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千の褒め言葉よりも、一つの心無い言葉

うぅ、このクソ暑い時に風邪をひいてしまって結構辛い。
咳と鼻水が酷くて、昼間はだましだまし仕事して、夜の8時頃にはベッドの中、と言うパターンになって三日目。
昨日の夜は咳で眠れなくて、1時間ごとにトイレに起きた。

で、そんな眠れない時につい見てしまうのがスマホ。
よせばいいのにスマホを見だして、また眠れなくなってしまう。

SNSの類いを見ては、何か面白いことはないかな?と情報収集したりして。
SNSは時に素晴らしい出会いを提供してくれたりもする。
何年も何十年も音信不通だった人と、突然繋がったりとか。
でもその反面、嫌な思いをすることもある。
世の中には自分の理解の範疇を超えた人がたくさんいることを、SNSで学んだりもする。

今から何十年も昔の話。
まだインターネットが黎明期だった頃は、SNSなんて無くて掲示板=BBSが主流だった。掲示板というのは匿名で書き込めることから、いつの間にか特定の人を攻撃するようなスレッドも乱立していった。

で、ぼくもとある掲示板で、散々酷いことを書かれたりしていた。
特にぼくがSHさんのバンドを脱退したことに関しての誹謗中傷は、それは酷いものだった。
「あいつは新婚で旅に出るのが嫌だから辞めたんだ」とか「あんな凡庸な演奏と凡庸なアレンジしか出来ないやつは、辞めてくれてせいせいした」とか、それはもう言いたい放題。

なんでぼくがそんな見なくてもいい誹謗中傷の書き込みを知ったかと言うと、当時所属していた事務所の人間が、今で言うところのエゴサーチをしていたから。
事務所の方は、ぼくに関する書き込みを収集するのが好きだったらしく(本当のところは分からないけど)ある日、ぼくに関する酷い書き込みが続いていることを教えてくれたのだった。

ぼくは打たれ弱いので、そのような書き込みは極力見ないようにしていたのだが、ある日事務所に行ったら、デスクのPCにその掲示板が開きっぱなしになっていたのを偶然見てしまった。

打たれ弱い(笑)ぼくは、よせばいいのにその掲示板を見てしまった。
まぁ、これでもかというぐらいの罵詈雑言のオンパレードだった。
ぼくは頭をハンマーで叩かれたような衝撃を受けた。

何処の馬の骨とも分からないヤツに、なんでそんなに酷いことを言われなければならないのか。
衝撃を受けたと同時になんとも悲しい気持ちになった。

ほくのような大して有名でもないミュージシャンでも、これだけ書かれるのだから、著名人の方などは、あんなものを目にしたら、よっぽど心臓に毛が生えていない限り、おそらく生きて行けないであろう(笑)。

人間と言うのは不思議なもので、幾千の褒め言葉よりも、たった一言の罵詈雑言のほうがずっと胸をえぐり取られて、心の深い傷として残るのだ。
もしかしたらぼくだけなのかもしれないけれど。

ぼくは高校生の頃にも、同級生からからかわれたことがある。
当時ぼくが痩せていたことを揶揄して、ぼくの苗字を音読みして、ある国名になぞらえてからかったのだ。
今だったら一発アウトのワードだが、当時はインターネットなんて無かったから、この手の陰湿なイジメは全国で行われていたことであろう。

このことは今でもはっきり覚えいるし、からかったヤツの顔も名前も覚えている。 
それらの罵詈雑言は何十年経っても消えることは無いし、心の傷として残っている。

でもSNSを通じて応援してくれる方は沢山いるし、幸せなことにぼくはそんな方達に支えられて、晩年の音楽活動をすることが出来ている。
あと何年今のような活動が出来るか分からないけど、元気なうちは続いて行きたいと思っている。
なので早く風邪も治さなきゃ。

でも千の褒め言葉よりも、たった一つの心無い言葉の方がいつまでも忘れないのは、ぼくが暗い人間だからなのかなぁ(笑)。


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