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shift innovation #48 (QUINTBRIDGE hack 3)

今回、QUINTBRIDGEの「We Lab.2024 第2回We Lab.メンバーの持ち込みテーマを題材に教え学び合おう」というイベントに参加しました。

QUINTBRIDGEとは、「社会を変えたい思いと思いが、出会う場所。」

世の中をもっと良くしたい、と考える企業・スタートアップ・学生・自治体などが、立場にとらわれず交流するオープンイノベーション施設。

志を持つ会員同士が自由に共創し、実社会での活用をめざします。アイデアや技術、知見や課題を持ち寄り、それぞれの個性を活かし、あなたの想いをみんなの思いにしていきましょう。


We Lab.は、QUINTBRIDGEの会員の皆様とともにSelf as Weを体現するプログラムで、学びあい、教え合う。QBの会員の互助によるハイレベル成長プログラムです。

メンバーから持ち込まれたテーマを題材に参加者からフィードバックを得たり、意見交換をしたりする場を作ります。


【shift innovation #46 #47の提案】

We Lab.メンバーから持ち込まれたテーマとは、「和食(発酵食品)を通して、健康増進を図るため、未病への対処の大切さを認知してもらう」(これってあってるかな❓)となります。

「まずは健康を意識してもらいたい」「健康に良い和食(発酵食品)の良さを知ってもらいたい」、そして「未病の状態ある人が発病に至らないようにしたい」という想いがあるものの、講習会等に集まっていただける方は、高齢者の方など、既に健康を意識している方が多く、We Lab.メンバーの想いを未病の状態である人々に伝えることが難しいという状況のようです。

shift innovation #46で提案した「『AIにより顔画像から浮腫を推定する技術(※)』を活用することにより、健康状態を確認することができるシステム(健康管理システム)」とは、この健康管理システムを顔認証による電子決済の付帯サービスとすることにより、利用することへのハードルを下げることによって、知らず知らずのうち未病への対処に関心を持つことができるエンベデッド・ヘルスケアサービスとなります。
※NEC(https://jpn.nec.com/press/202302/20230210_01.html)


【思考プロセスの視点】

今回は、エンベデッド・ヘルスケアサービスである「AIにより顔画像から浮腫を推定する技術を活用することにより、健康状態を確認することができるシステム」というアイデアに関して、思考プロセスの視点から、今までとは異なるアイデアを導出する方法について説明することとします。


【思考プロセスの視点 「課題発見」「課題転換」「課題解決」】

今までとは異なる課題を捉え、今までとは異なるアイデアを導出する上で、「課題発見フェーズ」と共に「課題転換フェーズ」も重要であり、今回は、特に「課題転換フェーズ」を中心に、今までとは異なるアイデアを導出する思考プロセスについて説明することとします。

課題発見

●「健康に関心を持ってもらい、未病への対処の大切さを認知してもらう
●「健康に無関心な人は、未病への対処の大切さを訴えかけても響かない」
●「違和感を感じたことはあるものの、何もしなくても大きな病気になっていない」
●「病院へ行き病気が判明すると治療費が必要となり、仕事ができない期間があると困るニーズ
●「症状が出ていないのに病院へ行くのは仰々しいので、病院へ行くのは嫌だインサイト
●「健康に関心を持ち、未病の状態に気付くための根拠となるものが欲しい」
●「知らず知らずに健康に関心を持ち、未病への対処の大切さを認知してもらう必要がある」手詰まりの状態(二項対立「根拠がない」「根拠が必要である」)

課題転換

懐疑的マインドセット
(意識下「本当に未病の状態に気付くための根拠がないのか」)


●「健康に関心を持つ機会として、健康診断を受診するときがある転移
●「健康診断は年一回であり、健康診断の結果を確認した後、すぐに関心がなくなる」手詰まりの状態(非現実的事象想起) 固定観念顕在化(年一回)

飛躍的マインドセット
(意識下「一層のこと毎日検診を受診すれば良いのではないのか」)


●「毎日健康診断を受診すれば、健康診断の結果への関心がなくなることはない反転 固定観念脱却(毎日)

探究的マインドセット
(意識下「なぜ健康診断の結果への関心がなくなることはないのか」)


●「今、健康管理デバイスで毎日バイタルデータを収集できる」 
●「健康に無関心な人は健康管理デバイスを持っていない」
●「健康に無関心な人に健康管理デバイスを持ってもらうことは難しい」

探究的マインドセット
(意識下「どうすれば健康デバイスを持ってもらえるのか」)


●「健康管理デバイスがない場合であっても、バイタルデータを収集する反転

課題解決

●「バイタルデータを収集する技術として、顔画像から浮腫を推定する技術がある
●「顔画像から浮腫を推定する技術を活用し、顔画像を毎日撮る習慣を維持することは難しい」
●「毎日顔画像を入手する機会として、店舗購入時の顔認証による電子決済がある
●「顔画像から浮腫を推定する技術を顔認証による電子決済の付帯サービスとする」
●「顔認証による電子決済をすることにより、知らず知らずのうちにバイタルデータを収集する」
●「バイタルデータを解析し、未病や病気の症状があることを知らせる」
●「未病の症状であることを認知することにより、未病への対処の大切さを知ってもらう」


