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40歳、転職男の「ライター向いてない」ときの話をしよう
転職ばかりで定職につけない40歳
転職を繰り返し、40歳を迎えた年に世界が一変した。
コロナという未知のウイルスによって、世界の動きが止まり、働き方も変わり、たくさんの人が未来を不安視しはじめた。
僕もコロナの影響を受けてなのか、今歩いている場所から遠くが見えなかった。
これまでに物流業やサービス業で働いてきた。どれも長続きしなかった。
「また仕事辞めるの?」と、家族や友人には何度も呆れられ、履歴書は行数が足りないほどだ。
自分でも「何やってるんだろう」と思うことが増えた。
このままじゃダメだ。
でも、何をすればいいのか分からない。
そんなとき、ふと目に入ったのが『ライター』の文字だった。
文章力ゼロ、赤ペンだらけの現実
学生時代、ほとんど文章に触れてこなかった。当然、読書の習慣もない。文章を書くスキルもない。
でも、40年も生きてれば無駄な経験がつき、「やってみなきゃ分からない」ということは知っていた。
僕はライターに挑戦することにした。
SNSアカウントを作り、クラウドソーシングに登録し、片っ端から応募した。運よく採用された案件で、人生初のライティングをすることになった。
「よし、書けた!」
意気揚々と納品した。
…が、戻ってきた原稿を見て愕然としたのを鮮明に覚えている。
赤ペンだらけ。
「文章が分かりにくい」
「主述関係がめちゃくちゃ」
「文章が長い」
容赦ないダメ出しが並んでいた。
「やっぱり40歳から挑戦って無理かもしれない…」
一気に自信を失った。
それでも諦められなかった
正直、何度もやめようと思った。
40代で未経験。スキルもない。
こんな状態でライターなんて無理に決まってる。
そのとき、過去を振り返って見えたものがあった。
これまで転職を繰り返してきたのは、どの仕事も「自分に甘え、あきらめていた」ということ。
でもライターは、ただ「できなかった」だけ。
「あきらめる」と「できない」はまったく違う。
できないなら、できるようになればいい。
そう思い直し、ライティングスキルを基礎から学ぶことにした。
ダメ出しされた部分をスプレットシートにまとめ、どこが悪いのか徹底的に分析した。
少しずつ、赤ペンが減っていった
最初は真っ赤だった添削も、少しずつ減っていった。
「読みやすくなりましたね!」
そう言われたとき、初めて「続けてよかった」と思えた。
「ライターなんて向いてない。」
最初はそう思った。
でも、「向いてない」のではなく、「ただの未経験」で知らなかっただけ。勘違いをしていたんだ。
未経験なら、経験を積めばいいじゃないか。
40代からの挑戦でも遅くない。
むしろ、これまでの人生で培ったものを活かせる仕事でもある。
そう思った瞬間、初めて希望が見えた。
5年前の自分とは明らかに違う。前を向いて歩いている。