shift innovation #54 (WORK MILL hack 1)
今回は、株式会社オカムラが主催する大阪beeにて「語ろうあなたの考え、知ろうみんなの考え vol.2」哲学対話の会に参加しました。
【哲学対話の会】
哲学と聞いて難しいと感じたあなた、そんな事はありません。
哲学対話はそんな普段の生活では深く考えないようなテーマをみんなでじっくり考えるのを楽しむそんな企画となっています。
「失敗って何」「大人って何」「怒りって何」
この問いへの考え方は皆さん人それぞれ違うと思います。
そんな人それぞれの考え方に触れれる面白い機会です。
一緒に哲学対話を楽しみたい人beeに集まれーーー。
【WORK MILL】
「働く環境を変え、働き方を変え、生き方を変える。」
WORK MILLは、「はたらく」を考え、「はたらく」を変えていく活動です。
今までの当たり前にとらわれず、「様々な視点で(見る)」、「価値観を挽き出す(MILL)」の2つの意味を込めています。
多様な人達とのオープンな共創プロセスのもと、「すぐにみられる」ウェブマガジン、「手に取れる」雑誌・冊子、「訪ねに行ける」共創空間を中心に展開し、共創による課題解決や価値創造を目指しています。
働く環境づくりで困っている方、よりよい働き方を創りたいと考えている方、どうぞお気軽にご連絡ください。
【哲学対話のテーマ】
今回の哲学対話のテーマは「働くこと」であり、「働くこと」に関する問いを決めた上で、その問いに基づき、参加者が問いを深めていくというものでした。
はじめに、参加者から哲学対話するための問いを募り、複数の問いの中から、「お金をもらわなくても働くのか」という主旨の問いから哲学対話をすることになりました。
(記載する内容は、自身が答えた質問からみた内容であり、哲学対話全体を表した内容ではありません。)
【哲学対話における自身の考え1(少なくなるVS少なくならい)】
参加者と「問い」を深めていく中で、「技術が進展することにより、人間がすべき仕事が少なくなると思っていたのに、どうして仕事が少なくならないのか。」という主旨の質問がありました。
これに関して、私が答えた内容は、「人間の欲求には上限がなく、欲求を満たすことができたとしても、欲求を満たした瞬間、さらになる欲求が湧き出てくるからである」というものでした。
例えば、今までの技術ではできなかったことが、インターネットが生まれたことによりできる、また、今までの技術ではできなかったことが、AIが生まれたことによりできるなど、技術が進展すると、新たな技術を活用した新たな欲求が生まれるという繰り返しであり、人間の欲求は満たされることはなく、今までの技術による仕事は少なくなったとしても、新たな技術による新たな仕事が生まれることにより、全体しては仕事が減らないのではないかと思いました。
(人生100年時代、リスキリング必要だよね❗️)
【哲学対話における自身の考え2(働くVS働かない)】
「どうして働こうと思ったのか」という主旨の質問がありました。
これに関して、私が答えた内容は、「当時は学校を卒業すると働くのは当然であり、あとは、どのような仕事をするかを選択するだけというように、働く以外の選択肢を考えたことはなかった」というものでした。
このような問いを今まで自分自身にしたことはなく、今の価値観では、学校を卒業すると多くの人は働くものの、働く以外の選択肢として、大学院へ行く、留学する、アルバイトをする、ニートになる、そして、働く人の中には、会社に務める、後継者になる、起業するなど、世の中が多様性を受け入れたことにより、「学校を卒業すると働くのは当然である」という価値観が薄れてきた、視点を変えると「こういう生き方もありだよね」的な価値観が受け入れられるようになったのではないかと思いました。
(これは生きやすいのか、それとも生きづらいのか、さーどっちだ❗️)
【哲学対話における自身の考え3(ライスワークVSライフワーク)】
「生きていくための『ライスワーク』から生きがいとしての『ライフワーク』へシフトできない」という主旨の話がありました。
ここでは、「仕事が好き」「仕事が嫌い」、「仕事が楽しい」「仕事が辛い」という問いが錯綜する中で、私が感じたことは、「好きな仕事とやりがいのある仕事は違うのか」という問いが生まれました。
これに関して、私が答えた内容は、「好きな仕事がしたいという場合、例えば、企画が好き、営業が好きという場合であっても、希望する職種に配属されないことは当然起こり得ることであり、この場合、好きな仕事ではないため、仕事へのモチベーションが上がらないという人もでてきてしまいます。一方で、やりがいのある仕事をしたいという場合、一例として、希望する職種に配属されず、大量の仕事をすることになった場合であっても、いかにして効率的に時間内に仕事を終えるかということを目標(個人)にし、仕事に取り組み達成することができた場合、仕事へのモチベーションが維持されるなど、好きな仕事ではない場合であっても、現状の仕事の中にやりがいがでてくる自身のツボを自ら探すことができれば、そして、やりがいがでてくる自身のツボにおける経験を増やすことができれば、いつかはその仕事が好きな仕事になるのではないか」という主旨の話をしました。
