
Pergear 35mm F1.2は魔法か
ミラーレスというものが一般化してきて、短いフランジバックを使い過去のレンズが簡単に使える様になり、オールドレンズブームが起きた。
そしてレンズが簡単綺麗、AF追従性、手振れ補正などと機械化して高額になっていく反面、逆に全てマニュアルと割り切った低価格レンズが中国やインドネシアから発売され出した。
そんな中華レンズと言われる商品の中で
今回紹介するのは中国のメーカーPergearの35mmF1.2だ
まずこのレンズを選択した理由は
解放F値が1.2であること
フルタイムマニュアルであること
フォーカス送りがキャノン式(Nikon回転方向じゃない)
そして低価格であること
この三つです。
映像制作においてマニュアルであることはもちろん、解放F値は昨今のボケボケブームにおいて大事で、とにかく開放で撮ればなんだかよくわからないがエモい絵が撮れるのだ
あと個人的にはCanonのレンズに慣れてしまったためフォーカス送りがTakumarやNikorの逆転式だととっさに送り間違えるので、よっぽどのことがない限り選択から外している
そしてとにかく安いことが大事で、1万円前後だったはず
よくわからないオールドレンズ買うのと同じぐらいで買えます
高いレンズは個人所有すると危険だと思っていて(減価償却できるかも難しいし、レンタルすればいい)何年か前から一本2万円前後のレンズしか購入していない。
仕事の時はZeissをレンタルするので。
中華レンズで有名なメーカーはまだあって
7artisans(有名)
Meike(これも有名)
TTartisan(そんなに有名じゃ無い)
kamran(そこそこ)
あとはZonlaiとかSpeedStarみたいな名前のやつがあったが
一通り買ってみた中で好きだったのがPergearだった。
というわけでPergearは25,35,50と持っている
長くなったが、フィルタースレッドが何ミリだとかレンズが何群かとかは誰かが書いているので実際に作例を載せていい点と悪い点を述べていきたい。
(レンズレビューをするつもりがなかったのでTiffenのPearlescentが入っているので光のにじみと少しばかりの芯のなさはそのせいです。あと基本的にはF1.2で撮影しています。ただ僕は映像の時はレンズ前にフィルターを入れることが多いので、これは個人的な記録にもなっています。)
作例とレビュー
低価格レンズにありがちなパープルフリンジはあることにはあるが、そんなに感じない。
それよりも、とろけだす光が良い
至近での表現、フォーカスピークのシャープネスはそこまで強く無いが
いわいるオールドレンズよりは芯がきている。ここが絶妙で、現行レンズよりもオールドレンズ寄りだが、オールドレンズほどレトロでは無い
ここが僕がいつも思っていたオールドレンズボケすぎてどこに合ってんのか分からない問題にぴったりはまったのがPergearレンズ群だった
同じくゲーム機にフォーカスを合わせているが、甘いなと思うような表現ではない。それよりも、なだらかなといった印象
上記3枚を見ると空気感といった表現が似合うレンズな気がする。決してシャープでは無いが、甘くもなく、程よい滲み
そして前ボケと後ろボケがすこし太くてうるさい感じが、現行では無い感じよく言えば非現実な感じが特徴で、悪いところでもある。僕は好きだが
個人的にはかなり良くいうと、PLマウントのZeiss Fastとかを覗いている時の感覚に近い。オールドだが芯が残っているそんな印象で映像表現に合っている
絞り羽根が10枚だったか、完全に丸では無いので絞ると角ばるらしいが、解放時の玉ボケは綺麗で、フォーカスアウトしている状態でも一つの表現として成立していると感じる。このにじみ感が現行デジタルレンズにはない部分かと思う
しかしやはりといった感じだが遠景の表現はほんの少しだけ物足りない
どうしても、ざわざわするボケが遠くの木々や波に影響してすこしにじみが大きく感じる。ただ映像としてみれば、その少しだけ甘い感じもありと考えるか。ZeissFastも遠景はあまり得意では無い。その点でもFastとの親和性を感じてしまう。
解放F1.2かつ至近はもはやなんだかわかんないエモが出ている
1万円でこれができれば正直何もいうことがない。
ただ2枚目にある様に樽型の湾曲が激しい。建物表現には向かない
個人的には湾曲はありだと思っているのでちょっとだけ気になるかなといった感じ
ここまでベタ褒めですが、もちろん悪いとこもある
・フルサイズ対応ではない
・レンズ基線が役に立たない。
・そのため絞りが大まかにしか分からないのとおそらくその通りのFになっていない
フルサイズ対応ではないことは、今Eマウントのカメラを使おうとするとFX3やFX6などしか選択できないが4kSuper35cropがないため、4kでこのレンズを使おうとするとFX9か1世代前のFS7になってしまう。
一度中華レンズ縛りでFS7で撮影したことがあるが上がりは非常に良かったのでその選択はアリだが、FX6で使えればISO12800でF1.2でなんでもござれ状態になるのに。。。と思う
基線云々はアシスタントがつく場合に役に立たないだけで、個人でモニターをみてやる分には問題がない
あくまでシネレンズとしては使えないといったことだ。
このレンズと同じスペックのCosina Nokton 35mm F1.2が気になるが値段が7万のため、このレンズを買ってしまうと高く感じてしまう。これよりも素晴らしい表現があるのだろうが・・・
僕はもう少し、この中華レンズで表現してみようと思う
Poor man voigtlanderとでも名付けるか