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安保理とは何か?「ロシアが拒否権行使、避難決議案は否決」

こんにちは。

国連安全保障理事会(安保理)でロシアが拒否権を行使したとして、注目されています。
今回は安保理の役割と構成、審議の3構成で書いていきます。

安保理の役割

今日の国際社会において唯一の包括的・普遍的な組織である国連の中で、国際の平和と安全の維持につき主要な責任を有しています(国連憲章第24条1項)。国連憲章上の主な権限は、紛争当事者に対して、紛争を平和的手段によって解決するよう要請したり適当と認める解決条件を勧告したりすること、紛争による事態の悪化を防ぐため必要又は望ましい暫定措置に従うよう当事者に要請すること、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定し、平和と安全の維持と回復のために勧告を行うこと、経済制裁等の非軍事的強制措置及び軍事的強制措置を決定すること、などです。

外務省

具体的活動は、国連平和維持活動(PKO)の設立、多国籍軍の承認、テロ対策、不拡散に関する措置の促進、制裁措置の決定などです。

安保理の構成

中国、フランス、ロシア、イギリス、アメリカの5カ国の常任理事国と選挙により選出される10カ国の非常任理事国から構成されています。

常任理事国は「拒否権」を有し、手続き事項を除く全ての安保理の決定は、常任理事国の1カ国でも拒否権を行使した場合、成立しません(憲章第27条)。非常任理事国は任期2年で、全加盟国による秘密投票により選出され、連続して人気を務めることはできません。なお毎年半数が改選されます。

常任理事国
中国、フランス、ロシア、イギリス、アメリカ

非常任理事国
アフリカから3カ国、アジア、太平洋諸国から2カ国、東欧1カ国、南北アメリカ・カリブから2カ国、西欧その他から2カ国

現在の非常任理事国
インド、アイルランド、ケニア、メキシコ、ノルウェー(2022年まで)
アルバニア、ブラジル、ガボン、ガーナ、アラブ首長国連邦(2023年まで)

安保理の審議

安保理の会合

会合には一定の会期はなく、必要に応じて随時開催されます。原則として公開で行われる公式会合(傍聴可能)の他に非公開の非公式協議が頻繁に開催されます。

会合における議長は英語のアルファベット順に月番で務めます。

公式会合は国連本部内の安保理議場で行われます。

安保理議場における席順は、左右に広がる馬蹄形テーブルに、議長を中央にして左回りでアルファベット順になっており、月毎に1つずつ右隣に席を移します。議長の右隣には事務総長が座ります。

会議の公用語として、英語、フランス語、スペイン語、中国語、アラビア語の6ヶ国語が認められています。

事務総長

事務総長は位置付けとしては最も立場が高く、国際連合の最高職。
任期5年で規則上再選に制限はありません。
事務総長は安保理の推薦を受けて、総会が任命します。事務総長の選任についても常任理事国は拒否権を発動できます。

事務総長の選任に関しての拒否権発動
第4代のクルト・ヴァルトハイム(オーストリア)の3期目の挑戦を中国の拒否権によって2期で退任。
第6代のブトロス・ブトロス=ガリー(エジプト)の2期目の挑戦をアメリカの拒否権によって1期で退任。

現在の事務総長は
第9代アントニオ・グテーレス(ポルトガル)2017年〜現在

歴代国際連合事務総長


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