マーケティングトレース#5 BRUNO(イデアインターナショナル)
今回は、コンパクトホットプレートが大ヒットした、イデアインターナショナルさんの「BRUNO」をマーケティングトレースさせていただきます。
スライドURL
https://docs.google.com/presentation/d/1P2-43Ep4JvN1SycEYDYf1yh5YTvP6FnC3RvNEzfzd4w/edit?usp=sharing
◆トレース方針
メディアで頻繁に取り上げられるBRUNOのホットプレートですが、決算資料等を調査していると、発売時から注目が集まっていたわけではないことが分かります。
また、メディアに取り上げられるといっても、偶然ではなく意識的に積み上げていた資産があるのでは。
そういった疑問から、近年話題になった季節ごとの限定カラー投入や人気キャラクターとのコラボではなく、最初期においてメーカーがどのような施策を行っていたのか調査しました。
◆学び
・新ジャンルを切り開いたこと
-トースターやお鍋にはオシャレなデザインはあるのに、ホットプレートはなぜオシャレじゃないの
-単身/夫婦のみ世帯の割合が増えているのに無駄に大きなホットプレートが多い
-お好み焼きや焼きそばなどの特定のメニューだけでなく、アヒージョやパエリアなど、オシャレで料理が楽しくなるようなメニューも作りたい。
このようなデザイナーのラディカルな視点から、オシャレで台所に出したままでも違和感がなく、収納スペースも節約されたプロダクトは、「コンパクトホットプレート」と呼ばれ、BRUNOは新ジャンルを代表するホットプレートとなりました。
言われてみれば「確かに!」と思えるような小さな違和感を丁寧に拾い上げプロダクトに落とし込む姿勢には、簡単なことではないとは言え、「新しい市場をつくる」ことの大切さを再確認する機会になりました。
・継続的に市場にプロダクトの魅力を蓄積し続けてきたこと
もう一つ大きな学びとなったのは、発売当初より「製品購入後」の楽しみを豊かにするためにメニュー開発やビジュアル発信を続けてきたことです。
ホットプレートの新しい楽しみ方を提案するプロダクトを、出したら終わりにするのではなく、新しいライフスタイルが定着するように、多彩メニューやビジュアルをSNSを通じて発信し続けていました。
また、それに刺激を受けたユーザーによる情報発信(UGC)も相まって、市場にはBRUNO製品の魅力を伝えるコンテンツが大量に蓄積されました。結果、これらのコンテンツが後にメディアに大々的に取り上げられる資源にもなったのではと考えられます。
大手家電メーカーが同ジャンルの商品を安価に市場に投入してもBRUNOの地位が変わらないのは、ハード面の魅力だけでなくソフトコンテンツの充実も含めた「ユーザー体験全体での優位性」が高いことに起因しているように感じます。
今回は、プロダクト投入時の施策が大ヒットにどのように影響しているのか分析しました。ですが、ギフト需要の発掘やキャラクターコラボによる露出の拡大などのグロース戦略も別の機会に掘り下げて分析したいと思います。
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