奇想邸
ビセンス邸着工の同じ年、裕福な実業家が
スペイン北部に建てる夏用の別荘をガウディに
注文しました。通称エル・カプリッチョ(奇想邸)
と呼ばれるこの建物は中世のお城と中近東の
建築の混じり合った建築様式で建てられました。
このような建築様式はガウディの特色のひとつ
となりました。
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この印象的な塔は城塞の塔にも似ていながら、
イスラムのモスクも連想させます。
塔の頂上にはミラドールという見晴らし台が
ついていて、そこに登ると遠くに海が見えます。
色彩豊かなところも、ガウディらしさが
感じられる特徴的な建物ですね。
こうして、少しずつ実績を重ねていった
ガウディはその力量を認められ、その年の
暮れにサグラダ・ファミリアという大きな
工事を任されました。バルセロナで最も大きな
大聖堂を構想することになったのです。
31歳の若い建築家にとってなんと光栄なこと
だったでしょう。