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ここに何しに来たのか真剣に考えるべきだった。リエゾン草津時代のスタート【サッカーは僕の人生の教科書だった】#011

2001年。雪が降る群馬県草津町にあるサッカー寮に選手たちが少しずつ集まってきた。

草津町は日本三名泉で知られている『草津温泉』が有名だ。

チームは『リエゾン草津』(現:J3ザスパ群馬)。

アマチュアからプロ参入を目指し力を入れていた。前年度から所属している選手たちは、オフシーズンを終え、それぞれ地元から戻ってきてる。それ以外の選手は、僕と同じようにセレクションに合格した選手たちだ。

みんな緊張している表情を隠し切れない。
部屋は一人ひとりに与えられてるのがありがたい。

チームの寮は、昔サッカー専門学校だった建物を寮に変えたらしい。2段ベッドが取り付けられていて、他にテレビがあるくらいで他には何もない。

冷蔵庫とか布団とか、必要なものは各自で用意するしかないのだ。

スポーツ選手にとって大事な食事面は、残念ながら整っていない。食堂はあある。朝昼晩、食べたいときは事前に名簿にチェックする。もちろん有料だ。

「ちゃんと食堂があるからいいじゃん!」と思うかもしれないが、寮費を払って、毎回食堂で食べようとすると合わせて10万円はする。

10万円払うとなると、練習以外のすべての時間をバイトに使わなくてはいけない。

ただ、当時の僕にはその覚悟がなかった。
一番大事なことを忘れていたのだ。

ここに何しに来たのか!

もっと真剣に考えるべきだった。今振り返っても考えが甘すぎたと反省している。世の中、プロサッカー選手になりたい人なんてごまんといるからだ。

世代別代表に入った経験があるわけでもない、トレセンに選ばれていたわけでもない。どこにでもいるような選手が、他の人より努力しないで何を成し遂げようというのだろうか。

雪が降り続ける中、いよいよ2021年のチームが始動する!




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