物理苦手でも気象予報士試験に合格したい!#28 数値予報-11 短期・中期予報
こんにちは、まさごんです。
気象予報士試験の合格を目指すべく、日々の勉強内容を記録しています。
勉強内容
今回は寒冷低気圧についてです。寒冷低気圧とは、中心の温度が周囲よりも低い低気圧のことで、「寒冷渦」とも呼ばれます。偏西風の蛇行が南北に大きくなった時に、寒気が偏西風帯から切り離されて形成されます。
学習ポイント 寒冷低気圧
繰り返しになりますが、偏西風帯で南北の気温差が大きくなり、傾圧不安定波が強まると、偏西風は蛇行し、南北の温度差を解消しようと働きます。この時に大規模な気圧の尾根や谷が発生し、北からの寒気移流と南からの暖気移流によって南北の温度差を和らげようとするのです。
偏西風帯の蛇行がさらに進むと、気圧の谷の南部分(寒気)が偏西風帯から切り離されて、等高度線が閉じた低気圧が誕生することがあります。これが寒冷低気圧です。
一般に寒冷低気圧は、対流圏内では周囲よりも気温が低くなっていますが、それより上空の成層圏では高温の空気で占められています。(対流圏では高度とともに気温が下がりますが、成層圏では高度とともに気温が上がるためです。)この気温が高くなっている場所を「暖気核」といいます。
暖気核は上層からの空気が断熱昇温(空気が下降することで温度が上がること)により高温になっているため暖気核の中では下降流になっています。天気図の中から暖気核を見つけるときには、これが一つのポイントとなります。
寒冷低気圧の南東側から東側にかけては、突風や雷など激しい対流現象が発生しやすいです。下層には湿度の高い大気が流入し、強い対流不安定な成層(下層ほど高温・高湿な大気状態)が作られるためです。ですので対流雲が発達しやすくなり、大雨や表、雷など激しい気象が短時間に発生します。
寒冷低気圧は偏西風帯から切り離されているため、通常の温帯低気圧に比べて速度が遅く、停滞したり西進したりすることもあります。このため、上記の激しい現象が、同じ地域内で数日連続して発生し続けることになり、災害につながりやすくなります。
地上の天気図を見ると寒冷低気圧は不明瞭であることが多く、500hPa面で顕著な低気圧が解析されることがあります。寒冷低気圧は中・上層に顕著に表れる低気圧なのです。
気づいたこと
寒冷低気圧は恐ろしい低気圧ですね…。そして実技試験にも頻出する恐ろしい問題でもあります。寒冷低気圧はブロッキング(切離)低気圧とも呼ばれ、反対のブロッキング(切離)高気圧というものもあります。ブロッキング高気圧の西側には低気圧があるため、高気圧の西側では悪天候が続きますが、高気圧の中心や東側では晴れた天気が続きます。
ありがとうございました。
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