箸の持ち方がおかしい
会社の同僚の女性。とっても気さくでいつもニコニコ、顔も並より上なのに恋人がほぼいたことがないという。なんでかな?と思っていたら、会社の飲み会でなかなかの光景を見た。
彼女の箸の持ち方がすごかった。某芸能人の箸の持ち方みたいにグーの手で持つスタイル。逆に難しいだろうと思う箸で器用に掴んで食べていた。正直残念である。それが理由かは知らないけど「だからか…」とは思った。やっぱりびっくりはする。
私も以前は箸の持ち方がおかしかった。
クロス箸?そんな言葉あるかはともかく箸でアルファベットのXを作るスタイルだった。しかもクロスから戻す時に掴むんだからそれはもう他の人が見たら「箸の持ち方がおかしい」となって仕方ないものだった。
今はどうだ?というと、持ち方は治った。むしろ綺麗な方だ。よく人に褒められる。豆とか全然余裕だしマロニーちゃんだって平気だ。なぜ改善できたかというと、ある出来事がきっかけになったからだ。
毎年元旦に親戚で集まって食事会をしていたのだが、その席で従兄弟のおっちゃんに箸の持ち方を大いにからかわれたからだ。おっちゃんは酔ってたのもあり大きな声で
「まさゆき箸の持ち方おかしいで〜!どうなっとんや〜?恥ずかしくないんか〜!」
「まさゆき前髪長くないか〜?中居くんのマネか〜?フ〜って息吹きかけるんか〜?」
カッチーン!多感な時期の(中学生だったかな)少年にみんなの前で恥をかかせるとは。おっちゃん許すまじ。その時はかなり頭に来たことを覚えている。箸で頭刺したろか位には思ったはず。あと中居くんのくだりなんなん?そもそも前髪そんなに長くないし。あほか。
その出来事が悔しくて家で何回も特訓して箸の持ち方を治した。そして次の年の食事会では修正された箸の持ち方をおっちゃんの目の前でドヤ顔披露したが、本人は酔ってて覚えてなかったらしくノーリアクションだった。言った本人は覚えてないもんだよな。クソがっ。
でもありがとう。これがきっかけで今は綺麗に箸を使えている。
私は『極度の怒りとか悲しみの体験で人は変われる』と思っている。あの時大勢の前でかいた『恥』はその後の『箸』に良い影響を与えてくれたのは確かだ。中居くんのくだりは未だに知らんけど。
#箸の持ち方 #エッセイ #思い出