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shift innovation #47 (QUINTBRIDGE hack 2)

今回、QUINTBRIDGEの「We Lab.2024 第2回We Lab.メンバーの持ち込みテーマを題材に教え学び合おう」というイベントに参加しました。

QUINTBRIDGEとは、「社会を変えたい思いと思いが、出会う場所。」

世の中をもっと良くしたい、と考える企業・スタートアップ・学生・自治体などが、立場にとらわれず交流するオープンイノベーション施設。

志を持つ会員同士が自由に共創し、実社会での活用をめざします。アイデアや技術、知見や課題を持ち寄り、それぞれの個性を活かし、あなたの想いをみんなの思いにしていきましょう。


We Lab.は、QUINTBRIDGEの会員の皆様とともにSelf as Weを体現するプログラムで、学びあい、教え合う。QBの会員の互助によるハイレベル成長プログラムです。

メンバーから持ち込まれたテーマを題材に参加者からフィードバックを得たり、意見交換をしたりする場を作ります。


【前回の概要】

We Lab.メンバーから持ち込まれたテーマとは、「和食(発酵食品)を通して、健康増進を図るため、未病への対処の大切さを認知してもらう」(これってあってるかな❓)となります。

「まずは健康に関心を持ってもらいたい」「健康に良い和食(発酵食品)の良さを知ってもらいたい」、そして「未病の状態にある人が病気にならないようにしたい」という想いがあるものの、講習会等に集まっていただける方は、高齢者など、既に健康に関心がある方が多く、We Lab.メンバーの想いを未病の状態である人々に伝えることが難しい状況のようです。

前回(shift innovation #46)提案した「『AIにより顔画像から浮腫を推定する技術(※)』を活用することにより、健康状態を確認することができるシステム(健康管理システム)」とは、この健康管理システムを顔認証による電子決済の付帯サービスとすることにより、利用することへのハードルを下げることによって、知らず知らずのうち未病への対処に関心を持つことができるエンベデッド・ヘルスケアサービスとなります。
※NEC(https://jpn.nec.com/press/202302/20230210_01.html)


【エンベデッドとは】

エンベデッドとは、「埋め込む」という意味であり、例えば、よく知られるエンベデッド・インシュアランスの事例として、パッケージ旅行を申し込む際、キャンセル保険や旅行傷害保険の申込みなど、自動的・半自動的に販売プロセスに埋め込まれた保険サービスなどがあります。


【エンベデッド・インシュアランス】

クレイトン・クリステンセンの「繁栄のパラドクス」の著書において紹介されたエンベデッド・インシュアランスの事例として、途上国で保険販売を自社で行うのではなく、携帯電話の料金を少し増額するだけで、質問に回答する必要がなく、携帯電話会社を通じて保険を受けることができるシステムとなります。

このエンベデッド・インシュアランスについて、クレイトン・クリステンセンの破壊的イノベーション・ジョブ理論・無消費(プル戦略)の視点より確認することとします。

破壊的イノベーション

生命保険では、健康診断の結果に基づく審査があり、高額の保険料を支払う必要がある一方で、エンベデッド・インシュアランスは、様々な質問に回答する必要はなく、少額の保険料で加入できる保険となります。

ジョプ理論

生命保険では、新たな保険に入るためには、必要な書類を揃えると共に複雑な商品の説明を聞く必要があるなど、手続きに手間が掛かる一方で、エンベデッド・インシュアランスは、質問事項や書類の記入、証明の類により、親族関係などの関係性を証明する必要がなく加入できる保険となります。

無消費(プル戦略)

生命保険では、保険料が高額ということもあり、一定の所得がある人が加入する保険である一方で、エンベデッド・インシュアランスは、少額で加入できることから、今まで保険に加入できなかった低所得者をターゲットにするなど、無消費者が加入できる保険となります。

これらのように、エンベデッド・インシュアランスは、携帯電話会社などの費用を徴収する仕組みを有する会社と連携し少額の保険を提供するなど、少額で手間を掛けることなく、無消費者にアプローチすることができるシステムとなります。


【エンベデッド・ヘルスケア】

前回(shift innovation #46)提案した「『AIにより顔画像から浮腫を推定する技術』を活用することにより、健康状態を確認することができるシステム(健康管理システム)」とは、この健康管理システムを顔認証による電子決済の付帯サービスとすることにより、利用することへのハードルを下げることによって、知らず知らずのうち未病への対処に関心を持つことができるエンベデッド・ヘルスケアサービスとなります。

このエンベデッド・ヘルスケアについて、クレイトン・クリステンセンの破壊的イノベーション・ジョブ理論・無消費(プル戦略)の視点より確認することとします。

破壊的イノベーション

健康診断を受診するためには、年一回、医療機関に予約をし、様々な検体を準備した上で、健康診断当日は1日がかりの受診となると共に健康診断の費用も高額となる場合かあります

