2万円の3DプリンタEnder-3を買ってみたのでレビューする 【導入~テストプリント】
みなさんこんにちは.
突然ですが,自宅に3Dプリンタってありますか?
まぁないですよね,高いもん.
そんな中,最近Amazonのタイムセールで2万円の3Dプリンタを見つけたので,思わず買っちゃいました.
そんな驚異の値段で売っていた3Dプリンタ Ender-3 がちゃんと組み立てられるのか.そもそも使えるのかレビューしていきたいと思います.
はじめに
まずはじめになぜ3Dプリンタを購入することになったのかの経緯についてお話ししたいと思います.レビューから読みたい人は飛ばしてください.
自分はSFCという慶應義塾大学僻地キャンパスに4年間通っていたのですが,そこはFAB Campusを自称しており,学生が無料でいつでも自由に3Dプリンタを使える設備が整っていていました.
そんな環境に4年間もいると,気付いた時には3Dプリンタがあって当たり前の生活(研究)スタイルになっていました.あれよあれよと3Dプリンタと親しくなり,3年生では共同研究を行いオノマトペの触覚を再現するスイッチを制作し展示会で発表したりしました.
そんな中,ちょうど一週間前くらいから新型コロナの影響で大学院の研究室に入れなくなる事態が発生しました.これは困った.3Dプリンタの研究をしているわけではないけど,研究で必要な機材やデバイスのプロトタイプを制作するのに3Dプリンタが必要だからです.
僕は急いでFABの研究をしている友人に声をかけ,おすすめされた3Dプリンタを購入しようと目論んでいました.そこでちょうどよくタイムセールが始まり,あれよあれよとポチってしまったのです.これが今回入手した経緯になります.
では早速,レビューを始めていきたいと思います.
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基本情報
・・・中国の会社が販売している3Dプリンタです.半完成品で,レビューの評価や友人からの勧めで信頼性が高いと判断し購入しました.造形方法も使い慣れているのでこれでOK.印刷サイズも申し分ないし,この値段はお得すぎます.(僕が購入したタイムセール時は¥21,775 でした)
1)仕様
印刷サイズ:220*220*250mm
プリント技術:FDM
プリント積層ピッチ:0.1-0.4mm
プリントスピード:180mm/s
フィラメント材料直径:1.75mm PLA
ノズル直径:0.4mm
2)温度
押出温度:255℃
加熱プラットフォーム:110℃
3)サイズ
寸法:440*410*465mm
※造形方法がわからない人はこの記事がおすすめ
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組み立て
そこそこ大きめのダンボールで届きましたが,想像していたより綺麗に収まっていました.重さが結構あるのでそこだけ注意です.
説明書がIKEAスタイルで丁寧に作り込まれているので初心者の方でも迷うことはないと思います.ネジの締め方や,六角レンチの使い方がわかっていれば大丈夫でした.実際の組み立てはこんな感じでした↓
この動画見るだけで基本的にどんな感じだったかわかると思うのですが,実際の説明書を見たい人はこちらのHPを参照してください.ただ一点だけ困ったことがあって,Y軸に謎の形のボルトを入れる際に溝の形に沿うように調整してから上からスポッとはめる必要がありました.文字で言っても何も伝わらないと思うのでとりあえず写真見てください.(これでもわからなかったらTwitterに連絡してきてください)
これさえ乗り越えれば,あとは下記記事を参考に,Y軸の棒につけたフィラメントギアに白いホースを取り付けて,レバーを押しながら差し込めばすぐにプリントできるようになりました.
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テスト出力
SD-cardについてきたUltimaker CuraというスライサーをWindowsで開き,thingiverseというサイトで拾ってきたStanford Bunnyのstlファイルを50%のサイズで出力しました.ここまではなにも問題なし.ちなみに,デフォルトでSD-cardに入っているモデルはテストフィラメントが足りないらしいので注意です. ※Macじゃ開きません
このままGecodeを出力してもできないことはないのですが,モデルがヒートベッドから剥がれたりしてめっちゃ大変でした.そこで,Curaでヒートベッドやノズルの温度やラフトの設定を変更しなんとか調整しました.実際に行った調整は以下です.
①赤枠:諸々調整するところ (UnityのInspector的な)
→Material / Printer Temperature 210℃,Build Plate Temperature 65℃
②緑枠:土台の設定するところ
→Build Plate Adhesion / Build Plate Adhesion Type "Raft"
③青枠:プリント概要
→別にここは何も変更できませんが,プリントにかかる時間やフィラメントの量を教えてくれるのでテストフィラメントで足りるようにサイズの調整などを行いました.
これらの設定を行うことで,無事に出力することができました!
プリントしたStanford Bunnyはこんな感じです.懸念していたRaftも綺麗に剥がれたし,印刷ムラも少なく,かなり良い感じです.
テスト用のフィラメントがきれてしまい印刷可能限界サイズでのプリントを試していないのと,まだ継続して使用していないので断言はできませんが,少なくとも今の所は2万円以上の価値はある良い買い物だったと思います!
家に3Dプリンタがあるだけで,アイデアをすぐマテリアルに落とし込むことができますし,組み立ても簡単だったため,これからhomelabをする研究者だけでなくガジェット好きからちょっと興味がある人まで幅広くおすすめしたい商品です.
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おわりに
自分はこの3Dプリンタを研究のプロトタイプ作成のために使います.しかしCOVID-19の影響で,MITが行っているE-ventなどの3Dプリンタを活用したオープンソースの医療関係機器プロジェクトなどが公開されるなどの流れもきています.この流れに乗っかって,自分や家族のためにマスクなども作ってみても良いかもれません.是非みなさんも3Dプリンタを手に入れて,作りたいものがすぐ作れる環境を手に入れましょう!
--- 20200408追記
3Dプリンタを使用して医療機器を制作することに対する安全ガイドラインについて議論しているコミュニティを発見したので,こちらも合わせてご覧ください.使いながらこういうのを議論できる環境は素晴らしいですね.
P.S. 研究以外の用途でも上記の医療プロジェクトなど色々やってみたいことがあるのですが,バイトがなくなった上にフィラメント代が高くて困っているのでカンパしてくれると嬉しいです... https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/1CUTZGJT2GNW4?ref_=wl_share
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