shift innovation #41(f∞ studio hack 2)
今回は、FabCafe Kyotoで開催された「f∞ studio『これも写真❓』ワークショップ」に参加しました。
今、「写真」に囲まれて生きている中で、スマートフォンのカメラで簡単に写真を撮り、SNSで瞬時に共有する時代である一方で、「写真」の定義は曖昧になっています。
f∞ studioは、従来の「写真」の概念にとらわれず、その周辺の未来の写真の意味や価値を探求するコミュニティーであり、「写真」の可能性を信じ、未来の写真の意味・みることの意味を模索し続けています。
今回のワークショップでは、f∞ studioがこれまでに得た知見を基に、フィールドワークに出かけ、「これも写真❓」と感じるものを写真や写真以外の方法で採取し、それらを持ち帰り、グループディスカッションを通して、未来の「写真とは❓」を考えていきます。
【shift innovation #40(f∞studio hack 1)】
shift innovation #40(f∞ studio hack 1)で紹介したワークショップにおけるフィールドワークでは、「❗️」「❓」をテーマに、「これも写真❓」と捉えたものをスマートフォンで撮るという課題があり、1時間をかけてFab Cafe Kyotoの近隣を周り、私自身が捉えた「これも写真❓」をスマートフォンで撮りました。
フィールドワーク当日は、小雨が降っていましたので、はじめに目にとまったものとして「雨」があり、「雨」を通して「これも写真❓」を表現できないかと思いつつ地面を見たところ、「水溜り」があったことから、「雨」から「水溜り」「水面の波紋」を「これも写真❓」として捉えることとしました。
ただし、「写真」の捉え方として、対象物を「記録する」という機能があるものとした場合、「水面の波紋」は、記録できるものではなく、一瞬しか存在しないものであることから、「写真」の概念に含めても良いものか議論の余地があるのではいかと考えられます。
【新たなコンセプト】
今回は、ワークショップにおけるフィールドワークで撮影した「これも写真❓」である「水溜り」「コンクリートの木目のデザイン」「自動販売機」の3点のうち、「水溜り」に関する新たなコンセプトを検討することとします。
「水溜り」は、「水溜り」に「雨」が当たることにより、「水面の波紋」が生じるという「これも写真❓」でありますが、「水面の波紋」は、記録できるものではなく、一瞬しか存在しないものであります。
そこで、「これも写真❓」における「写真」の特性上、「水面の波紋」を記録できるコンセプトを検討することとします。
【コンセプト 1】
はじめに、「水溜り」における「一瞬」から「時間」をイメージしたことにより、「時間」という概念に基づくコンセプトを検討することとします。
概念である「時間」から連想するものとし「時計」があり、例えば、「砂時計」の場合、上の層から下の層へ砂が全て落ちることにより、一定の時間を計るものであり、「砂時計」の構造を活用することにより、新たなコンセプトを検討しました。
しかし、「水溜り」に関して、「水面の波紋」という一瞬の状態を表現しようとした場合、実際の水を使用することにより「砂時計」の構造を活用しつつ、視覚的に表現した上で、記録することは困難であります。
そこで、異なる「水溜り」に関する新たなコンセプトを検討することとします。
【コンセプト 2】
新たなコンセプトを検討する上で、「水面の波紋」から「癒し」を感じたことから、「癒し」という概念に基づくコンセプトを検討することとします。
はじめにイメージした「時間(時計)」に関しては、実際に撮った写真から想像したものですが、実際の水を使用することは困難であることから、「水面の波紋」をアルミホイルで表現したバウンダリーオブジェクトを改めて見たとき、実際の水による「水面の波紋」ではなく、スマートフォンの画面に映し出された「水面の波紋」の画像を見ることによって、癒されるというコンセプトを想像しました。
しかし、スマートフォンの画面に「水面の波紋」の画像を映し出すだけでは、継続し利用してもらえないと思い、そこで、「癒し」から「音楽」を想像したことから、スマートフォンの画面に映し出されたイコライザーの画像のような「水面の波紋」の「画像」にあわせて、視覚に基づく「画像」を聴覚に基づく「音楽」に変換することによって、視覚と聴覚の両方により記憶(記録)しやすくなると共に心も癒されやすくなるというコンセプトを検討することとします。
【コンセプト 3】
コンセプト 2に引き続き、「癒し」という概念に基づくコンセプトを検討することとします。
スマートフォンの画面に映し出されたイコライザーのような「水面の波紋」の画像にあわせて、視覚に基づく「画像」を聴覚に基づく「音楽」に変換したコンセプトとなります。
【コンセプト 4】
コンセプト 3に引き続き、「癒し」という概念に基づくコンセプトを検討することとします。
スマートフォンの画面に映し出されたその時の「写真」にあわせて、視覚に基づく「画像」を聴覚に基づく「音楽」に変換したコンセプトとなります。
記憶がリアルに蘇るスマートフォンアプリがあればいいな・・・。
これって「これも写真❓」になるのかな・・・。
【まとめ】
「写真」の構造である「対象物」→「媒体」→「対象物の過去・現在・未来を表現」の捉え方として、「媒体」を通して「対象物」を視覚的に捉えることにより、空間軸・時間軸に基づき「対象物」の原型は維持しつつも、その一部を変換し、且つ、その変換した内容を物理的に保存(記録)できるものであるとします。
そこで、今回、検討した「水溜り」→「雨(自然)」→「水面の波紋」のコンセプトは、「水溜り」に「雨」が当たることにより、「水面の波紋」が生じるものの、記録できるものではなく、一瞬しか存在しないものであることから、スマートフォンを活用することにより、スマートフォンの画面に映し出された「写真」という「画像」にあわせて、視覚に基づく「画像」を聴覚に基づく「音楽」に変換することによって、物理的に保存(記録)できるようにしました。
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