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shift innovation #59 (奈良市 hack)

今回は、奈良市主催の「奈良市みらい価値創造プロジェクト研究 共創ワークショップ」に参加してきました。


【奈良市みらい価値共創プロジェクト研究】

奈良市の地域課題を「共創」で解決する

2025年に開催される大阪・関西万博に向け、奈良市における産官学民の「共創」を推進していくための実践及び交流の場として共創ワークショップを開催します。

奈良市在住在勤等を問わず広く参加者を募り、奈良市の未来や解決すべき課題に対し、様々な主体による共創での解決策を検討していきます。


【第1部 本質観取ワークショップ】

第一部のテーマは、「顧客とのエンゲージメント(関係性)強化の本質を見出そう」となります。

ビジネスを真に学ぶためには、自分自身のビジネス体験と感性で磨かれたセンサーで必要情報を収集し、そこから本質を見出し、フレームワークを自ら作り出すことが求められます。ビジネスは千差万別です。教科書に書いてあることが、そのまま当てはまるような事例はありません。考え方や捉え方を柔軟に変形し、自分のビジネスに活かせる理論やフレームワークを生み出すことが求められる時代なのです。


【個人ワーク】

(第一ワーク)
第一のワークの内容は、「本質観取ワークショップ」という、似たものを重ねて本質を捉えるトレーニングであり、「ハーレーダビットソン」と「無印良品」両社のエンゲージメント・プログラムの構造的類似を見出すというワークとなります。

当日、電車が遅延したため、1時間程度遅刻によるスタートとなり、会場に到着するや否や、席のメンバーの方からワークの内容の概要を聞くなど、講師の方の説明を全く聞くことなく、進めることとなりました。

「ハーレーダビットソン」と「無印良品」両社のエンゲージメント・プログラムの構造的類似を見出すのですが、エンゲージメント・プログラムは、顧客満足を向上させることにより、顧客心理を掴むものでありますので、ここではロックインという視点により、エンゲージメント・プログラムを見ていくこととしました。

ロックインとは、顧客との長期的な関係性を構築する上で、顧客が損をしたくないという消極的満足、顧客が得をしたいという積極的満足に基づき、企業が顧客に対応する手法となります。

「ハーレーダビットソン」のエンゲージメント・プログラムは11個、「無印良品」のエンゲージメント・プログラムは15個あるのですが、ロックインという視点より、「ポイント」「利便性」「情報共有」「関係構築」「優越感」に区分することができました

そして、類似する区分を照合することで、「ハーレーダビットソン」と「無印良品」両社の類似するエンゲージメント・プログラムを見出しました。


(第二ワーク)
第二のワークの内容は、「成長モデル(ホップ・ステップ・ジャンプ)」に基づき、第一のワークで見出したエンゲージメント・プログラムの本質を、関係性を深く成長する順序に並べ構造化するというワークとなります。

第二のワークの「成長モデル(ホップ・ステップ・ジャンプ)」も、会場に到着する前に説明があったかもしれませんが、そのまま進めることとしました。

ここでは、ホップ・ステップ・ジャンプを、顧客が企業を認知するフェーズから顧客が企業のファンになるフェーズまでとして捉えることとしました。

そこで、「ホップ」は、顧客に認知してもらうフェーズとして、「ポイント」「利便性」を適用することとし、「ステップ」は、仲間意識を醸成させるフェーズとして、「情報共有」「関係構築」を適用することとしました。そして、「ジャンプ」は、他者より憧れられるフェーズとして、「優越感」を適用することとしました。

これらのフェーズにおいて、サービス(商品)に対して、はじめに個人と企業が繋がりを持ち、次にグループ内の個人間で繋がりを持ち、そして、グループ内で憧れられる存在になることによって、よりサービス(商品)に対するエンゲージメントを高めることができるのではないかと考えられます。


【第2部 テーマ別ディスカッション】

第二部では、テーマ別にディスカッションをすることとなり、私は「しごとづくり(観光)」のチームで、テーマは「奈良観光の未来をともに考え、繋がろう❗️〜これからの奈良観光を支えるのは私たちだ❗️〜」となります。


