
パーキンソン病における栄養状態の改善と生活の質の向上の関係
文献情報と要約
📑Improved nutritional status is related to improved quality of life in Parkinson’s disease.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25403709/
概要
パーキンソン病(PD)患者の生活の質(QOL)は、他の疾患や一般人口に比べて低い。栄養不良もQOLを低下させる要因であり、本研究は栄養状態とQOLの関係を明らかにすることを目的とした。栄養状態が改善されると、QOLも向上することが示された。
背景
PD患者は疾患の影響でQOLが低下することが報告されており、栄養不良もその一因である。PDにおける栄養不良とQOLの関係に関する研究は限られており、本研究はその関係を探ることを目的とする。
方法
研究は2つのフェーズで実施された。フェーズIでは、コミュニティで生活するPD患者を対象に、栄養状態を評価するためにPG-SGA(Patient-Generated Subjective Global Assessment)を使用し、QOLを測定するためにPDQ-39を使用した。フェーズIIでは、栄養不良と判定された患者を標準ケア(SC)群と介入(INT)群にランダムに分け、栄養指導を行った。データはベースライン、6週間後、12週間後に収集された。
結果(Results)
フェーズIでは、栄養不良の患者は特に「移動」と「日常生活動作」分野でQOLが低下していることが示された。フェーズIIでは、INT群とSC群間でPDQ-39の総スコアに有意差はなかったが、INT群で「情緒的健康」が有意に改善した。
考察(Discussion)
栄養不良のPD患者は、栄養状態が良好な患者に比べてQOLが低いことが明らかになった。特に「移動」と「日常生活動作」の分野で顕著であった。栄養状態の改善がQOLの向上に寄与する可能性が示唆され、特に「情緒的健康」の向上が見られた。
感想
栄養不良とQOLはなんだかんだ影響すると言うことは肌感覚に感じる部分があります。PDは進行性疾患であり嚥下障害も併発していきます。つまり、徐々に栄養状態は悪くなる可能性が高い疾患であると思います。研究では軽症例を扱っていると思いますが、将来的には重症者にも対応した論文がでるといいなと感じます。