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私のキャリアを語るときに家族のことを語ること


ウープロwalker第11号
hirominyanさんからバトンを引き継ぎました、キャリコン社労士・村井真子です。
今回はwomanプロティアン発のバトンリレーですので、まずはwomanプロティアンについてのご紹介を下記に。

バトンを回してくださったhirominyanさんのnoteもリンクからぜひお読みください。

さて今日は私がwomanプロティアン発のイベントとして毎月実施しているライブインタビューイベント、「Aroundfamilyproject(略称アラファミ)」についてお話ししたいと思います。
このイベントは毎月1回、だいたい第3週の金曜日に様々なキャリアを歩んでおられる方をゲストにお招きして、その方の仕事と家族の関わりを軸にお話をお伺いするインタビュー番組になっており、2021年11月からスタートして今月で11回まで続いているものです。

1)なぜアラファミを始めたのかーその前に


その話をする前に、まず私の人生ダイジェストにお付き合いください。

私は自営業者の子として生まれ、しかし跡を継ぐ気は全くなく新卒採用で都会の上場企業に拾っていただいて自分のキャリアをスタートしました。
なぜ「都会の」「上場企業」だったかというと、自分の生まれた福島県いわき市は普通に田舎で、といっても本当のド田舎ではなく地方中核都市というそこそこの田舎であって、端的に言うと22歳の私には「つまらない街」だったからでした。しかも実家はそこそこ繁盛している士業事務所だったので、卒業後に地元に私が戻ればイコール家業を継ぐためだろうと周囲が思うだろう、実際ほかに就職先もないしな、と思ったからです。
世の中に職業はいっぱいあるのだから、なにも家業じゃなくていいじゃん、と。

ところが多少の挫折経験があって私は実家に戻ることになりました。挫折経験の詳細はこちらに長々書いてあるので、もしよろしければお目通しください。

さて。
実家に戻ってしまった以上家を継ぐしかあるまい……と覚悟を決めたものの、実家は士業事務所です。何かしらの国家資格を取らなければ跡を継ぐことすらできない雰囲気で、私は4年かかって社会保険労務士の資格をとりました。
ところが資格取得の翌年に結婚。配偶者がこれまた愛知県豊橋市の自営業跡取りだった&自分の健康管理がほとんどできない相手だったので転居は必須要件になり、私は一から個人事業主として顧客開拓に励まなければならない身の上になったわけです。

2)なぜアラファミを始めたのかー私のキャリアの決定権は誰にあるのか


かように私のキャリアのスタートは、主体的選択の結果というよりもむしろ外部環境要因で定まっているところが多分にありました。しかもそれを、「自分の意志で決めた」風になんとなく自分でも思うし、周囲にもそう思われていた節がある。実際には自分で決めたのではなく、諸条件で許された範囲の選択肢がそれしかなかったのにも関わらず。

でも、周りの話もそんな感じだったのです。
特に、配偶者の転勤や異動に振り回されたり、あるいは「経済的に賢い」という理由で扶養内で働くことを夫婦の一方が一方に求められることがあるらしい、それを受け入れなければ馬鹿とみなされるらしい、という先達たちのエピソードは就活中に同級生の話題としてありふれたものでした。
また、私自身も子どもを産んだらどうしようと、まだ産んでもいない子どもがいる想定でキャリア継続できるかどうかを考えて不安になったり焦ったりしていました。

それはきっと、意識の上で私のキャリアの選択権が自分にないと思っていたからです。

今でこそ主体的に選択した結果、本当に好き勝手に働いている私ですが、それは「理解ある」配偶者に恵まれたから可能なのではありません。私たちはお互いのキャリアを尊重しているだけです。そして、尊重されるのはキャリアを構築するうえで互いにそのキャリアを選ぶのは「自分たちの共同体」だと思っているからです。そしてその合意が可能になるまで、延々、本当にずっと、ひたすら話をしたからです。