【概要説明】

はじめに、「奈良市みらい価値共創プロジェクト研究」の本プロジェクトに参加しておられた方より、自社による取り組みと課題についての説明がありました。

取り組みとしては、外国人観光客(スペイン・オーストラリア)をターゲットにしたスペシャル体験ができるプログラムを企画し実施しているようです。
観光客における課題としては、「日帰りする観光客が多い」「アクセスが悪い」などの課題があり、企業としての課題としては、「人手不足であり団体の受け入れが難しい」「ニッチのため、プログラムをイメージをしてもらうのに苦労している」などの課題があるようです。
このような課題を踏まえ、取り組み内容もブラッシュアップしているようであり、現在は伝統文化・技能体験ツアーをセミオーダーにより実施しているようです。

そこで、今回のアイデア出しにおける条件として、①通訳など必要とせず人員を最小限にした上で、②3時間程度で気軽に参加でき、③予約することなく当日でも体験できるイベントという条件となります。


【チーム編成】

次に、チームにおいて、自己紹介と合わせて、テーマに基づく簡単なアイデアを紹介し合いました。

チームには、社会人3名と学生の方1名となり、各々が具体的なアイデアに落とし込む作業をすることとなりました。


【個人ワーク】

私が考えたアイデアとは、「現地限定、オリジナル楽曲配信ラリー」となります。

(概要)
このアイデアは、スタンプラリー形式のイベントであり、各観光地のイメージに合わせたオリジナル楽曲を、現地(観光地)でのみ聴くことができるというイベントとなります。

イベンターは、観光地のイメージに合わせたオリジナル楽曲を組み合わせた複数のコースを用意した上で、外国人観光客にPRをし提供します。

外国人観光客は、複数のコース(場所・時間)からコースを選定し、奈良市内の観光地を周遊する中で、オリジナル楽曲を聴きながら、観光を楽しむことができます。

このアイデアは、最近NHKで、ピアニストの反田恭平氏が奈良をウィーンのような音楽の街にしたいという思いを語っておられたことを思い出し、音楽は世界共通の言語であり、特にヨーロッパはクラシック発祥の地でもあるので、特にヨーロッパの観光客に受け入れられやすいのではないかと思い考えました。

(仕組み)
イベントの仕組みとしては、はじめに、著名な作曲家(反田氏)に観光地のイメージに合わせたオリジナルの楽曲を作成してもらいます。

イベンターは、ラリーのコースをつくると共に外国人観光客に対して、「現地限定、オリジナル楽曲配信ラリー」をPRします。

外国人観光客は、選定したコース(無料)の観光地を周遊する中で、ブルートゥースなどによりオリジナル楽曲を聴くためのパスワードを入手し、オリジナル楽曲を楽しむことができ、そして、全ての観光地を周遊すると、楽曲1曲がプレゼントされます。

観光地(観光協会など)は、イベンターに対してオリジナル楽曲を配信するための使用料を支払い、そして、外国人観光客が観光地に来ることにより、食事や土産を購入してもらうことができます。

イベンターは、作成してもらったオリジナル楽曲に対する使用料を作曲家(反田氏)に対して支払う一方で、観光地(観光協会など)から楽曲配信プラットフォームの使用料を受け取ることができます。

(効果)
この仕組みにより、外国人観光客は、無料で観光地のオリジナル楽曲を楽しむことができると共に全ての観光地を周遊すると楽曲1曲がプレゼントされることとなります。

観光地では、外国人観光客の増加により、食事や土産などによる観光収入を得ることができることとなります。

また、著名な作曲家(反田氏)は、奈良が音楽の街であることをPRすることができると共に楽曲作成の使用料を得ることができることとなります。

そして、イベンターは、人手を増やすことなく、当日簡単に参加できるイベントを企画することができることに合わせて、楽曲配信プラットフォームより使用料を得ることができることとなります。

観光地オリジナル楽曲だけで、外国人観光客は来てくれるかな・・・
スタンプラリー❗️なんか”ポケモンGO”に似てるような・・・
それじゃー”しかまろくん”ゲットだぜーッ❗️
しかまろくん”がいればもう大丈夫❗️❓
これで"外国人観光客"ゲットだぜーッ❗️


