坂田昌子とその仲間たちVol.2 鮎川詢裕子
これは「坂田昌子とその仲間たち」のリレーコラムです。
こちらからつづいています⇒
Q1.あなたについておしえてください
「異なる立場の人たちが違いを超えて、共通する目的に向かって、どう力を合わせていけるのか。どう一人ひとりの持ち味や才能を発揮していけるのか。」について、国内と中国の企業、リーダー層に対して教えるのではなく、「気づき」を土台に内面からの変化を支援しています。
また、これまで2冊の環境本の出版・普及に携わっています。温暖化の効果的な解決策「ドローダウン」と、もう一冊がその続編の「すべての行動と決定の中心に生命を置く」ことにより、生態系の回復、持続可能なエネルギーシステム、町づくり、漁業、農業の活性化、格差の解消など、全てのいのちに息吹を吹き込む生き方を、共につくっていくことを目指している「リジェネレーション(再生)」です。この「リジェネレーション」を学び、体験し、行動をおこしていくための講座を一般社団法人ワンジェネレーションで行っています。今年から変化の担い手となるファシリテーター養成講座が始まりました。
私はもともと、商社で事業計画の旗振りや経営層と各組織をつなぐパイプ役、経営理念の浸透に従事していました。その過程で自分のやっていることに疑問を持つようになりました。人や集団が自分たちの目標や願望を実現していくことは、「全体にとってどうなんだろうか」と。「全体の一部である私たちが輝き、全体が輝くために、何ができるんだろか?」と。
そこで人や集団のマインドや意識について学んだり、中国各地の文化やビジネス、人々の暮らしを見て回ったり、「所有の概念がない」というアマゾンの先住民を訪ねて彼らの暮らしやスピリットを学ばせてもらったり、ネイティブアメリカンの長老から自然の知恵とつながりリーダーシップを発揮するトレーニングを1年間受けに通ったりと、いろんな探求がはじまりました。それが今の活動のベースになっています。
Q2.坂田さんの生物多様性を重んじるワークショップを通して
「坂田の杜」開講時に「生物多様性」自体にも興味があったのと、人や集団、地域、世界のあらゆるところで起きていることと重なると思い参加しました。
すると、坂田さんのお話から、これまでボンヤリしていた生態系の営みがルーペで拡大して見るように「生き物同士の間でこんなことが起きているんだ!」と臨場感あふれるものすごい情報を受け取る日々がはじまり、好奇心で吸い寄せられていきました。
その魅力は、坂田さんのさまざまな知識や持っている情報に加え、実際にその地に足を運び、おじいさんやおばあさん達から話しを聞いたり、そこに混ざって体験してこられたこと、人も含めた生物種とのつながりとともに、なんといっても生き物に向けられた優しいまなざしと覚悟、うんちマンが書いているようにきれいごとではない部分にも根ざしているからだと思っています。
ガイドウォークでそこで起きていることを解説とともにじっくり見て回ったり、環境改善に参加して生態系の回復に微力ながら作業させてもらい、ものごとの見方が変わりました。
自然に何かしてもらうのではなく、自分から何かするという体験はセンセーショナルでした。何かすると自然からフィードバックが来るのです。鳥や動物、虫が戻ってきたり、濁っていた水が透明になったり、雨が降るとぬかるんでた斜面が木と落ち葉でつくったふかふかのしがらを作ったことで、雨が降っても歩きやすいふかふかの道になるなど、この体験を実感したら、後戻りできなくなるほどのシアワセ感を人は感じるんじゃないかと思います。
このよろこびを多くの人にも体験してもらえたらと主催する講座に坂田さんで話していただいたら好評で、ガイドウォークも行ったところ、参加した人から、「こんな変化がありました!」「こんなことを始めました!」という報告がいくつも届いています。
頭で知るだけでなく「身体で知る」大切さに気づき、できるだけ現場に行って体験するようにしています。
皆さんも、坂田さんのお話と共にこのno+eで紹介している各地のガイドウォークや、環境整備に参加するとさらにその魅力を体験できるんじゃないかと思います。
Q3.あなたにとって生物多様性って
生物多様性は、私たちが今生きているリアルな人間社会ともいえるし、人間を含めた生き物、環境との関係を見ていくことでもあります。生態系というシステムを考えていく上で欠かせないものです。共通する法則のようなものもあるけれど、その現場ごとに事情も異なるので、その場を見ることも大事で毎回気づきがあります。
私にとっては、きれいごとだけではない中で「全体の一部である私たちが輝き、全体が輝くために、何ができるんだろうか?」を動きながら探求し続けることです。
それが日々の暮らしだったり、企業や組織の変革支援だったり、内なる自然の感覚を持ち、リジェネレーションの道を共に歩む仲間が増えていくための活動をしていくことなんだと思っています。
Q4.生物多様性の仲間で次にバトンをつなぎたい人は?
自宅で烏骨鶏と暮らしている神崎万友美さんです。海外で暮らし、外資系企業での経験から今の活動に至るお話し、そして今の活動など、エネルギッシュなマユさんのお話、お楽しみに!
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