしまう」

p175〜『自助論』

 1858年に出版されたこの本は、明治4年に中村正直によって『西国立志編』として翻訳され、当時の日本で100万部以上売れた本です。
この『自助論』は1988年に竹内均教授によって簡約されました。

 上記の中の”刹那的な知性”という表現が非常に面白く感じます。
 書店に行くと、刹那的な知識を売り物にする本が多いと思いますが、それはいつの時代も変わらないのだなと。本を読むことは大事なことです。しかしその読書自体、注意が必要なことであるというのは貴重な教えであると思います。


 自己修養をもっぱら立身出世の手段と見なすのは、実に愚劣な考えだ。ところが現実には、いくら自己修養に努めても思ったほど早く立身出世できないので落胆し、やる気をなくしている人間が多い。このような連中は、どんぐりの実を植えればそれが一瞬にして樫の大樹に成長するものと期待しているようなものだ。
 彼らはおそらく知識を、売り物になる商品と考えてきたので、予想を下回る売れ行きにホゾをかむ思いを味わっているのだろう

p181 同書


彼らはおそらく知識を、売り物になる商品と考えてきたので、予想を下回る売れ行きにホゾをかむ思いを味わっているのだろう」 
 この一文は、例えがなんとも言えず、思わず失笑してしまいました。
 分かりやすい例え話は、その表現を読むだけでもうっとりし、また言語だけでは表し切れないものを私の脳にすっと浸透させていくような気がします。


 
才能を最大限に生かすヒント

 われわれは、成功ではなく失敗からむしろ多くの知恵を学ぶ。
「何を行うべきか」に気づくのは、「何を行なってはいけないか」を悟る時だ。過ちを犯さなければ、いつまでたってもそこに気づくことはない。

 たとえば、昔から大勢の人が、水面から10メートル以上の高さにポンプで水を汲み上げようと試みて失敗した。だが、その失敗がきっかけとなって気圧の法則は発見され、ガリレオやチェリやボイルの様な科学者の研究にも新生面が開かれた。また名医ジョン・ハンターは「医師が自分の成功例だけでなく失敗例をも公表する勇気を持たなければ、医学は前進しない」といつも語っていた。
 発明家ワットも、「機械技術の分野にいちばん必要なのは挫折の歴史である。私はヘマな失敗例を集めた書物がほしい」と述べている。

p186 同書

 
 人は失敗を恐れるもので、成功のためにはこれを恐れてはいけないと精神論的に言われることが多々あります。
 よし!と気合を入れて、挑戦することになるわけですが、心のどこかに、不安がまだ少し残る。

「何を行うべきか」に気づくのは、「何を行なってはいけないか」を悟る時だ
 
上記一文を繰り返し読むと、この状況を一発逆転できると思います。

 私が感じたことは、成功のためには、むしろ失敗は機械作業のように必要とされる仕事の一環に過ぎないんだなと。

 私は億劫なタイプの人間なので、この一文で行動に起こすこと自体の重要性と心のモヤが晴れた気がして嬉しくなりました。

 ワットが望んだ事例集に関係するかと思いますが、最近心に残ったことをメモするノートを始めよう思い、どのようにメモを取ろうか考えました。ネットで検索しても、どうにもイマイチで、昔の人たちはどうやってメモをとっていたのか気になりました。そこで、その事例が載っているのか期待して買った本があります。

『天才たちの日課』メイソン・カリー著

 仕事や勉強の方法は、完璧を目指すとキリがない部分もあり、”現実が仕事を教える”という言葉を私は自分に言い聞かせるのですが、偉人たちの日課がどうであったのかということは非常に興味深く、読み進めるのがとても楽しみです!

 


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