【まさこの実験観察日記】 見えないものを見つける力 お小遣いゼロで得た能
アンダーマイニング効果とは?
「アンダーマイニング効果」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
これは、内発的報酬(自分自身の興味や楽しみから生じる動機)が外発的報酬(例えば、お金や報奨など)によって弱まってしまう現象のことを指します。
例えば子育ての現場では:
ご褒美で釣っても、もうやってくれなくなってしまう、そんな現象です😱。
自分からやる気を持ってやっていた(自分でやろうと思ったモチベーション)が、金銭やご褒美というものが与えられてそれが目的(外的な誘惑によるモチベーション)になったら、急にやる気をなくしちゃう、ということをきちんと実験で示した研究があります。
この外的な誘惑によるモチベーションアップ(外発的報酬)は短期的には「よし、やるぞ!!!」・・の爆発的な効果をもたらす劇薬なのですが、長期的に外発的報酬に頼ってしまうと、自己肯定感の低下までもたらしてしまうので要注意だそうです🫨。
まさこの実験観察結果
さて、本題の【まさこの実験観察結果】のご報告です^^。
1歳半をすぎて愛息みっちくんが一人でほぼ自由に動けるようになってくると、好奇心旺盛な彼はいつも私がしている何かを「自分でやらせてくれ!」の意味であろう「じぃぶん、じぶんっ」(自分)という一つ覚えの単語を連呼しながらニコニコと近寄ってきて必死でマネをして手をだしてきました。
彼が生まれる前に発表されていたアンダーマイニング効果については勉強済み(笑)だったので🤓、むやみに褒めることも報酬を与えることもよい影響を与えない、という結果を信じて、「あら~、じゃあ、これをお願いね」と、いたって”ふつー”を装ってニコニコ💛して一緒に、そして、並行してできる作業をお願いしてきた。
いや、これ、ほんとはね・・内心、どれだけ愛おしくてどれだけ成長が嬉しくてどれだけ感動していたことか・・・。
「お手伝いありがとう。でもママは貴方のためにやってあげたいのぉ~貴方が怪我をしたらいけないから黙って傍にいてくれたらいいのよ💛」・・と大声で言いたい気持ちはひた隠しにして・・😭。
成長したみっちくん
そんなこんなで成長したみっちくん。私の【褒めるの我慢!!】の頑張り!?の成果か、「誰かに褒められないとやらない」「誰かに感謝されないとやらない」「対価がないとやらない」といった承認欲求が目的にすり替わってしまったり
営利目的になってしまったりするような外的報酬系には微塵も依存せず😉、やりたい、やってあげたい、・・と思えばふつーのこととして手をだしてやってくれるようになりました。
もちろん、「あー、お洗濯入れといて~」と叫んだら、「はいよ~♪」と素直に動いてもくれます。
褒めてほしいから、でも、お金がもらえるからでもなく純粋に、手があったほうがいいから、という理由だけで十分なのです。
見えない仕事を見抜く力
さらに成長して大きくなるともっとスゴイことが起こりました。なんと、状況を読んで手が足りない(足りなそうなところ)に先回りしてやってくれるようになったのです!!!😍。
そう、「見えない仕事」を見抜いて、手を貸してくれるようになったのです!!!彼が、小学校中学年のころでした。
こうなってくると、もう、外的報酬に依存しないだろうと踏んだ私は、賭けにでてみました。私がほとんどスーツのままやっているお夕飯の支度のお手伝いではなくリビングの片付けやお風呂掃除からのお湯はり・・など次にしなくてはならない作業をこちらからは何も言わなくても先取りしてやってくれていることに対して彼に、
「私がこれからやる予定だった仕事を肩代わりしてくれて、ありがとう。その時間分、ママは仕事ができるから」と話して、私の給料の時給換算分の作業代をベースに、助かった感の期待調整分をいれて(足すことも、引くこともある)渡すようにしてみたんです。
最初、彼は驚いていましたが、理由に納得したのか「なるほど^^ありがとー」と受け取って大事そうに、サービスの対価をお財布に入れていました。
それ以降も、彼のお手伝いがなくなることはなく、お駄賃をねだられることも一切ありませんでした。
時には、こんなエピソードもありました。「今から帰る・・」(熱があった)と彼に電話して会社からタクシーで急いで帰ったら、すでに家には晩御飯が用意されておりリビングに布団が敷かれていたときは思わず泣いて・・。
相当額の時価を付けて感謝の気持ちだからと彼に提案したこともありましたが、『いや、ママ、これはいらないよ』と普通にそっけなく断られ、そのまま大切に看病してもらいました😭😭😭。
こんなことを繰り返し、
払うも、払わないももらうも、もらわないもその時の状況とお互いの気持ち次第
という暗黙のルールのもとで彼は大きくなりました(そんなことで貯めたお金を株式会社の設立資金にしましたよ)。
このルールでよかったなと思うのは、仕事(お手伝い)は誰かのためになるものでなくてはならない。仕事は与えられるものではない。仕事は目に見えているものだけではない。
サービスの質や感動の状況によって同じ仕事内容でも価値が変わる・・という意識が磨かれたことだと今になって思います。
彼が自分のビジネスを成長させることができているのも、コンサルとして新規事業を提案することができているのも、
常に、見えないものを見ようとする力を養いアンテナ高く周りを見ているから。いつも次の手がうてる準備ができている。
さらに、市場にあふれる商品やサービスの価値を本当によくわかっている・・からだと、親バカな母は思います😌。
見えないものを見るセンスとお金のセンス
起業家にとって、いえ、社会で生きる人としてとても大事な『見えないものをみるセンスとお金のセンス』。月額のお小遣い制ではないから、お金がない時にはないし(笑)。
自分が自由にできるお金もなく彼なりに苦労したことはあったのだろうけど(ほんとのところ、お小遣いをねだられたことはありませんが、時にはきっと母がボーナスをくれるであろう仕事を探して手伝ったこともあったと思います(笑))。
でも、その分、それが将来に役立つ力の基礎を養ったのかな・・と母は思うことにします。そして、自分で稼ぐようになったみっちくんに今なら正直に告白できます。
本当にたくさんのやさしい心配りをありがとう。言えなかったありがとうを今ならたくさん言えるな。
みっちくん、本当にありがとう!これからもたくさん、見えてないけど大事なものを見つけてたくさんのたくさんの人を笑顔にしてあげてください💛。
参考文献
Self-Determination Theory and the Facilitation of Intrinsic Motivation, Social Development, and Well-Being Richard M. Ryan and Edward L. Deci University of Rochester 2000
追伸
写真は、本当にリビングで寝かせてもらっている時のものです。だから写真が下からですT-T。今思い出しても泣けます。このあと、R1ドリンクまでいただきました。みっちくん。本当にありがとう。