
「教えて!坂田さん!」坂田さんとの池づくり、実施しました!

4回目となった「教えて!坂田さん!」の池づくりワークショップを11月29日に実施しました。
平日にも関わらず、18名の方がご参加下さり、2つ目の池堀り、杭打ち、石敷き、石積み(途中まで)、そして堀った土でコンポストベッドも完成しました! 学びの量も、楽しさも、筋肉痛も、MAX! 強風で中止にすべきかギリギリまで迷いましたが、風は、肉体労働でかいた汗をクールダウンしてくれる、思いがけないエールとなりました。参加下さった皆様、ありがとうございました!
今、ワークショップから10日が経って、じわじわと湧き上がってきた一番の気づき。それは、そうか、坂田さんが厳しいのは、自然とそれだけ本気で向き合っているからなんだということ。
いや、坂田さんは優しく、愛情深い方です。だけど、「はい、やり直し!」と平気でおっしゃる。容赦がない。それは坂田さんご自身が、自分に厳しいからでもある。人間がしたことが、生物多様性を育むことになったのかどうか…、その答えを、私たちはつい、坂田さんが返して下さると思いがちだけれど、そうではなく自然が返してくれるということ。その当たり前の事実と、どこまでも真摯に向き合っていらっしゃるからだということ。
実際、4回目ともなると、坂田さんと共に1年前、2年前に手入れしたところの結果が見えてきます。

1回目のワークショップで作ったしがらは、やり直しだし(これは短い時間の中で、みんなで慌て気味に作ったからでもある。坂田さんいわく、今の状態は枝が絡み合う「しがら」ではなく、単なる「ボサ」。とはいえ、一年目でシガラの上の植生が少し多様性になったのも事実)、3回目のワークショップで比較的丁寧に指導を受けながら作ったしがらも、今回坂田さんの見立てでは、若干つまり気味で、大地への水の浸透が充分になされていないかも、とのこと。しがらの上に土が乗っているのは、機能していない証拠。よって、次回以降、また手直ししましょうと言っていただきました(とはいえ、シガラのおかげで新しい花も見られました)。

そうか、坂田さんと一緒にワークショップをするというのは、みんなで手を入れた庭に対して、生き物たちが、植物たちが、どんな風に反応してくれるのか、それを観察していく坂田さんの「視点」や「眼差し」も一緒に学ぶということなんだ。もちろん、坂田さんから形式知として教えていただく知識や知恵は、なぜ録音しなかったのかと悔やまれるほどの珠玉の言葉ばかりです。

ですが、知識や知恵を超え、私たちが学ばなくてはいけないのは、自然と対峙しながら、自然の声を聴くこと。生き物たちの息吹を感じること。そして、私たちがやったことがもし生き物目線で適切でないとわかれば、そこからまた手直ししていく。少し直しては、また自然からの答えを待つ。今回もまた、「池の形を決めるのは人間ではない。水が決める」というお言葉を坂田さんからいただきましたが、まさにそれ。
私たちよりもずっと多くの場を見られてきた坂田さんと目線を揃え、共に観察を続け、生きとし生けるものにとっていい場所になるってどういうことだろうということを、身体で感じていけるようになる。

「答えは自然が返してくれるのよ」
これまで何度も坂田さんから聞いてきた言葉でしたが、4回のご指導の中で感じた坂田さんの厳しさと相まって、同じ言葉がまた違う形で私の中に響いてきました。そして、その「自然」という言葉には、自分が持つ「内なる自然」も入っているのかもしれないと、今書きながら、ふと思いました。
「答えは自然が返してくれるのよ」
そうか、自分でももっと、自分の内なる自然、五感で気付けるように、観察を続けていきたい。

今、家づくりが佳境で、なかなか庭をゆっくりと見られないけれど、ときどき庭を家人と歩きながら、しゃがみ込んで草花や虫を観察し、去年もここで見たとか、見ないとか、はじめてだとか、なんだろうとか、写真に撮って大きく拡大してみたり、ネットで調べて感動したり…そんな繰り返しがたまりません。家づくりも楽しさの極みですが、早く仮住まいからこっちに戻ってきて、暮らしに落ち着きを取り戻し、毎日庭を観察したい、池をのぞきたい。そんな日を待ち焦がれています。
「教えて!坂田さん!」は、坂田さんと一緒に、同じ生き物の一員として、自らの「内なる自然」を育む場、そんな継続講座なのだと、あらためて感じています。




















