安保理とは何か?「ロシアが拒否権行使、避難決議案は否決」
こんにちは。
国連安全保障理事会(安保理)でロシアが拒否権を行使したとして、注目されています。
今回は安保理の役割と構成、審議の3構成で書いていきます。
安保理の役割
具体的活動は、国連平和維持活動(PKO)の設立、多国籍軍の承認、テロ対策、不拡散に関する措置の促進、制裁措置の決定などです。
安保理の構成
中国、フランス、ロシア、イギリス、アメリカの5カ国の常任理事国と選挙により選出される10カ国の非常任理事国から構成されています。
常任理事国は「拒否権」を有し、手続き事項を除く全ての安保理の決定は、常任理事国の1カ国でも拒否権を行使した場合、成立しません(憲章第27条)。非常任理事国は任期2年で、全加盟国による秘密投票により選出され、連続して人気を務めることはできません。なお毎年半数が改選されます。
常任理事国
中国、フランス、ロシア、イギリス、アメリカ
非常任理事国
アフリカから3カ国、アジア、太平洋諸国から2カ国、東欧1カ国、南北アメリカ・カリブから2カ国、西欧その他から2カ国
現在の非常任理事国
インド、アイルランド、ケニア、メキシコ、ノルウェー(2022年まで)
アルバニア、ブラジル、ガボン、ガーナ、アラブ首長国連邦(2023年まで)
安保理の審議
安保理の会合
会合には一定の会期はなく、必要に応じて随時開催されます。原則として公開で行われる公式会合(傍聴可能)の他に非公開の非公式協議が頻繁に開催されます。
会合における議長は英語のアルファベット順に月番で務めます。
公式会合は国連本部内の安保理議場で行われます。
安保理議場における席順は、左右に広がる馬蹄形テーブルに、議長を中央にして左回りでアルファベット順になっており、月毎に1つずつ右隣に席を移します。議長の右隣には事務総長が座ります。
会議の公用語として、英語、フランス語、スペイン語、中国語、アラビア語の6ヶ国語が認められています。
事務総長
事務総長は位置付けとしては最も立場が高く、国際連合の最高職。
任期5年で規則上再選に制限はありません。
事務総長は安保理の推薦を受けて、総会が任命します。事務総長の選任についても常任理事国は拒否権を発動できます。
事務総長の選任に関しての拒否権発動
第4代のクルト・ヴァルトハイム(オーストリア)の3期目の挑戦を中国の拒否権によって2期で退任。
第6代のブトロス・ブトロス=ガリー(エジプト)の2期目の挑戦をアメリカの拒否権によって1期で退任。