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聖なるものへの憧憬

生誕のファサードの塔に沿って登ってゆくと
「SANCTUS 聖なるかな」の文字の彫刻モチーフがあります。これは釉薬をかけた極彩色の陶器
で出来ていて、粗い地肌の石から浮き出ており、
鐘塔の螺旋状の渦巻型を強調しています。
これについてある詩人は書いています。
「塔に沿って渦巻く、SANCTUS, SANCTUS,
SANCTUS……は、3つがそれぞれ父と子と聖霊の三者に献げられている。御父に献げられた最初の
SANCTUS は、太陽の光のごとく黄色に、聖霊に献げられた2番目のものは橙色に、御子に献げられた3番目のものは、殉教者の典礼の色である
真紅になる。オレンジ色の聖霊が黄と真紅の混じり合ったものとして、父と子を結びつける。
また、白地にアルミニウムで描かれた数個の
星が置かれ、石に生命を与えることになろう。
この吹流しを読む者たちは全て、それを眼で追い、聖なるかな、聖なるかな、とつぶやきながら、聖なる三位一体への讃歌を歌いだすことに
なろう。この讃歌が視線を天に導くであろう。」
また、彫刻には詩篇の断片、キリストの頭文字、様々の紋章が入り混じり、一方では、完全な一連のロザリオ(約150の玉)がファサードに沿って走っています。

まさに、当時としては(今でもですが)画期的な
新しい形の神の讃美の仕方と言えるのでは
ないでしょうか。

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