セレクトショップが苦手
セレクトショップが苦手である。
1000着以上服を買って来た身ではあるが、その99%は古着だ。
新品でセレクトショップで買った服なんて数着しかない。
さらに実店舗で買った服なんてその中でも1割程度だ。
大手でも苦手だが個人店はさらに苦手だ。
なんか、あの空間が苦手なのだ。
お前はウチの店にふさわしいのかと。
ウチの店で売るような服を着とるんかと。
そう言われて見定められているように感じてしまうのだ。
実際10年ほど前は鼻で笑われたこともある。
おれはやっすいアメリカのワークパンツを穿きたい日もあればベルナールザンスのスラックスを穿きたい日もあるし、supremeとかのエロTを着たい日もあればBourienneのドレスシャツでキメたい日もある。
世の中の人はそうじゃなくてだいたい好きなテイストが決まってるらしい。
ウソでしょ。飽きるんだが。
まあ、そんな感じで幅広く服を着てると店に合わないトーンになる日があるし、その状態で店に行くと「今日はこんな感じだけどこのブランド着てて〜」と言って店主にウチの客候補だったか〜と信頼して貰うフェーズが発生する。
実にだるい。
しかも厄介なことに、もうガチで欲しかったら店舗いかずネットで注文してる。
移動時間中に売り切れるのも惜しい。
店舗に行くってことは欲しい気がするけど実物見て判断しよう、と二の足を踏んでるときだから、そこで罪悪感もあるのだろう。
これが被害妄想といえばそうなのかもしれない。
たいていの店主さんは気にせず気軽に来てくださいよ〜と言うからだ。
たまに冷やかしが多すぎてブチギレてる店主さんもいるけど。
問題は人の脳みそがそういう接客のほうが印象に残るようにできてることである。
その点古着屋さんはすこし楽だ。
古着屋さんのいいところはいろんなカッコの客が来ることに馴れてるケースが多いことだ。
よっぽどこだわりの店なら別だが、たいていのお店は伸び切ったよれよれTシャツのお兄ちゃんがベルヴェストのテーラードジャケットを試着したって驚きもしない。
なんというか、おれはアパレルの店員さんを味方だと思っていないのだなと感じる瞬間である。
服を何着買ってようが、ファッションスナップに載ろうが、いくらおしゃれと持て囃されようが、おれはこういうタイプの人間くさい人間である。
逆にいえばおしゃれなセレクトショップに行かなくてもスナップに載るくらいはできる。
いまの世の中は人間不信の服好きに優しい。
メルカリでもセカストでもなんでも使って好きなものを着よう。
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