一方で、エンベデッド・ヘルスケアである「『AIにより顔画像から浮腫を推定する技術』を活用することにより、健康状態を確認することができるシステム(健康管理システム)」を、自身で顔画像を撮りバイタルデータを収集する場合、うっかり顔画像を撮ることを忘れてしまう場合がありますが、この健康管理システムを顔認証による電子決済の付帯サービスとすることにより、店舗で商品を購入する際、顔認証による電子決済を利用することによって、知らず知らずのうちに顔画像からバイタルデータを収集することができます。

ジョブ理論

持病がある方や未病の状態である方の中には、健康に無関心な方もおり、健康診断の結果より、未病の状態であることを知った場合であっても、再検査や病院へ行くのは手間であり、お金もかかる上、入院することになれば、仕事も休む必要があるなど、再検査や病院へ行かない場合があります。

その背景に、「具体的な症状が出ていないのに病院へ行くのは仰々しい」「病院で診察してもらうものの、何もないと言われたら恥ずかしい」「軽い症状で病院へいくと他の患者に迷惑をかける」というインサイトがあるとします

これらの場合、自身と医師、自身と他の患者という関係性の中で、直接関わり合いを持つことにより、健康に関する関心から遠ざけてしまうこととなるため、直接関わり合いを持つことがないようなシステムを構築する必要があります。

無消費(プル戦略)

持病がある方や未病の状態である方の中には、健康に無関心な方もおり、毎年一回健康診断を受診し、健康診断の結果より、一時的に健康に関心を示すものの、痛みなど具体的な症状が出ていない場合、自身の中にある健康に関する優先順位が低いため、日が経つにつれ健康診断の結果を忘れてしまう場合があります

このように健康に無関心であり健康診断に対する無消費者に対して、健康に関心を持ってもらうことは困難であるため、提案する健康管理システムと関連するサービス(健康管理システムと健康管理デバイス)や健康管理システムと関連する仕組み(顔画像と顔認証)など、親和性の高いフロントサービスの付帯サービスとして健康管理システムを埋め込むことにより、知らず知らずのうちに健康管理システムを利用することとなります


【エンベデッド・ヘルスケアの思考プロセス】

AIにより顔画像から浮腫を推定する技術を活用することにより、健康状態を確認することができるシステム(健康管理システム)

課題発見

●「健康に関心を持ってもらい、未病への対処の大切さを認知してもらう」
●「健康に無関心な人は、未病への対処の大切さを訴えかけても響かない」
●「違和感を感じたことはあるものの、何もしなくても大きな病気になっていない」
●「病院へ行き病気が判明すると治療費が必要となり、仕事ができない期間があると困る」※ニーズ
●「症状が出ていないのに病院へ行くのは仰々しいので、病院へ行くのは嫌だ」※インサイト
●「健康に関心を持ち、未病の状態に気付くための根拠となるデータが欲しい」
●「知らず知らずのうちに健康に関心を持ち、未病への対処の大切さを認知してもう」

課題転換

●「健康に関心を持つ機会として、健康診断を受診するときがある」※思考転換
●「健康診断は年一回であり、健康診断の結果を確認した後、すぐに関心がなくなる」
●「毎日健康診断を受診すれば、健康診断の結果への関心がなくなることはない」※思考反転
●「今、健康管理デバイスで毎日バイタルデータを収集できる」
●「健康に無関心な人は健康管理デバイスを持っていない」
●「健康に無関心な人に健康管理デバイスを持ってもらうことは難しい」
●「健康管理デバイスがない場合であっても、バイタルデータを収集する」※思考反転

課題解決

●「バイタルデータを収集する技術として、顔画像から浮腫を推定する技術がある」※技術情報
●「顔画像から浮腫を推定する技術を活用し、顔画像を自身で毎日撮る習慣を維持することは難しい」
●「毎日顔画像を入手する機会として、店舗購入時の顔認証による電子決済がある」※技術情報
●「顔画像から浮腫を推定する技術を顔認証による電子決済の付帯サービスとする」※技術結合
●「顔認証による電子決済をすることにより、知らず知らずのうちにバイタルデータを収集する」
●「バイタルデータを解析し、未病の症状であることを知らせる」
●「未病の症状であることを認知することにより、未病への対処の大切さを知ってもらう」


【まとめ】

持病がある人や未病の状態である人自身が、病気や未病であることに気付いていないため、健康に無関心な人もいれば、気付いてはいるものの、あえて健康に関心がないかのように振る舞っている人もいると考えられます。

そのような人々には、病気や未病であることに気付き、健康に関心を持ってもらい、そして、早く治療などしてもらいたいものの、痛みなどの具体的な症状がないとなかなか健康に関心を持つことができないのではないかと考えられます。

また、病気や未病であることに気付いてはいるものの、根拠となる具体的なバイタルデータなどがないと、病院に行き診察を受けるというように、具体的な行動をすることができない人もいるのではないかと考えられます。

そこで、知らず知らずのうちに病気や未病であることに気付き、健康に関心を持ってもらうための根拠となる具体的なバイタルデータを提供するシステムを、社会インフラに埋め込むことができれば、年に一回健康診断を受診したときだけではなく、日々の生活の中で、病気や未病であることに気付き、健康に関心を持ってもらうことによって、健康に関わる何らかの行動をする機会をつくる一助となるのではないかと考えられます。

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