以下は、今回の学びのカケラ。自分の理解も少し入れていますが、内容については坂田さんからもチェックをいただきました!
🍁池は、水が出たがっているところに、人間が少し手を加える。
それが生き物たちにとってよかったのか、答えは自然が返してくれる。
🍁鳥がきて、いろいろなものが生えてくる環境を作りたい。鳥は冬でも7、8回水浴びが必要。池は多くの生き物が使うが、大きな意味は鳥を呼ぶため。池が、水場を求める生き物の住処となり、鳥が水浴びする場となり、その鳥は虫を食べ、そこで糞をし、そこでまたいろいろな植物が芽生え、生態系が豊かになっていく…。
🍁ジョロウグモの食事の30%はカメムシ、シジュウカラは一年に12万匹の虫を食べる。ヤマガラは9万匹。鳥を呼ぶ。農薬なんていらない。
🍁水の動きを複雑にすること、環境を複雑にすることこそが、生物多様性を育むゆりかごとなる。早い水の流れが好きな生き物、遅い流れが好きな生き物、浅瀬が好きない生き物、深いところを好む生き物…、環境の複雑性が、生態系の複雑性となること。
🍁水が集まる場所に土を置いては絶対ダメ。(そこは水が流れたい場所だから、結局崩れる?土砂災害でもよくあることと同じ?)
🍁掘り出した土は、落ち葉や藁とよく混ぜる。土の塊を壊して、混ぜていく。いい畑の土になる。藁がなければ刈草でもOK。
🍁池の壁面は垂直に掘る。水が周囲の土を巻き込んで、壁面を崩しながら流れ込まないように。イモリは池の壁面に卵を産む。サンショウウオは陸で暮らし、水の中で卵を産む。
🍁今回の池は、昨年10月、最初に作った池から、オーバーフローした水がそそぐことになるという位置関係。池はつなげない。こっちの池より、あっちの池が居心地いいと思う生き物たちが、自分の好きな環境を求めてお引っ越しできるようにする。(池の拡張と聞いていたけれど、まさか、結果として池が2つできることになるとは!)
🍁池の深さは、敷く石の高さで決める。浅いところ、深いところは、栗石を敷く厚さで高さを変える。土を掘る深さでは決めない。それでは崩れてしまう。
🍁杭を打つことで水の動きを作る。昔の船着き場に打ってある杭は、船のガイドでもあるけれど、そこには魚が集まる。一石二鳥。
🍁水の中に打つ杭は、腐らないので、焼かなくていい。むしろ重量のある「生木」が打ち込みやすく大事。(今回、用意した杭が乾いていて、打ち込むたびにどんどんと割れていってしまった。大反省。すみません)
🍁水の中に栗石をしき、複雑な水の動きをつくる。水の中に石を敷くときは、藁を水が流れる向きと垂直に置いて、その上に栗石を流し入れる形で敷いていく。藁があることで、石が水の中で自然と動いて落ち着いていく。水がある状態の場合、落ち葉ではだめ。目詰まりを起こすことも(平塚幼稚園では、水がない状態だったので、石の間には落ち葉も詰めた)
🍁底に敷く栗石は、それが何層にも重なっていることで、雨が降ってわぁーっと泥が底から浮き上がるのを防ぐ。
🍁池の壁面は、滋賀の石工職人集団、穴太衆(あのうしゅう)が積んだという野面積み方法で石を積む。耐久性が大事。穴太衆の間では、大地震も超えて、500年もって一人前。300年で崩れると恥。100年だと素人。熊本城の石垣も、熊本地震で崩れたのは、明治の陸軍が壊して積みなおした部分。穴太衆が積んだ箇所は崩れなかった。
🍁当然ながら自然の石はすべて形が違うので、マニュアルはない。すべて口伝で伝えられていった。第一、お城の城壁を作っていたので、石の積み方などは秘伝中の秘伝。
🍁穴太衆は全国各地で石積みをしたけれど、全部自分たちではできない。それで彼らがリーダーとなり、地元の農民とかに指示して石を集めて積ませた。そういった農民が日本各地にいて、自分の田畑に帰って棚田の石積みをしたりした。
🍁積み石は、石選びがとても重要。持ち上げてすべての角度から見る。そしてお尻が下がっている方を必ず壁面側に向けて据える。積み石は、左右の石とそれぞれ触れるように据える。石は必ず2カ所以上、他の石と触れるように据える。その上に据える石も含めると3カ所、5カ所、6カ所と触れるのがよい。4か所はNG。抜ける。
🍁二段目は、据えただけではなかなか安定しない。そんなときには、積み石の裏から、一段目と二段目の積み石の間の空洞にあう形の介石(かいいし)を差し込んで、角度を決める。介助する石だから「介石」。とても重要。(飼石?)
🍁積み石の前面の隙間に詰める石は間詰石(まづめいし)。これで動かないようにする。間詰石はデザイン程度。前に詰めてあるものは抜ける。間詰石で積み石の支えを効かせていると、間詰石が抜けたら石垣全部が崩れる。
🍁積み石の裏に、細かめの栗石を流し入れる。裏込め石。棒でつつきながらできるだけ隙間なく入れる。この栗石がきちんと入っていないと、石垣が膨らんでくる。この栗石が池の壁面から染み出る水の動きを複雑にしてくれると同時に、壁面からの水が積み石を押し出す力を弱める。
🍁池の淵の高さよりも少し高く積みあがったら、一番上にテンパ石(平たい石)を置く。周囲の石と複数個所ふれあって、人間が乗っても動かないよう、隙間に合う介石を入れながら、石頭(せっとうハンマー)を使って固定する。
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ちなみに、今回掘った池の第一号の住人は、体調3㎝くらいの茶色いカエルさん(土ガエル?)!石積みをしている横から、チャポンと池に飛び込みました!わーい🐸😉
\✨🐢次回予告🦎✨/
~来年の「教えて!坂田さん!」~
来年の坂田さんのワークショップは7月14日(月)と11月4日(火)に決まりました!(早い決定!そのくらい坂田さんお忙しいです!感謝です!)
7月は暑いですが、みんなでサンダル?で池に入って、石積みの続きをやりましょう!シガラもやるかも!?(外シャワー用意できると思います!) 11月は、シガラづくり他、坂田さんから植樹の仕方を教えていただけるかも!? 両方とも前日が休日なので、前泊しての参加もおすすめです!
また2か月くらい前になったらイベント案内として発信しますが、ご興味ある方、カレンダーで是非日程を押さえていただけたら幸いです。
すでにこの庭は、ご参加いただいた皆様、みんなの庭です。
ワークショップ以外のときも、是非、お気軽にお立ち寄りください!池ものぞきに来てください〜🦎
お庭は出入り自由になっています~😊✨
参加いただいた皆様、坂田さん、そして最後までお一人でコンポストベッドづくりをして下さっていた永友さん、ありがとうございました🥰