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カウンターが無い!?コペンハーゲンのコーヒー屋さんが教えてくれた、店と客がフラットにつながるための「ひらく」コツ。
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コペンハーゲン3日目。1月の日の出は8時半、日の入りは16時。夜明け前のairbnbの宿泊先の窓からは、こんな光景です。本当にほとんどの人がカーテンをせず、朝でもこうして綺麗な明かりをたくさん見ることができます。
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というわけで、この日の午前中はノアブロ地区の方へ行ってみます。どうやら、地元の若者たちに人気の比較的新しいエリアのようで、特にイェーゲシュボルゲーデ通りには、話題の飲食が集まっているとのこと。
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日の出前に出発。で、いきなりワァっとため息。。夜明け前の建物に映されていたのは、付いたり消えたり、動くドット柄の明かりたち。日本のプロジェクションマッピングは、センスの無いのド派手傾向にありますが、このように日常にとけ込む可能性は、まだまだあるのですね。
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赤く染まりはじめた空、宙に浮く街灯、地元商店から外に漏れる光にドキッとしてしまいます。
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コペンハーゲン北側に並ぶのは、5つの湖。日の出前にジョギングする人、子供をそりにのせて散歩する親子。「豊かだなぁ」というのは、美しい風景と能動的な人々の営みが、合致している瞬間に感じるものかもしれないと、改めて思いました。
車道から歩道、歩道から湖の周りの公園、公園から湖、すべての境界に何一つ柵がありません。日本のように何でも安全のために柵をつけるのか。美しさと心地よさと人間に委ねられる自由さを得るために、こうして柵をつけないのか。それによって市民がどう能動的に動くのかが変わってくる。これは大きなポイントです。
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湖には5つの橋がかかっているのですが、湖畔も橋の上も、夏は思い思いに過ごす人で賑わうそう。
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日の出の時間をゆったり過ごすために、本日のファーストティータイム。LAGKAGEHUSET(ラウケーフセット)は、中央駅や空港にもあるベーカリー。
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シナモンロールから黒パンまで充実しています。頼んだら包んでくれます。
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だんだん人が増えてきて、皆週末のお出かけ前にという感じ。ジョギングを終えてからパンとコーヒーを買って帰るのも、ひとつのスタイルになっているみたい。
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クリスチャニアバイクに子供をのせるのは、当たり前のスタイル。こういうことが実現しているのも、まちがそのように作られているから。自転車専用道路がただ整備されているだけではなく、ほとんどアップダウンがないことにも驚きます。ちなみにクリスチャニアバイクは日本でも購入可能。
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湖畔から北側へ上がっていくとアンティーク屋が集まるエリア。少し雰囲気が変わってきて、人種も少し多様になってきます。
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大きな大きな墓地があって、雪景色の中でも、いろんな植物が生い茂っていることがわかります。これは春夏に来ると、ここでもピクニックしたくなりそう。メインの通りに出るとこの圧巻樹木!高い!!そして、ここを北側に抜けると。
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ノアブロ地区のイェーゲシュボルゲーデ通り。朝早かったので、ほとんどの飲食はしまっていますが、いくつかのコーヒー屋はオープン。
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ドアを開けてみたのが、collective coffee(コレクティブコーヒー)。入ってみると、何か違和感、違和感、違和感。。そう、ウェルカム笑顔で迎え入れてくれたお兄ちゃんと我々との間に、何もないんです! ただ、目の前に兄ちゃんが身一つで立っている。
*参考リンク:全日本コーヒー協会 Vol.10デンマーク:コーヒー・コレクティブ
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田中はコーヒーを、僕は紅茶を注文。コーヒーは入れ方を選べます。コーヒーは、普段われわれがパーソナル屋台で出しているのと同じエアロプレスで注文。
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紅茶の方は、頼んだら「何にする?」って聞かれて、「何があるの?」って聞いてみたら、数種類、しかも全部オリジナルのブレンドだっていうので感動。こちらのスタイルはその場で茶葉を袋に入れてくれることも多くて、その一手間が紅茶党にとってはとても嬉しい。
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早朝だというのに、子連れのお父さん、お母さんの来店も多かった。ちっちゃい子どもはみんな、こんな格好で店内を歩きまくっています。
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30分ほど、過ごしてたら、だんだん人が賑わってきて。店員と客、また客同士も、まるでみんなゆるやか〜な家族のよう。入ってくると、「おはよう」「何にする?」「久し振り」と。もちろん、僕らのような常連ではない人にも、同じ接し方で。
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で、気付いたんです。店員と客の間に何もなく、「ようこそ!」と笑顔で言ってもらえた瞬間に、お互いがフラットな関係になれる。それが、互いにとっても理想的な関係だということ。さらに私たちと店員との間にカウンターのような物理的なモノがないことだけではなく、店員がユニフォームを着ていないことも、大きなポイント。その姿から無意識に私たちが感じるのは、彼がcollective coffeeという看板を背負った店員という以前に、一人の人間として、そこに立っているということです。そんな彼に受け入れられるからこそ、あっという間に、この場に馴染み、居心地を得られたのですね。
日本で働く人の多くは、個を完全に出すよりも、会社のお面を被りながら個を少し出すことに頑張りがちなのかもしれません。しかし、消費者がモノを買うことが目的だとしても、その吸引力のひとつにフラットな関係による暖かいコミュニケーションというものがあるわけです。
店側の店員が、個を立たせ、良質なコミュニケーションを客と構築できれば、結果的にそこに小さな小さなマイクロコミュニティーが、一日に何百と発生し、それが継続的な売り上げにもつながっていく。これは完全に東京のあのヤバイコンビニに通じるものですね。この話はまたいつか。
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いや〜、この眺め、このインテリアデザイン、潔く壮観です。基本はL字のキッチン。彼が立っている直ぐ右にパソコンとレジ機能、その左にちょっとだけ高い小さな小さなテーブルがあって、これがコーヒーの受け渡しとお金を受け取る機能を持っています。L字の角が水回りで、洗ったらすぐに右側の食洗機へ。実にシンプルな構成。店員の移動範囲も非常にコンパクト。
建築の世界では、よく「ひらく」と言われていますが、本当に「ひらく」ということは、デザインだけでは達成できません。最後は、そこに立つ人間が、どれくらい「ひらく」か。だからこそ、そこをも誘発させるデザインが必要なのかも!
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気付いたら、みんなコーヒー屋に、美味しそうなパンを持ち込んで食べていることに気付き、これはもしやあのパン屋か!と、外へ出てみると。
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目と鼻の先にコペンハーゲンで一番美味しいシナモンロールと言われている「meyers bageri」。デンマークで有名なシェフのClaus Meyerさんによるお店。外から気になってのぞき込む女性がふたり。
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外から、パンが見えるだけではなく、そこでパン職人が生地をこねている、このリアリティ。さらによくよく見ると、新鮮な食材、料理の光景、完成した食べ物、売り子、行列と全てが目に入る。これって、意外とレベルが高いかもしれない。
こういうことは、大きな看板よりも、主張するポップよりも、人を惹きつける。特別なことではなく、生産者が消費者に対して、こうあるべきだよね!ということを、ごくごく自然にやってみたら、こうなったんだよ。コペンハーゲンの人はそう言うかもしれないけど、そこから学ぶことは大きい。日本にも、どんどんこういうお店が増えてほしいですよね。
大西正紀(mosaki)
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