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坂田昌子とその仲間たちVol.8 山中弥生子
これは「坂田昌子とその仲間たち」のリレーコラム
こちらからつづいています⇒
Q1:あなたについて教えてください。
山中弥生子です。理工学系の大学を卒業後に就職した化石燃料を輸入/精製/販売する会社で30年以上働いています。23才と18才の子どもがいます。出産を機に、食べ物のこと・育児のこと・地域のこと等に少しずつ興味が広がりました。子ども達が小さかった頃、平日は会社と家庭の往復でクタクタになっていましたが、ヨガ、スピリチュアルな学び、田んぼやハタケ等少しずつ自分の時間も作って活動しています。
そして「アナスタシア」(ウラジーミル・メグレ著)という本が大好きで、アナスタシアの住む世界を体現したいと願っています。
2021年5月にアカシックリーダーの方が主催する「森へ」というワークショップで初めて長沼公園と鎌田鳥山に行きました。「自分と気の合う樹」と交流する時間もあり、自分の枠が取れたような満たされた時間で、その後一人で時々長沼の森へ通う日々でした。
坂田さんに初めてお会いしたのは2022年10月16日、鎌田鳥山のワークショップでした。
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Q2:坂田さんの生物多様性を重んじるワークショップを通じて
「鎌田鳥山の森、変化の記録。」は、豊かで気持ちの良い森にするための土中環境改善ワークショップ、どんな手を加えるとどのように森の環境が変わって行くのか。実践を経て体感し、納得するためのワークショップです。午前中は坂田さんの座学、午後はフィールドワークというスタイルが定番です。
ある日の座学では「生物多様性」のお話。
「種(しゅ)」の多様性だけでなく
「関係性の多様性」
「生態系の多様性」
「遺伝子の多様性」などもとても重要という話。
「ホタルの再生」など、わかりやすい一つの生物に特化した活動もありますが、より広い視野で俯瞰しないと見えないこともある。「全体を見ること」の大切さを学びました。
そして自分ができること、として
例えば庭木に何を植えたら良いかを尋ねました。
その地にある植物を植えること。
山と山の連続性が失われつつある日本で
みんなの庭がその連続性を補完できれば良い。
北米南米原産のキレイなものや園芸改良種でなく
地域の植物を、ということでした。
例えばエゴとか、カラスザンショウとか。
午後はフィールドワーク。
初参加の方は、「しがら」作り。これが基本中の基本。
焼き杭を打ち、丸太を寝かせ、杭の下にも、丸太の下にも竹炭と稲藁を敷きます。普段は「竹炭」は使わないけれど、今回はわたしが持ち込んだものがあり「使ってみよう」ということで柔軟に対応。ダメなものはダメとハッキリ言うけれど、そうでないところは柔軟に、今そこにあるものを生かす愛ある対応も、坂田さんのステキなところ💛
丸太の下には、しがら作り。
ここで水を集め、浸透させ、保水して、ゆっくり下へ流します。
沢の環境改善にも継続的に取り組んでいます。2023年に参加したワークショップでは長靴を持って行かなかったので、皆さんがせせらぎの泥をかき出す中、せっせと笹を刈りました。2024年は、長靴を持って参加し、泥をかきだしたり、グライ化した泥を落ち葉と混ぜたりしました。グライ化した泥をかきだした時にゴボゴボッと音を立て水が貫通した時は、とっても快感!!自分の中の何か不要なものも、一緒に流れ去ったような気分になります。前年笹しか生えていなかた斜面には、様々な植物が生えていました。
よく観察すること、手を動かしてやってみること、結果は自然が教えてくれること、その結果を見て、改善すること、それを繰り返すこと。
こうして、森に・地球に、恩返ししていきます。
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Q3:あなたにとって生物多様性とは?
野菜(植物)も魚も動物も、みんな「栽培」「養殖」「飼育」されて画一的になっていく。人間も、ある意味「教育」されて画一的になり、多様性が損なわれていく。
映画「マトリクッス」で、人類はAIによって栽培されています。大多数の人は眠っていて自動操縦されています。現実だと信じていた世界は仮想世界「マトリックス」、思考停止しているとそれが現実になりかねません。画一的な存在は、葛藤も衝突もなく家畜のように管理されやすい。
生物多様性とは、多様な生命がそれぞれ自分の生命を謳歌している状態。葛藤や衝突も調和へのプロセス。みんなちがって、みんないい。すべての存在が、存在していて良い豊かな世界。安っぽい理想に見えるかもしれませんが、本当にそんな世界を希求します。
2023年と2024年の日本の夏は酷暑で、地球が悲鳴を上げているよう。なのに、高層ビルだリニアだと、人口減少する日本に本当に必要なの?世界各地で戦争があるのはなぜ?
子どもに聞かれたら、みんななんと答えるのでしょう。今より豊かで美しい地球を子ども達に残したい。そんな気持ちで生物多様性を重んじる坂田さんのワークショップに参加しています。
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Q4:生物多様性の仲間で次にバトンを手渡したい人は?
鎌田鳥山の素敵マスター落合俊也さんにバトンを手渡します。落合さんは、美味しいコーヒーを淹れるカフェのマスターという顔だけでなく、一級建築士でもあり新月伐採の木で月舞台という素敵な場所を創造した方です。「すべては森から」という著作もあり、その帯には「都市が森に進化し、はだかの皮膚感覚を取り戻す時代が来ることを願う」という言葉とLaki Senanayakeさんのお写真が載っています。(わたしもそう願います!)
落合さんのご紹介で坂田さんにお会いできたこと、ワークショップに参加して色々な経験ができたことにとても感謝しています。