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ママ座談会。厳しい環境に居させられているママたちを笑顔にするヒントきら星
この記事の元となる音源「Morning House」は、音声SNSアプリClubhouseで毎朝6:50から配信しています。一週間で一人の人生が「劇的」に変わる、新感覚のライフチェンジング番組です。
https://www.clubhouse.com/club/morning-house
Before-Afterのように劇的な変化を起こすプロデュースで一人の人の生き方を変える「Morning House」、今週のライフチェンジャー(=人生を変えたい人)は、シングルマザー・上田美雪さんだ。きのう、さっそく「移動型キッズクラブ」等のさまざまな構想が動き始めた(前回の記事はコチラ)。そしてきょうは、ママたちにスピーカーになっていただきながら、赤裸々な話を座談的に語ってもらった。変化は、迅速だ。
子どもを預けると「私ってわがままかな」と感じる
まずは、子育てを終えたママが語り始めた。
「私は平成のはじめごろから子育てが始まりましたが、キャリアを形成していく中で、周囲から『なんで子どもを預けてまで働くわけ?』って言われていました。私としては、資格もとっていたし仕事は続けたかった。でも、それを認めてくれない空気があってすごく悩んだんです。そんな周囲からの圧がある中で、子どもを保育園に預けたら、『ママー!』って泣かれてしまう。後ろ髪、ひかれますよ。つらかったです」
これを皮切りに意見が続々とでた。
「『預けてまで』って呪縛みたいな言葉が、少し前までかなり強く言われてましたよね。『子どもがかわいそうじゃない』って言われたらうまく言い返せなくて」
「それ言われたらね……」
「周囲の圧を振り切ってまで働くと、ママ自身も『私ってわがままなのかな』って思うんです。それが悲しいんですよね」
「いま現在も、そういうプレッシャーってありますよ。そこはあまり変わっていない気がするな……」
「みんなで」子どもを育てる慣習ができたら
「私は小学1年生と3年生の子を育てています。私も働いていて、でも保育園に預けることができなかったんですね。待機児童になっちゃって。そういうママって、まだまだいると思います。そんな状況の中で美雪さんみたいに『保育園、ないならつくっちゃおう』って発想が出てくると、それを求める人も『助けて』って声をかけ始めてくれると思うんです(詳しくは前回の記事をご参照ください)。信頼できるところに預けられれば、ママも安心できますよね」
「ママは、一人になっちゃいけないと思います。ママひとりとっても、得意なことと苦手なことってあるじゃないですか。それなら、得意なことをシェアし合うコミュニティをつくって、『好きのおすそ分け』みたいにして、共同体の中で子どもを育てていけばいいんじゃないかなって私は考えています。実際そういう例って生まれ始めてますよね。少しずつ、ですが」
「『共同体の中で』『みんなで』育てるっていいですね。自分の子どもだとイライラしちゃうことでも、人の子どもだと待てあげられたりしますし(笑)。その子のタイミングを待てるって、実の親より他人の親の方ができるかもしれない。『みんなで』育てる習慣が日本にかつてあったのだとしたら、復興した方がいい文化だなって思います」
「私は専業主婦です。24時間、365日、子どものそばにいられます。これって、恵まれていると思うんです。でも、そんな贅沢な環境にいるのに、『一人で見る』『ずっとそばにいる』っていうことで、自分的につらくなったりするんです。『長い時間一緒にいるのに、子どもとうまく向き合えていないんじゃないか』って不安になって。そう思うと、『預けられるところに預けた方が子どもにとっていいんじゃないか』って葛藤が始まってしまって、どんどんマイナス思考に陥ってしまいます」
この話は、預ける必要性がないと世間的に思われている主婦の意見として大切だ。
「『ママ、リカちゃん人形で遊ぼ』って言われても、ちゃんと遊んであげないで逃げちゃったり。専業主婦って、預ける場所、頼れる人が家族しかないから、育児に孤独感を感じてしまいがちなんです。しかも、いまは感染の拡大があって、もっと孤独感が増しています」
「そういう風に罪悪感を抱くママって多い気がするな……」
このたびのパンデミックで、女性の自殺率が急速に高まったことはよく知られた事実だが、ここにも原因のひとかけらがあるようにも感じられる。
「テレビを見せたり、YouTubeを見せたりすることも、『逃げ』なんじゃないかって感じたりして、ほんとうに苦しくて。なので、主婦としては、気軽に、1時間でも2時間でもいいから子どもを見てもらえる場所が増えたらいいなって思ってます。その間にできることってあるので」