この合意に達するまでに、私はどれだけ勝手に自分の仕事を卑下したかわかりません。配偶者より稼げてないから自分の仕事に価値がない、と感じたこともあります。子どもにできるだけ多くの時間を使うのがよい母親の条件なのだ、という外圧に打ちのめされていたこともあります。

今は全くそう思いませんが、かつてそう感じていたのは、私に許された仕事は配偶者のキャリアを支えることだけなんじゃないか?と勝手に勘違いしたからです。あるいは、子どもを育てることが母親の役目でしょ、それ以外はおまけでしょ、というどこかから聞こえる声に負けていたからです。
勘違いしたのはジェンダーロールや役割期待などいろんな要素があったでしょうが、でもたぶん、それは明快に勘違いだったのです。

当たり前に、私のキャリアの決定権は私にあったのです。

それに気が付いたこと、そしてそれが気が付いた後は自分でキャリアを構築していける環境にいることは私の幸運であり、幸福です。世界には、日本にも、キャリアの決定権が自分にない人は、特に女性は、まだまだとても多いのが現実なのですから。

3)なぜ家族なのか――アラファミを始めた理由


こうして自分のキャリアの選択権を外部環境から主体として取り戻した私ですが、でもやっぱりキャリアを考えるうえで外部環境は無視できないのですよね。

親も年を取るし、子どもは手もかかります。配偶者が単身赴任すると生活崩壊するパターンは帯同せねばならないでしょうし、一緒に住みたいという動機で帯同し、キャリアチェンジを積極的に受け入れる方もいるでしょう。
それもまた自分の選択です。

もちろんこれは男女ともにいえることですが、それでも2022年現在、女性がこの外部環境を多く引き受けている現実がある以上、一番近い外部環境である「家族」の影響を抜きにキャリアを語ることは無理なのではないか、と考えるに至りました。

話が長くなりましたが、これが私がアラファミを始めた理由です。

2022年8月現在、アラファミにご登壇くださったゲストは延べ13人に上ります。
シングルマザー、パラレルワーカー、女性ハイキャリアリケジョ、男性育児実践者、専業主婦、育休中プロボノワーカー、上場企業の管理職ママなど多くの方がそれぞれのご家族のこと、キャリアのことを忌憚なくお話し下さいました。

このイベントはゲストの心理的安全確保とトーク内容の漏洩防止のため、アーカイブはなく一度きりのお話として語っていただいているのですが、それだけにゲストの皆様のお話はインタビューをしている私ですら「え、それ聞いてしまっていいやつ……⁉」というお話もたくさん飛び出し、どこまで突っ込んで聞いていいんだろうと思いつつ突っ込んでいます。

面白いのは、特に女性の方がキャリアのお話をされるとき、キャリア観の原体験としてご自身のお母様とのエピソードをお話しくださることです。母親がこうだった、このように育てた、ということもまた、ご自身のキャリア観を支える大きな要素に家族が介入しているということなのだろうと思います。

私にとってアラファミは自分の幅を広げる、いろいろなキャリアをお持ちの方々に話を聞くことで選択肢を広げるといった意味もありますが、それ以上に家族とその方の物語を聞くことで多様な外部環境を知る、という魅力があります。

人の家族と人のキャリアを知るから、照射されて自分の家族と自分のキャリアを考えられる。

そしてそれは女性だけの問題ではないと思うから、男性会員もいるMy3rdplaceというコミュニィでのイベントとして、さらにはプロティアン?なにそれ?という方にも知ってほしいからこそ一般公開でのイベントの形で実施しているのですが、ありがたいことに男性の参加者も毎回お一人はいらしてくださるようになり、本当にありがたくうれしく思っております。

このような場をくれたwomanプロティアンの仲間と、My3rdPlaceの仲間たちに感謝を。
そして、ぜひあなたにも、アラファミのイベントを覗いていただけたら幸いです。

最後までお読みくださりありがとうございました。
次回は、ウープロWalker特別版です。お楽しみに~!

次回のアラファミイベントはこちらからご参加いただけます!

https://my-3rd-place.net/ も併せてご覧いただければ幸いです。

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