あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか (著:津田久資)
人生100年時代を生きていくためのキモとして書籍「ライフシフト」では3つの無形資産が挙げられていますが、その1つが生産性資産です。本日はその生産性資産に関連する書籍のご紹介です。
生産性資産は平たくいうと「仕事に役立つ資産」のことで、知識やスキル、評判などのことです。
そしてそのスキルの中での代表格が「論理的思考力」です。
さてこの論理的思考力ですが、「何のために必要なの?」と聞かれたらみなさんはどんなふうに答えますか?
当然その答えは1つではなく、いろんな答えがあるかと思いますが、私は今回ご紹介する書籍「あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか」での説明が個人的に納得感があるなぁと感じています。
何のために論理的に考えるのか
ということで、この本の著者である津田久資さんが仰っている「論理的に考えることの目的」をご紹介しますと、それは「しまった!を減らすため」です。
この津田久資さんという方は、実は前職のNTTデータ時代、会社提供のロジカルシンキング研修を受けたときの講師でして、今でも強烈に覚えています。もう15年ほど前の話ですが、当時論理的思考のかけらもなかった私は、津田さんのドSな授業でボコボコにされました(笑)
ただ、そのおかげで論理的に考えるとはどういうことかということが、その3日間の研修を境に一気に理解できるようになりました。
話を戻しますと、津田さんが仰っている「しまった!」というのは、自分でも思いつくことが出来たはずなのに、思いつくことができず、相手はそれを思いつくことができたのでコンペに負けた、みたいな状況のことです。
「しまった!」に対する対義語として「まいった!」も紹介されているのですが、この「まいった!」はそもそも自分が思いもしなかった案を相手に提示されたケースなどです。そもそも自分にはそんな案が思いつく余地がなかったので、「まいりました!」という感じになるということですね。
そして、津田さんが仰るには、ビジネスの多くの場面で「まいった!」というケースは少なく、「しまった!」のケースのほうが断然多いということです。
なので、ビジネスパーソンとして論理的思考力を磨き、「しまった!」を少なくすることができれば、優秀なビジネスパーソンになれる、言い換えるとこの本のタイトルのように「東大卒にも勝てる」ということになります。
なぜ「しまった!」を減らせるのか?
では、なぜ「論理的思考力」を磨けば「しまった!」を減らすことができるのでしょうか。
それは、いわゆる「バカの壁」を突破することができるからですね。
「しまった!」が発生する状況というのは、思いつきだけで案を出すようなケースです。そのような方法だと思考の範囲は広がりません。
そこに論理的思考を持ち込むと、MECEの視点で物事を分解していくことで視点が広がっていくわけですね。思い込みの要素を排除し、機械的に「2つにわけて、さらに2つに分けて」とやっていくので、思いつきより思考の範囲が広がるわけです。
そしてこの論理的思考、「どこまで突き詰めるのか問題」ということもありまして、津田さんが仰るには「見た目がキレイなロジックツリー」を作ることに夢中になってしまう方もいらっしゃるようです。そう言われると私もなんとなく胸が痛い感じがします(笑)
当然ながら「見た目がキレイなロジックツリー」を完成させることが論理的思考の目的ではありません。あくまで「しまった!」を減らすことが目的です。
しまった!を減らせるレベルのロジックツリーとは?
では、どれくらいのロジックツリーができれば「しまった!」を減らすレベルまで到達したと判断できるのかというと、津田さんが仰るには「思いつきの場合より案が増えたかどうか」で判断すれば良いとのことです。
もっと平易な表現でいうと、チェックリストの項目ですね。思いつきではチェック項目が3つしかなかったけど、ロジックツリーを使って考えると7項目のチェックリストができた、という感じですね。
そういう状況に到達できれば「論理的思考を活用できた」と言ってよいとのことです。さらにいうと、チェックリスト項目の抽象度をあげて捉えた場合に、思いつきでは出てこなかった「別カテゴリ」の項目が出ていればベターですね。
「論理的思考」と言われるとちょっと小難しく、身構えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、それは「しまった!」を減らすためのものであり、そして「しまった!」を減らすために「思いつき」よりも案を多く出すために使うものだと理解できれば、これから学ぶにしてもとっかかりやすいのではないでしょうか。
ということで、今日は人生100年時代における大事な生産性資産の1つ、論理的思考力について少しお話をさせていただきました。論理的思考力についてもっと理解を深めたい方は、ぜひ今回ご紹介した津田さんの本をお読みいただければと思います。
そして個人的にはですね、論理的思考力だけでなく、「クリティカル・シンキング」「定量分析」も人生100年時代の「最低限持っておきたい思考力」と考えているのですが、それらについてはまた別の機会にお話できればと思っています。
今日も読んでいただきありがとうございます。
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