「確かに、子どもと二人っきりだと、トイレに行くのも心配になりますよね」
「主婦的には、『預けないことで生まれる罪悪感』もあるんですね」
アメリカにある「デートナイト」という文化
「いま私はアメリカに住んでいますが、アメリカでは共働きがあたり前で『子どもを預ける』こともあたり前になっています。学校や教育施設が子どもを見てくれる制度もしっかり整っていますし、ベビーシッターを頼むことにママたちが罪悪感を抱くこともありません。日本とアメリカのこういった文化の良し悪しの判断はわかりませんけど、ただ『今日はどうしても』という時には敷居低く子どもを預けるのがアメリカの傾向なんです」
「アメリカには『デートナイト』って考え方があって、おじいちゃん・おばあちゃんなどに子どもを預けて、夫婦で食事や映画のデートを楽しむ文化が定着しているところがあります。ママといっても、親であるまえに一人の人間です。だから『ママが楽しむために』子どもを預けても良いという発想になるんです。ママという個人の楽しみもちゃんと担保するというか。で、おじいちゃん・おばあちゃんも孫の面倒を見られるしナチュラルに楽しい。夫婦関係もよくなる。これってアメリカの良い点だなって思います」
「子どもを預けることへのハードル自体は、日本でも共働きが当然になってきて幾分低くなってきていると感じています。でも、たとえばママさんが自分らしさを謳歌しようとして、そのために子どもを預けようとなると……日本ではまだまだ非難されるだろうなって思います」
「ママが楽しむために預ける……これは自分も罪悪感を抱くかも」
「正しい子育て」ではなく「楽しい子育て」を
「自分を責めちゃうって、日本では特に根強いですよね。ただ、私は『正しい子育て』じゃなくて『楽しい子育て』をしようって考えて実践してきたので、『自分を楽しむ』も大切にしてきました。私がいるアメリカでは、12月のパーティーシーズンになると託児所は夜中までやってくれるんです。パーティーは基本パートナーと行くので、子どもは預けるんですね。それで夫婦もロマンチックな良い時間を過ごすし、実は子どもも子どもで、まわりの同級生と一緒にマックを食べながら深夜まで遊べるっていう特別感にワクワクしていたりする。どちらにも良いんですよ、この文化って」
「日本だと、夜ご飯がマックっていうだけで非難されそう……」
「日本のママさんは、子育てに求められるレベルが高すぎますよね。しかもそのクオリティを年中維持していなきゃいけない。ママも真面目にそれに応えようとする。夜ご飯はマックにはしないし、夜は何時までに寝させて、子どもを夜遊びさせない、とするわけです。固定観念にがんじがらめになっています。それじゃ、苦しくなりますよね」
「私は子育てに正解はないと思ってやってきましたが、いま話題に出た、『正しい子育て』じゃなく『楽しい子育て』をするって、目から鱗(うろこ)でした」
子育ては完璧でなくていい。楽しむ大人を見せよう
「『ママも自分の好きなことをする』を自ら『それでいいんだ』って許せる感覚、ほんとうに大事ですね。このハードルも下げたいです」
「完璧にやろうとしすぎて、自分自身が許せないのかも」
「子どもにつきっきりというのもアリですが、奔放であってもいい部分ってある気がします。自由にさせたらいいという側面が、子育てにも存在していて。私の近くには海があるのですが、『堤防が危ないから』といって行かせなかったりしますよね。ライフジャケットを着せていれば、変な話、死ぬことはまずないんですけど、でも『責任が~』となってなかなか踏み込めない。なぜって、万が一何かあった時に責任を問わるのはママだからです。社会が厳しんです、ママに対して」
「そうそう!」
「子どもには、自主的にまずやらせてみるって環境が必要ですよね。ママは頑張らない。子どもは自由にさせてあげる。それを見守るだけでママはいい。そういう場面は多々あるんです」
「素敵な大人の姿を見せてあげるのも大切ですよね。それが大人の責任かなって思う。大人って楽しいよってところを見せないと」
「子どもにはいろんな大人を会わせたいで。素敵な大人。かっこいい大人。ちょっと危うくて、でも『これでも生きていけるんだ』って思わせてくれる大人(笑)。そういう大人に触れることで子どもの生きる幅が広がります」
罪悪感を抱かずに子を預けられる環境が必要
