“鎌田鳥山”環境改善ワークショップ体験記
8月11日(日)山の日。当日も37度の猛暑だったのと、渋滞で坂田さんが遅れたこともあって(実はぼくも渋滞で遅れました汗)、午前中は参加者のみなさんの自己紹介と坂田さんのお話、さらに現状の森の観察をしつつ、坂田さんに状況説明をしていただきました。
森のオーナーの方が良かれと思ってナラ枯れしていた大木を何本か伐採して以前私たちが“しがら”を組んで木の苗を植えたところまでも、一部伐採された丸太が転がり、下敷きになって潰されてしまっていたので悲しい気持ちになりました。
午後はさらに猛烈に暑くなったこともあり、森の下の方で日影も多く、ささやかながら水も流れている沢の環境改善をおこないました。
これまでも沢周辺の笹を刈り、沢を掘り起こし、杭を打ち、しがらを組んで、詰まっていた沢の流れを徐々に復活させて環境改善を行ってきましたが、まだまだ道半ばです。
雨が降ったときなどに泥が流れ込み、グライ化※して流れが詰まってしまっていました。
ぼくは森の上の方のナラ枯れの大木の下敷きになってしまった“しがら”および植えた苗木などの改善をするとばかり思っていました。ですから、トレッキングシューズは持参していたのですが、長靴を持参するのを忘れたために、沢に入ってドロドロになりながらグライ化した泥などを掘り出したり、掻き出したりすることはできませんでしたが、沢から出てきたグライ化した泥の入った箕(み)を運んだりしました。
参加者のみなさんはとても真面目で熱心な方ばかりなので、猛暑の中でも泥だらけになりながらも延々と作業を続けられます。あまりに熱心なので熱中症などにならないように、ぼくは休憩時間をお知らせするタイムキーパー的な役割を担ったりして、ささやかながらお手伝いをしていました。
沢から泥を掻き出しているうちに、その通路の土中にブルーシートに覆われたコンクリートを発見しました。まわりの土を丹念に掘り起こしてブルーシートを剥がし、コンクリートをズラしてみたら、なんと!その下には水をたたえた井戸がありました!!
また、ドロドロの沢では、泥の下に硬いものがあるというので、よーく見てみると清涼飲料水を運ぶプラスティックのケースが埋まっていました。
それぞれ大変なご苦労をされて掘り出した方々は本当にお疲れさまでした。
沢の環境改善はぼくのような者にもやりがいが感じられやすい気がします。ドロドロだった沢が、次回訪れた際には清らかな流れに変わり、虫や鳥たちが増えたり、植生の変化がわかりやすかったりもします。
16時の終了時間になったので、森の上の方にある鎌田鳥山の近辺でドロドロになった道具を洗ったりしていたら、近ごろ沢の近くで原木椎茸栽培をはじめられていたご近所の方(土地の所有者のお一人)が自分の土地でなにをしているのだ!!と怒ってこられました。
これは地域社会では少なからずあることだそうで、土地の境界が曖昧だからというか、実はその場所は都立長沼公園の一部でもあるらしいのですが、共有地的な認識として敢えて土地の境界を曖昧にしていたりするようなのです。
具体的には、ぼくたちが行っていた沢の環境改善によって掻き出した泥を藁や落ち葉などと混ぜて腐葉土的な土にしようと丸太を組んだ囲いの中に入れていたら、そのおかげで原木椎茸栽培の場所に行けなくなったので、それらを速やかに撤去してほしいとのことでした。実は全然行き来できるのですが…。
この件については、今後まだどうなるかわかりませんが、個人、法人、自治体や国家、または共有の、固定資産としての土地に関連したトラブルは、少なからずあると思います。
この件に限らず、環境改善をしていく上で、このようなトラブルも避けて通れない問題であり、今回の事例をとおして学べる貴重な機会だと思いますので、なにができるかわかりませんが、他人事ではなく、自分事としてとらえ、今後いかに解決していけば良いのかを一緒に考え、行動する一助になれればと思っています。
筆者:うんちマンこと小関昭彦