♯2 会計ソフトの移行プロセス
当記事は、「#1 会計ソフトの移行プロセス」の続きとなっています。
今回は、#1のSTEP01で説明した、会計ソフト変更の検討タイミングを迎えた後の考え方や手続きを書いていきます。
STEP 02:検討の際のポイント
01.移行のメリットはあるか
会計ソフトを移行を何のために行うのか、移行によって自社にとってどのようなメリットがあるのかを考えましょう。
「クラウド会計ソフトが流行っているから」、「顧問税理士から勧められたから」、「クラウド会計ソフトを入れておけば、電帳法に対応できると聞いたから」など、何となくの情報や他者からの勧めのみで判断してはいけません。
会計ソフトを移行する目的やメリット・デメリットを整理した上で、判断しましょう。
02.数年後を見据えているか
会計ソフトの変更に伴う移行作業は業務負荷が大きく、毎期会計ソフトの変更は行うことは現実的に難しいです。これを踏まえると、会計ソフトは向こう5期程度は使用する前提で、移行の検討を行うことをおススメしています。
自社の事業計画(イベント)で、新規事業開始・海外進出・連結決算・IPO準備などが控えている場合は、これらのイベントに対応できる会計ソフトを選択肢に入れるべきでしょう。
新規事業開始予定があれば、これまで使用していなかった原価計算(製造原価)の機能が充実しているか。
海外進出予定であれば、現地法人との連携がスムーズに行えるか。
IPO準備に突入するのであれば、内部統制機能は十分か。などを気にしながら検討します。
03.会計だけではなく、会計周辺システムとの連携はどの程度可能か
freeeやマネーフォワードに代表されるような、クラウド会計ソフトが世の中に出る前の会計ソフトは、会計ソフト単体で使用する、あるいは、その会計ソフト会社が開発した周辺ソフトのみとの連携が多かったと思います。
一方クラウド会計ソフトでは、クラウド会計ソフト会社が開発した周辺ソフトとのシームレスな連携はもちろん、他社が開発した様々なシステムやサービスとの連携が可能になっています。これはバックオフィス領域を超え、マーケティング部門・セールス部門・製造部門・店頭など様々な部門で使用しているシステムとの連携も可能になっています。
会計ソフト移行の際は、会計部分だけではなく、会計周辺システム・サービスとの連携がどの程度可能かを考えましょう。会計ソフト移行と同時に周辺システムとの連携を一度に行うことは難しいため、ビジネスサイドとも相談の上、何のシステム・サービスをどのようにいつくらいのタイミングで連携するかを決めればいいと思います。
ただし、こういったことを考えるのは、経験や専門的な知識も必要になります。そのため、「業務設計・構築」のできる人に相談しながら進められればベストだと思います。