「うちはいま子どもが3人いて、不登校だったりするんです。最初は自分を責めました。私のせいで不登校になったんじゃないかって。それこそ子どもが幼稚園のころに、子どもを預ける時、罪悪感を抱いていました。でも、徐々に自由にしていこうって思って、たまにうちも夫とデートに行くようになりました。そんな時に、子どもの預け先に『仕事……のためですよね?』って確認されたんです。そういうルールになっているみたいで。たぶん、幼稚園の先生の中にも『自分が楽しむために親が子を預けるなんて』っていう思いがあって、自分もそれを察知して罪悪感を持っていたんだと思います。これって凄い悪循環です」
「『ごめんね』って思いながら、子どもを預けると、子どもも『かわいそうな子』って自認し始めますからね。それも、悪循環だと思う」
「自分の罪悪感ってどこからくるんだろうって考えた時に、自分の『できないこと』ばかりに意識が向いていたなって思ったんです。子どもに『これもしてやれてない』『あれもしてやれてない』って。でも、できてないところばかり責めず、できてるところに目を向けていろいろな人と声かけをし合えれば、いいですよね。それは預け先の保育園や、おじいちゃん・おばあちゃんも巻き込んでのことです。『思いっきり楽しませるから、デートしてきてね』って言ってもらえるだけで、違ってきます。私は、悪循環の中にそういう信頼関係が入ってきた時に、夫とデートに行くことへの罪悪感を抱かなくなりました」
「自然」に子どもを"預ける"ことの大切さ
「私、子どもの頃にキャンプによく連れて行ってもらってたんです。毎週、教会でお祈りをしていたのですが、その教会がキャンプを主催してくれて。長ければ一週間くらい親元を離れて、たくさんの大人と子どもの中で楽しい思い出をつくることができました。両親も旅行好きで、各地の自然に触れさせてもらったんですね。自然って学びが多いし、自然の中でみんなで役割を見いだしながら生活すると、知恵も身に着くことを知りました。子どもながらに心が澄む感じが心地よかったことを覚えています」
「自然に触れるって大事ですよね。私の子どもが不登校になった時に、その年の夏からいろんな家族と旅に行き始めたんです。自然の中に入っていったら、リラックスして解放されるというか、お母さんも子どもに対して優しくなれるし、親子で心が変化するんですね。それによって子どもは不登校から立ち直ることができました。体は疲れるけど、心は豊かになるのが、自然の中にとけ込むことで得られるものだと思います」
「そういう場で、1歳くらいの『まだ目が離せないし、一人で何かができるわけでもない』子がいると、ママって『お留守番』になりがちでしたよね。でも、キャンプや旅も『みんなで』行くと、いろんな大人や子どもがそれぞれ支え合いながら遊ぶので、1歳の子でも役割が担えるんです。『ちょっと、そこのハンマー取って』みたいなことを頼むと、嬉しそうに『はい、ママ』ってしてくれる。そういうところから自尊心も育つし、人とのかかわり方も学ぶんだなと実感しています」
「子どもって、ほめるよりも感謝した方がいいって私、学んだことがあるんです。何かをできたら『ほめる』のではなく、『感謝する』。ありがとうって。今おっしゃっていたハンマーの話も、親が『ありがとう』って返事していますよね。それって教育にもいいらしいです」
「大丈夫! 今のままでいいんだよ!」の声
「日本の文化の中でちょっと変わった子育てをすると、どうしても違和感を言ってきたり非難してくる人はいます。そういう時に、『大丈夫だよ! 今のままでいいんだよ!』って言ってもらえるコミュニティがあるだけで心強いと思います。『私、こっちでいいんだ』って思えるって大事で。そんな体験の積み重ねでママさんの自尊心も変わってくると思う」
「子育てってやっぱり責任がありますから、それをマインドを変えるだけで乗り越えようとするのって正直きついと感じています。子育てがうまく行かない時に、自分を変えよう変えようとして、気持ちがいっぱいになってしまう。それが大切な時期もあるのかもしれませんけど(現状にあっては、ないと思いますが……)、そこに没入するんじゃなくて、環境やつき合う人を変えてみるっていう視点もアリですよね」
語らいは、続いた。みなさんの声を、ライフチェンジャーの美雪さんは、心底から受け取っただろう。
彼女は――いま現在、「移動型キッズクラブ」などの構想をまとめ、企画書を起こし、すでにママたちのぶっちゃけトーク会を「プレ」で開催もしている。ことは動き始めている。そして、彼女の旗振りに共感するママたちが立ち上がり始めている。この流れを、加速させたい。
▼美雪さんの最近のツイート▼
今日は5時に起きた 娘も5時に起きた
— 上田 美雪 Miyu (@miyu_doors) September 28, 2021
早いねって言ったらママ頑張るから充電必要でしょ?ハグするねってハグしてくれた。コッソリ部屋に入ってきて手振って自分でお弁当持って学校に向かった。
うちの娘は最高の娘で、最高の仲間です!#自分の子をベタ褒め #MorningHouse