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#4 コギカジ振り返り〜未経験で記事を書いた〜 『それでも一度きりの場所で』
なんでも経験しておくものだ。
京都大学の部員の方々に話を聞いている時、僕はそう感じていた。
今まさにやっている取材と、会社で担当した就活生との面談がなんか似ている。そう感じたからだ。
コギカジで初めて取材を行うそれより少し前に、自分は会社で就活生と面談する役割を2年ほど担当していた。人事のように選考を行うわけではなく、就活生の相談に乗る役割だったが、就活の軸や困りごとを聞くのはインタビューに似ていなくもない。
今の会社に留まること、逃げだと思っていた。でも形を変えて書くことにつながって、役に立った。
ちょうどその頃、コピーライターを目指していたのだが、
思い切って挑戦する勇気も、放っておいても見つけられる実力もなく、そのまま今の会社に勤めていた。それを逃げだと思っていた。
でも今の会社にいたからこそ、就活生のアドバイザーとして話を聞く機会があり、それがこの取材の時も質問や相槌を少しスムーズにしてくれた。
一生懸命やれば、なんでも繋がるんだな。俺の道。
大好きな井上雄彦さんの『リアル』という漫画におこがましくも自分を重ねたりしていた。
そしてもうひとつ役に立ったのが、取材の前にとにかく情報を収集することだった。ボート選手への取材をするときには、以下のものを読んでおくと会話する材料になるなと思った。
■ボート選手の取材の前に読んでおくといいものリスト
・日本ボート協会のHP
レース展開をタイムで知っておくことで、取材で深掘りできる。
・各部活やチームの日記やブログ
人気の記事はそのチームのカラーを表していると思う。
面白系なのか、熱い系なのか、選手の記事なのか、マネージャーの記事なのか
・主将や監督コーチの今年にかける意気込み
チームの目標はどこに置いているのか。好きな言葉や座右の銘はあるのか
その他にも、主に実業団の方なら個人でのSNSや、過去に受けた取材の記事なんかも読んでおくと、その選手の考え方をあらかじめ知ることができるのでいい。
そうやってなんとか必死に準備して臨んだ取材。
京都大学の皆さんから語られる素晴らしい話の数々。
コロナ禍でリスクを下げるために練習場所を分散させたり、シフト制を敷いたり工夫をこらしていた。
それから当時主将の若林選手からも、ペアでの優勝経験だったり、今年への意気込みを教えてもらうことができた。
去年はペアが優勝した。今年はみんなで勝つ。
その想いに向かってひたむきに頑張っている京都大学の素晴らしい話を聞けた。サポートとして中山くんが取材に同席してくれていたのも、安心感が大きかった。自分が心配していたよりも、スムーズに取材が運び、無事終了。
取材を終えてホッとしたのも束の間、ある疑問が僕の中に浮かぶ。
”取材させてもらったこの「素晴らしい話」 一体どうやって「記事」にするんだ?”
録音をそのまま書き起こしていくだけでは、記事じゃない。文字起こしや、議事録と呼ばれるものだろう。それから、あらかじめ用意された解答シートのようなものもない。「ここに回答を埋めてくれれば完成です」というそんな話でもない。
たくさん話を聞いた。でも何からどう書けばいいんや?
中山くんが教えてくれた。記事を書くためのWordPressというソフト。
そのWordPressの真っ白な編集画面を前に固まってしまった。
一難去ってまた一難である。
熱い、素晴らしい、ひたむき、感動した。
僕の印象は言葉にすると安っぽいものばかりで、実際に京都大学の話を聞いた感動はこれでは伝わらないだろう。
どれも記事を書く手がかりにはならなかった。
慌てて録音してあった取材を聞き直してみるものの、アイデアは一向に浮かばなかった。
全く初めの経験。誰かに教わるものでもないしなー。
再生される自分の声。京都大学の素晴らしい取り組みに質問する声が弾んでいる。
それにしても、録音越しに聞く自分の声って気持ち悪いなー。
いや、呑気にそんなこと考えている場合ではない。
さて、どうやって書こうか。
座って考えても仕方ない。狭い部屋を出て、音楽を聞きながら少し走った。
ランニングで汗をかく。心拍数と体温が上がり、取材で感動した熱と混ざっていく。
夜の湿った空気の中。僕の「記事を書く」という挑戦は、最大の山場に到達していました。
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京都大学の方々にお話を伺った記事はこちら↓
『それでも一度きりの場所で』
僕がお世話になっているOBHはこちら(コギカジのメンバーにもなれます)↓
https://community.camp-fire.jp/projects/view/337446