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【フランス留学記①】道を尋ねられる

初回の記事では、初投稿らしく特別なテーマとして、私の好きな声優に関する聖地巡礼について書きましたが、今回からは、私のフランス留学体験についてお話ししようと思います。

アジア人なのに道を尋ねられる?

今回のテーマは「道を尋ねられる」という経験についてです。これは、日本での生活では感じることができなかった文化の違いであり、フランスに来てから特に印象に残っている出来事の一つです。

まず、日本にいた頃を振り返ると、私たち日本人が日常的に外国人に道を尋ねることはあまりないように思います。日本では、街中で道を尋ねる際、多くの人は自然と日本人らしい外見の人に声をかける傾向があるように感じます。外国人を見かけても「言葉が通じないかもしれない」という不安や、相手に対して遠慮する気持ちが働き、なかなか外国人に対して積極的に話しかけようとは思わないのです。

それに対して、フランスでは街を歩いていると頻繁に道を尋ねられることがあり、私はフランスに来てから8か月程度しか生活していませんが、すでに5回ほど、行きたい駅や近所にあるスーパーの開店時間、セルフレジの使い方などを尋ねられました。私自身は日本人であり、外見的にも「フランス人らしさ」はないはずですが、現地の人々にとってはそれが特に気になることはないようです。ここで大きな違いを感じたのは、フランスでは外見に基づいて「外国人かもしれない」と判断されることが少ないという点です。

この違いの背景には、フランスと日本における移民の存在や、社会の多様性に対する意識の違いがあるのかもしれません。フランスは移民を多く受け入れてきた国であり、多様な文化や人種が共存しています。そのため、街を歩いている人がフランス語を話すかどうかを、外見で判断することが難しく、結果的にどんな人にも自然に話しかける文化が根付いているように思います。このような背景を持つフランスでは、「外見」よりも「現地語を話す人」として相手を捉える傾向が強く、そのため誰にでも道を尋ねやすい環境が整っているのでしょう。

一方で、日本は比較的移民の少ない国であり、単一民族的な社会が形成されています。そのため、外国人を目にする機会は増えてきているとはいえ、まだ外見によって「日本人か外国人か」を意識してしまうことが多いのではないかと思います。日本人が外国人に対して遠慮がちになってしまうのも、このような文化的背景が影響しているのかもしれません。

さらに、私がフランスで道を尋ねられることが多い理由には、私自身が現地語であるフランス語を少し話せるようになり、現地の生活に馴染んでいる姿勢が関係しているのではないかとも考えます。街を一人で歩いていたり、フランス語表示のセルフレジを操作していると、旅行客だとは思われないのかもしれません。言語能力の向上が無意識のうちに現地の文化に溶け込もうとする姿勢に繋がり、相手に「この人なら聞いても大丈夫だ」と思わせる要因の一つになっているかもしれません。

このように、道を尋ねられるという日常の出来事を通して、フランスと日本の文化的な違いを強く感じました。フランスでは、移民を含めた多様な背景を持つ人々が共存しているため、外見だけで相手を判断しないという寛容さが社会に根付いています。一方で、日本では外見に基づいて相手を見てしまうことが多く、外国人に対して少し距離感を感じてしまうことがあるのは、興味深い違いだと思います。

また私個人としては、分け隔てなく接してくれるフランス人を落胆させないためにも、「郷に入っては郷に従え」と言いますから、フランス語を流暢に話せるようになり、街で急に声を掛けられても自然に対応できるようになりたいと感じています。

これからも、こうした文化的な違いを深く掘り下げながら、フランスでの留学生活を振り返ってみたいと思います。次回の記事でも、さらなる発見を共有できればと思います。

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