【チームディスカッション】

チームによるアイデアは、「夜はこわいよ、ホラーな”なら”ツアー」となります。

(ディスカッション)
チームメンバーによるアイデアには、「天平衣装着用ツアー」「鹿をモチーフにした食事ツアー」「お化け屋敷ツアー」などがあり、ディスカッションの中で、お化け屋敷は暗い部屋で楽しむ(怖いでしょ❗️)ものですが、お化け屋敷を部屋の中だけではなく、ツアーを夜に実施することにより、お化け屋敷に入る前から、怖さを演出することとします。

これは、奈良は日帰りの観光客が多く、宿泊する人が少ない中で、宿泊する観光客を増やすために、お化け屋敷のツアーをあえて夕方(夜)から実施すこととします。

そして、奈良には各地域に妖怪や鬼にまつわる昔話(いや、実在する❗️)がたくさんあるようであり、奈良には「大仏」や「鹿」だけではなく、様々な「妖怪」の魅力(ゲゲゲの鬼太郎も観光名所になってるし)があることをPRすることができることとなります。

夕食には、飲食店の協力のもと、鹿をモチーフにした食事ができる(鹿味の奈良漬❓・鹿懐石❓)ツアーと共に天平衣装を着ることもできるようにします。

(チームアイデア)
これらを夕方(夜)からはじまるパッケージツアーにすることにより、天平衣装を着てお化け屋敷で楽しみ、鹿ご飯を食べて、あとは旅館(ホテル)でゆっくり温泉にでも入りながらくつろぐことで、1日の旅の疲れを癒すという奈良満喫ツアーとなります。
(このツアー、インスタ映え、間違いなし❗️うらめしや〜)


【アイデア審査】

はじめに、「しごとづくり(観光)」の5チームがテーマに基づき検討したアイデアを発表しました。

5チームの中で、私たちのチームの「ホラーツアー」ともう1チームの「競鹿」による接戦の末、私たちのチームがリーグ優勝しました。

そして「しごとづくり(観光)」ともう一つのテーマである「ひとづくり(農業)」による戦いがあり、互角の戦いではありましたが、私たちのチームがワールドシリーズを制し、ワールドチャンピオンとなりました。
(私は全く活躍できませんでした・・・)

ちなみに、私の独断と偏見によるMVP(❓)は、「お化け屋敷ツアー」を発案された学生の方となります。

これは、審査員の方も評価しておられましたが、同じ3時間で観光するとしても、観光する時間帯を夕方(夜)に実施するイベントとすることにより、宿泊や晩御飯を食べるなどの経済効果が期待できるということで、素晴らしいアイデアであると思いました。

なお、MVPの学生の方へのインタビュー(❓)では、女子大学の学食が美味しいとのお話がある中で、私のようなオヤジが食べに行っても大丈夫であるかお聞きすると、学内で絵を描いているおじさんもいる(教授❓)ということで、食べに行ってもいいのではないかとのお話もありました。
(大学の入口で警備員の方に、はがいじめにされ止められるかもしれませんが・・・)


【まとめ】

現地限定、オリジナル楽曲配信ラリー」は、外国人観光客にサービスを認知してもらうことが重要であると考えたことから、外国人観光客が無料で利用できるプラットフォームを構築し、そして、外国人観光客に対してPRする場であるプラットフォームの運営費用は、各観光地(観光協会など)が負担することとします。

次に、重要なこととして、観光地を周遊する単なるスタンプラリーでは、外国人観光客を集客することは困難であるため、今後、奈良を音楽の街にしたいという著名な作曲家(反田氏)がつくった観光地のオリジナル楽曲を現地のみで聴くことができることとすることにより、奈良市自体の観光ステータスを高めることとします。

そして、今後、少子高齢化の進展により、観光に関わる人材不足が想定される中で、人材を極力必要としない仕組みを構築する必要があり、サービスの説明や同行など、通訳する人材を必要としないスタンプラリー形式のサービスとすることとします。

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