【思考プロセスの視点 「マインドセット」】

今までとは異なる課題を捉え、今までとは異なるアイデアを導出する上で、無意識的に思考を促進させるための「マインドセット」が重要であり、今までとは異なるアイデアを導出するための「懐疑的マインドセット」「飛躍的マインドセット」「探究的マインドセット」について説明することとします。

懐疑的マインドセット

懐疑的に捉えようとする意思」であり、新たな事象と既成事実(固定観念)が激しく対立し、手詰まりの状態となることにより、「本当に」と問うことによって、今まで信じていた事実が唯一の事実か懐疑的に捉えることとなります。

飛躍的マインドセット

非現実的な事象を捉えようとする意思」であり、非現実的な事象を追求し続けることにより、手詰まりの状態となることによって、「一層のこと」と諦めの境地となると共に前向きに捉えることとなります。

探究的マインドセット

探究的に捉えようとする意思」であり、新たに捉えた事象に対して、「なぜ」と問うことにより、新たな事象も事実である理由を捉えることとなります。

さらに、新たな事象も事実である理由に対して、「どうすれば」と問うことにより、新たな事実を解決する方法を捉えることとなります。


【エンベデッドヘルスケアサービスにおける 「マインドセット」】

今までとは異なる課題を捉え、今までとは異なるアイデアを導出する上で、無意識的に思考を促進させるための「マインドセット」を踏まえ、エンベデッド・ヘルスケアサービスに関して、「懐疑的マインドセット」「飛躍的マインドセット」「探究的マインドセット」に基づき説明することとします。

懐疑的マインドセット

課題発見フェーズにおいて、「症状が出ていないのに病院へ行くのは仰々しいので、病院へ行くのは嫌だ」というインサイトに対して、「健康に関心を持ち、未病の状態に気付くための根拠となるものが欲しい」というインサイトが生じた理由を確認しました。

そして、「病院へ行く根拠がない」と「病院へ行く根拠が必要である」が二項対立することにより、手詰まりの状態となり、懐疑的なマインドセットとなることによって、「本当に未病の状態に気付くための根拠がないのか」と意識下で事実を懐疑的に問いました。

これらのことから、健康に関心を持つ機会として、「根拠を確認する方法がない」から「根拠を確認するための健康診断」へ転移することとなりました。

飛躍的マインドセット

課題転換フェーズにおいて、健康に関心を持つ機会として、健康診断を受診する機会が判明したものの、「健康診断は年一回であり、健康診断の結果を確認した後、すぐに関心がなくなる」ということが判明したことにより、手詰まりの状態となりました。

そこで、飛躍的なマインドセットとなることにより、「健康診断は年一回であるため、すぐに関心がなくなるのであれば、一層のこと毎日健康診断を受診すれば良いのではないのか」と諦めの境地となると共に前向きに捉えたことによって、「毎日健康診断を受診すれば、健康診断の結果への関心がなくなることはない」という事象を捉えました。

これらのことから、「健康診断は年一回受診するものである」から「健康診断を毎日受診する」へ反転することにより、固定観念から脱却することとなりました。

探究的マインドセット

課題転換フェーズにおいて、「毎日健康診断を受診すれば、健康診断の結果への関心がなくなることはない」という事象に対して、探究的なマインドセットとなることにより、「なぜ健康診断の結果への関心がなくなることがないのか」と意識下で原因を問うたことによって、「今、健康管理デバイスで毎日バイタルデータを収集できる」という事象を捉えました。

しかし、健康に無関心な人は健康管理デバイスを持っておらず、新たに健康管理デバイスを持ってもらうことは難しいことから、探究的なマインドセットとなることにより、「どうすれば健康デバイスを持ってもらえるのか」と意識下で方法を問うたことによって、「健康管理デバイスがない場合であっても、バイタルデータを収集する(ことができないのか)」という事象を捉えました。

これらのことから、「バイタルデータを収集できない」から「バイタルデータを収集する」へ反転することとなりました。


【まとめ】

無意識的に思考を促進させるための「マインドセット」は、今までとは異なる課題を捉え、今までとは異なるアイデアを導出する上で重要であり、特に「飛躍的マインドセット」と「懐疑的マインドセット」に関しては、固定観念を顕在化させると共に固定観念から脱却する上で重要となります。

固定観念は当たり前の事象であり、当たり前のことに気付くことは困難であることから、無意識的に思考していると、固定観念にとらわれることにより、今までと同じ課題を捉え、今までと同じアイデアを導出することとなります。

よって、「非現実的な事象を捉えようとする意思」「懐疑的に捉えようとする意思」「探究的に捉えようとする意思」を絶えず意識することにより、固定観念を顕在化させると共に固定観念から脱却することによって、今までとは異なる課題を捉え、今までとは異なるアイデアを導出することができることとなります。

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