人の話を聞かない人
昼間のカフェやファミレスには、ママ友や高齢者グループが驚くほど集まっているのをご存じだろうか。
他愛もない話で2時間だろうが、4時間だろうが、話を続けられるスキルの高さはさすがとしか言いようがない。(拍手喝采!)
申し訳ない気持ちを抑えながら、執筆の合間に人間観察をさせてもらう。すると、おもしろい光景が目の前に広がっている。
みなさんにも心当たりがあるだろうけど、人の話を聞かない人は自分が言いたいコトを言いたいだけのタイプが多い。
他人が目を輝かせ生き生きと話をしている横から、話を中断させてでも自分の話をしたがる人は一定数いる。
まるで金曜ロードショーで風の谷のナウシカがオウムの暴走を体ごと止めようとしている感動シーンに入る直前、北朝鮮のミサイル発射の緊急速報がテレビの上に流れてくるかのように。
な、なぜこのタイミングで…ミサイル情報なんだ。
人の話はどうでもいいのだろう。自分が話の中心にいないと気が済まないのかもしれない。そういうタイプは、お昼の集団に1人はいる。
今日も高齢者グループが集まる中に、そんな人がいた。女性だった。
グループの1人の男性が「80歳になったら自分の暗証番号とかヘソクリとか、家族に伝えようと思っている」と。
「じゃあ、俺もそうしよう」と、他の仲間も共感していた。
「でもさ、暗証番号って覚えてられなくなってきてる。だから…」と、まだ何か言おうとしていたとき、例の女性の暴走スイッチを誰かが押してしまった。
「でもな、ヘソクリって、隠した本人は忘れているんだよね!」どうしても今伝えたいことがあるらしい。
「私もな、昔引っ越しのとき部屋を片付けていたら5万円出てきたんよ!何で?何でこんなところに5万円あるの?って思ったの!でも、よ~く考えたら、その5万、昔私が隠したお金だったんだよねー!わっはっは」
誰も笑っていない…
「お前のヘソクリだったんかーい!」
思わず突っ込みを入れたくなってしまった。というか、心の中では浜ちゃんばりに突っ込んでいた。
きっとみんなもこう思っているに違いない。
「割り込んでまで話す必要あった?」
80歳になったら暗証番号を家族に教えようとしていた男性は、暗証番号を覚えられないから、物忘れ防止として、何か対策していることを話したかったに違いない。うん、僕が聞いてあげるから教えてちょうだいな。
もしかしたら、自分も知らないうちに周りの人の話をぶった切っているかもしれない。
ふと、自分の行動を振り返ってみた。
「他人の振り見て我が振り直せ」という言葉があるが、今回は人生の大先輩である、高齢者グループの方々からいろいろ勉強させてもらった。