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あやかしたちが素敵で可愛い! 書籍紹介『あやかし遊郭の居候』

書籍情報

書籍情報:あやかし遊郭の居候

作品紹介

はじめに

 こんにちは。本作の表紙左下にこっそり映り込んでいるかもしれません、まさかミケ猫です。いやぁ、明治ってまさに過渡期って感じで、混沌としててすごく好きなんですよね。
 さて、本作は移り変わっていく明治の世で、欲と金の渦巻く吉原を舞台に、主人公の千早ちゃんが愉快なあやかしたちの遊郭「月虹楼」へと迷い込みます。居候となった千早ちゃんは月虹楼でどんな暮らしをするのか。そして、彼女を捜している者の意図とは――
 とても面白かったので、張り切って(ネタバレしないように気をつけながら)作品を紹介してみようと思います。

主人公の千早ちゃんが良いんですよね

 吉原生まれ、吉原育ち。娼妓の娘として生まれた彼女は、冒頭ではただ状況に流されて逃げるだけの女の子でした。とはいえ、客観的には大変だろうなぁと思うような環境でも、けっこう呑気に生きてきた強い子でもあるんですよね。それで、彼女なりの理屈で物事を考えて、しっかりと道を選び取っていくので、読んでいて全力で応援したくなる主人公でした。細かく語るとネタバレになっちゃうので伏せますが、優しくて素敵なんですよ。すごく良いなぁと思って読んでいました。

月虹楼めっちゃ楽しそう

 迷い込んだのが千早ちゃんだったからというのもあると思いますが、彼女の視点から見える月虹楼がすごく楽しそうでワクワクしました。色々なものが新しくなっていく人間社会のすぐそばで、あやかしたちが営むのは、昔ながらの綺羅びやかで怪しい遊郭。そこで――書籍情報に「のっぺらぼう」については書いてありますから、四郎さんについて語るのはネタバレじゃないですよね??? 彼が追手を追い返す手管がね、期待を裏切らなくて最高なんですよ。他の子たちについて語るとネタバレになっちゃうのでそこは伏せますが。怪しくて、面白くて、素敵で、なんかみんな可愛い月虹楼。私も迷い込んでみたいなぁと思いました。めっちゃ楽しそう。

楼主様、惚れてまうやろぉ!

 表紙のイケメンは素敵な人でしたねぇ。なるほど、そういう理由で千早ちゃんを助けてくれるのかぁ。朔さんの正体とかはぜひ書籍を読んで確かめていただくことにして……うーん、ネタバレ禁止で縛るとあまり多くを語れませんね。とにかく、めっちゃいいタイミングでイケメンっぷりを発揮してくれるので、楼主様ぁってなります。これはときめいちゃうよね。

魅力的なキャラクターが盛り沢山!

 けっこうシビアな舞台ではあるんですが、本作は敵役にしろみんな背景がしっかり掘り下げられていて、中には小憎らしいけどなんか魅力のあるやつとかもいました。出禁になっとるやないかーい。それと、背景を知ると「そうだよなぁ」ってなるあの子にも幸せになってもらいたいですし、猫関係の話も胸にグッときましたよね。いい子たちだなぁ……あ、でも表紙の左下にいるのは私ですよ? 若菜ちゃんとはどっちが映り込むかで大乱闘したんですから。たしか私の勝利で終わったはずです。たぶん。

結末が良い!!!

 終盤のみんなのアレも良かったですし、最後のアレコレもすごく良くて……ただ、何がどう良かったかをちゃんと語ると完全にネタバレになってしまうので、とにかく何も言えないんですが……良かったんですよ。何も伝わらないと思いますが、「すごく良かったです」とだけ紹介しておきます。ぜひ皆様、お手にとって読んでみてくださいね。

作者様の記事より

 本作は遊郭モノということで、作者様が大吉原展に行ってきたそうです。この記事も面白かったので載せておきますね。なるほど。そもそも私がぼんやりした知識しかないってのもありますが、色々と考えさせられますよね。

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書籍情報:あやかし遊郭の居候


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