週間レビュー(2022-5-6)_真の建築とはお墓とモニュメントの内にしかない
瞬く間に毎日時間が過ぎていく…起きて動いて疲れて寝てまた起きての繰り返しである。忙しない中にも生活をする時間を取らなければならないと思って、よく朝と帰りを15分程度駅まで歩いて頭と体を整える。何かをする時間ではなく、駅までの道で変わりゆく景色を見ながら自分のモヤモヤとしたものを言語にしたり、忘れてしまったものを思い出したりしてみる。毎朝瞑想をしていた時もあったが、歩きながらの方が明らかに効果的だと気がついた。そして日々のルーティンは午前中は講義、午後は研究室や大学関連、個人のプロジェクトを進め、夜中はワークをするという流れで回している。
しかし、最近はちょっとキャパオーバーかもしれない、テトリスのように、ハマらないことが連続してハレーションしまう。そろそろ明確に「何に時間を割くのか?」を丁寧に決めないといけないのだろうと思う。(全て全力で動けばきっと何かが見つかるだろうという打算的なやり方は長期的にはダメだろうと思った)これはGWの最終日にでも丁寧に向き合おう。
解築研究会キックオフ
解築研究会の第一回キックオフMtgへ。
松村秀一先生の召集で早稲田の解築系のメンバーが集まる。
研究プレゼンテーションや松村先生の話を聞いて、解築を取り扱う上でどこにスポットが存在するのかを明らかにするための体系的に理解が必要だと改めて気がつく。その上でこの辺りの論点のクリアリングが必要であるのではないかとなんとなく思ったことがある。
松村さんと話している際、土地と建築が分割して存在していることが日本の開発の根本的課題であるらしい。確かに、地権者と建築保有者が分割していたりとするのは前提と思っていたが、日本とそれ以外では違うのか。土地と建物がそのように分割された史実的背景なども気になる。
大地-かたち-共同体、か・かた・かたち精読
研究室のプレゼミ。とても丁寧に基礎的な知識体系を学ぶために全員で課題図書を読み、レジュメを切り、半日かけて討論する時間。
中谷さんの話を聞いていると、なるほどアカデミックな領域における頭の回転のさせ方や論理の構築方法とはこんな具合なのだと認識する、これがとても新鮮である。この辺りは別途建築史系卒業論文を書き上げるマガジンにてまとめて紹介する。
コンヴィヴィアルなAIとの共生に向けて
東大の数理系、かつ建築意匠を学んでいる須藤くんとSPACE10のコンペティションへ参加。生成AIの建築における社会的活用法については「生成AI×グリーンエネルギー都市三十六景」で考えた通り、市民参加やボトムアップ的な建築イメージの生成が行えると考えてきた。実際に今回のSPACE10のコンペティション「Regenerative Futures: A SPACE10 AI Design Competition」では
築100年続く木造長屋が現存する地域"京島"を題材に、実際に京島が保護をしている風景や建築をフィールドワークを通して写真を200枚程度回収する。これはヒト的な視点から私が京島らしいと言語化はしていないがそう思う部分の選定をする作業である。今回は自分1人で収集したが、本来は複数人で行うことができると良い。これらの写真からimage2wordで要素を抽出し、京島独自のLoRAを形成。いつでも京島らしさを吐き出すことができる生成AIを構築する。このLoRAは、市民とAIの対話によって地域コミュニティの維持発展に貢献する、コンヴィヴィアリティを持ったAIであり、パターンランゲージの超越とも言える。
こちらも詳細レポートを別途公開します。
デジタル時計をDIYする<Climate Clock Japan>
友人が携わるClimate Clock Japanさんが時計の自作を今後したいとのことで、建築系の友人とClimate ClockのDIYを進める。数ヶ月くらいかけて安い材料の輸入や価格の調整、Climate Clockの作り方などをリサーチしてようやくプロトタイプ実験の会を開催した。
にしてもやはり工作は死ぬほど楽しいな。ものを作るという行為の幸せを感じたりする。Fab Cafeさんのスペースを利用させてもらったのだが、2Fのスペースは工具いっぱいで最高な場所だった。今後はデザインなどをリサイクルマテリアルを使ったりしながら色々な形態のものを作りたい。
高浜へ、古代人との対話
茨城県の高浜に訪れる。かなり遠く、途中で列車が切り離されたりするが、自然や歴史、古代の人々の生活が垣間見える素敵な場所だった。
1時間程度街を歩く。高浜は古代は蝦夷と関東人の全線基地だったらしい、川を隔ててここから東北と呼ばれる場所になった分岐の場所だった。
そして古代の道も存在しており、道の両端には軸線に対して対照的に古墳が配置されている。古代の道は幅4m弱、そして果てしなくまっすぐな道、条里制も存在しないために、とにかくまっすぐ。
高浜神社には立派な茅葺屋根がかかっている。これが相当に美しく、日陰の部分には苔が生えている。茅葺の建物を包み込むような造形、これはなんとも美しい…としか言えない感情になる。
高浜には海はないが霞ヶ浦湖が近いため、海と呼ばれていたのかもしれない。神社の中にある文章から、豊かな高浜の生活のシーンが垣間見える。水が豊かだったために酒造も栄え、海と山の幸や豊かさが存在していた場所だったことがわかる。
古代の道に対象になるように古墳も残る、意図的なデザインがなされている。古墳のプロポーションやバランスは素晴らしい、建築としての力強さを感じる。また環濠の跡地は埋め立てられ、円形の形状を持った畑として活用されてる。アドルフロースは「真の建築とはお墓とモニュメントの内にしかない」と言い、 建築とは暮らしや記憶の器であり、 それらを積層させていくものとした。古墳とはまさにそのようなものかもしない。
古代人の遺跡や痕跡、その形態や状態を見て彼らと対話することで、時代を空間的に捉えることができるのは楽しい、そしてこれこそ建築的なるものなのかもと思った。
土地の精霊を呼び起こす情報インターフェイス
and_dさんの展示会へ参加し展示物を掲載、そしてトークセッションに参加した。初めてこのような大掛かりな展示会に参加し、かなり建築系の色の強い作品群の中に、情報インターフェイスの構想案の展示した。浮かないか不安だったが具体的な問題意識とプロトタイプも作ったこともあり、色々な人にとってとても好評で良かった。ND3Mさんとのトークセッションも盛大に盛り上がり仲良くなれて良かった。このようなSFプロトタイプングの作成は今後も続けていきたいと思う。
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