政治家　朴智元

バイデン勝利が確実になった8日、韓国から朴智元国家情報院長が来日した。朴院長はさっそく到着直後から旧知の自民党の二階俊博幹事長と会った。翌朝には国情院の日本側パートナーである滝沢裕昭内閣情報官や北村滋国家安全保障局（NSS）と会っている。朴院長と二階幹事長は20年来の知己の間柄であることは知られている。小渕政権下で総務長官だった二階氏が金大中政権下で文化観光部長官だった朴智元氏が意気投合して、兄弟盃を交わして以来の付き合いだ。年上の二階氏に対しては「ヒョンニム（兄貴、お兄さんの意味）と呼んでいるし、お互いに義理を守っている。当選したバイデン氏と朴智元氏は同じ77歳。（1942年生まれ）。日本で迎えた二階幹事長は1939年生まれの81歳だから、二人の会談でも「（日米韓とも）老人パワーの健在」に祝杯を挙げたとも囁かれている。
朴長官と親しい韓国ブレークニュースの文日錫主幹は語る。
「朴長官と二階幹事長は公私共に親しい。どちらも数年前に夫人を亡くしています。2019年二月に行われた二階幹事長の怜子夫人の忍ぶ会には韓国から朴議員（当時）がわざわざ関西空港経由で地元和歌山まで訪れて二階氏を慰労しています。
朴院長も夫人をその直前、ガンで亡くしています。彼は夫人を愛していて、韓国では火葬が一般的ですが、夫人の場合には（夫人の遺言なのか）土葬にふしています。そして夫人のために追悼写真集を出しているくらいです。同じように苦楽を共にしている二人が会えば、必ず腹を割って日韓関係好転のための方策を話し合っているはずです」
　外交筋によると、両者は日韓首脳会談を行い、共同声明を出すための特殊工作チームを作ることを決めたともいわれる。日韓関係でも二階幹事長としては「俺にまかせろ！」と菅政権に宣言したと同じとみられている。
２０１７年文政権が誕生した直後の６月上旬、二階幹事長らは青瓦台を訪問する前に、当時国会議員だった朴智元氏の案内で、金大中氏や朴氏の故郷だった全羅南道木浦を訪れて、日本人女性と韓国人男性が一緒に運営した日韓交流の象徴でもある孤児院「共生園」を訪れて記念植樹をしている。また「金大中ノーベル平和賞記念館」も訪れて、「（両国を遠い位置ずけにしようと）悪だくみをする連中を撲滅して・・」と職員たちに話しかけている。「悪だくみをする連中」というのは
前出の文氏は言う。
「朴院長は２０００年の南北首脳会談の時にも金大中大統領の指示で、北朝鮮との間で秘密接触を重ねました。そのため結果的に北へ秘密資金を伝達したとされて実刑判決を受けて、数年間刑務所暮らしを経験している。人々は金大中氏のための身代わりとなったともいわれています。当時、獄中の朴院長あてに二階氏は差し入れを送ったことが今、美談とされてマスコミでも流れています。実はバイデンと同じ年の朴院長が日本ルートだけでなく、米国の共和党だけでなく、民主党とも深いルートをもっていることはあまり知られていません」
　朴氏は７０年代から米国ニューヨークで実業家生活をしていた。当時は全斗煥政権だったが、８２年末に金大中氏が米国に亡命生活をワシントンで始めた。金大中氏と同じ故郷（全羅南道）という因縁もあり、金大中氏を支援し始めたのが、二人の因縁の始まりだ。金大中氏が米国での活動基盤を作ろうとワシントンに人権問題研究所を創設したときにも、朴氏に所長を任せようという声もあった。ただ朴氏は当時ニューヨークで実業家生活をしていたために、ワシントンに常駐できないために、元駐米韓国大使館の幹部が所長となった。当時、ケネデイ元大統領の弟エドワードケネデイ上院議員（当時）と金大中氏が非常に緊密な関係を保っていたこともあり、金大中周辺では共和党よりも民主党の政治家と近かった。
金大中を応援する在米韓国人弁護士や実業家たちの多くも民主党系だった。
ケネデイ議員のあともクリントン、オバマ大統領や側近とも親しいから、文政権がトランプ落選で、民主党と新しく人脈を作らなければならないと一部のマスコミが心配しているのは間違いだ。実際にクリントン政権下では北朝鮮の趙明録総参謀長がホワイトハウスを訪れているし、オルブライト国務長官も金正日政権時代にピョンヤンを訪問して、北朝鮮自慢のマスゲームを見学している。恐らくトランプも同じようにピョンヤンでマスゲームを任期中に見たかったのではないか。
バイデンと同じ年齢（７７歳）の朴智元国家情報院長が８１歳の二階幹事長と何を話したか？
いずれにしろ、バイデン勝利でも二階幹事長の高笑いが聞こえるようだ。

By wrote masaki tachikawa 

太刀川正樹