(やる気スイッチって自分で入れるの、他人(組織)が入れてくれるの❗️)
【哲学対話の感想1(昭和社員VS令和社員)】
参加者のお話をお聞きした感想として、仕事の経験を積んでいる方々は、仕事をはじめた時代における価値観(背景)やその後に経験した仕事で得た仕事観、家族との生活を維持する必要がある義務感もあり、仕事は楽しいものではなく、仕事はすべきものであるということを受け入れ、「好きな仕事」「嫌いな仕事」というものはないという価値観の方が多く、ひたすら仕事をしている、つまりは、仕事をすることは当然であり、与えられた仕事をやり切るのも当然である、仕事をやらないという選択肢はないということを前提とした価値観であると感じました。
一方で、若い方、特に学生の方の中には、アルバイトをしたことはあるものの、「好きな仕事」「楽しい仕事」でない場合、ライスワークからライフワークへ移行できないのではないかという不安や苦しみがあり、これから就職する、または、仕事を続けていく上で、「好きな仕事」「楽しい仕事」でいない場合であっても、仕事を続けていけるかという不安があり、どうすればライフワークができるのかと悩んでいるようにと感じました。
これに関して、人間は選択肢が少ない、もしくは選択肢がない場合、つまりは、前提が決まっている場合、ただひたすら前進することができ、その前提の中で、どのようにすれば最適解を得ることができるかということを検討することになるのではないかと思いました。
(情報過多の時代、意思決定すること多くない❗️今の若者ってすごいよね❗️)
【哲学対話の感想2(多様性ありVS多様性なし)】
今の世の中において、多様性を受け入れ、選択肢があることによって、人間としては、嫌いなこと、苦しいことよりも、好きなこと、楽しいことを選択したいというのは当然であるものの、すべての人が好きなこと、楽しいことができない場合があります。
そこで、以前のように好きな仕事や楽しい仕事に就けない場合であっても、仕事をしなければならないという前提がある場合、それについていけない人は苦しみ、一方で、今は仕事に就かなくても生きていけるという多様性を受け入れたものの、仕事に就かなくてもよいのかと苦しむなど、いずれの場合も苦しみが生じる場合があると感じました。
これは、苦しむ内容が変わっただけであり、今も昔も苦しみは存在し、多様性を受け入れることにより、苦しみの選択肢が増えただけであり、人はどの苦しみを選択するのかという更なる苦しみを与えられることによって、哲学対話は人を苦しみから解放する場合もあれば、更なる苦しみを与える場合もあるなど、哲学対話の功罪ではないかと思いました。
(あえて哲学対話に挑み、徹底的に考え抜くことも必要かも❗️)
【哲学対話の感想3(哲学対話ありVS哲学対話なし)】
哲学対話の功罪は、取り組むテーマなどにより、異なるのではないかと思われます。
企業の中には、新たなプロダクトやサービスを創造したいということで哲学対話を導入してる企業もあり、これは、前提を疑うことにより、今までとは異なる視点で今までとは異なる事象を捉える、例えば、ジェット機の開発の場合、主翼の上面には、空気の流れを妨げるものは設計せず、胴体後部にエンジンを搭載することが常識となりますが、ホンダジェット機の場合は、この前提(常識)を疑ったことにより、主翼の上面にエンジンを搭載することによって、胴体内部のスペースを確保し、騒音の低減、速度アップ、低燃費などの効果を実現できたようです。
これらのように、前提を疑うことによって、イノベーションを促すことができるという意味において、哲学対話をすること、前提を疑うこと、多様性を受け入れることは、良いことであるのではないかと思いました。
(ホンダジェット機の開発に哲学対話があったのかな、もしかしたらセルフ哲学対話❗️)
【まとめ】
変化の激しい今の世の中において、さまざまな情報が溢れる中で、その本質を見極めるためには、今までの前提である固定観念を疑うことからはじめる、つまりは、哲学対話することが重要になるのではないかと思われます。
そして、人は自身の中で、自問自答を繰り返すことにより、新たな答え(情報)を得ようとしますが、自身が保有する情報には限界がありますので、そこで、リベラルアーツ(一般教養)を学ぶなど、多様性を担保しようとします。
しかし、それでも限界はありますので、今回のような様々な世代の人、様々な分野の人が集まり、多様性を担保することによって、今までとは異なる生き方、今までとは異なるプロダクトやサービスを創造できるなど、哲学対話の重要性がより一層高まるのではないかと思いました。
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