見出し画像

物理苦手でも気象予報士試験に合格したい!#27 数値予報-10 短期・中期予報

こんにちは、まさごんです。
気象予報士試験の合格を目指すべく、日々の勉強内容を記録しています。

勉強内容

昨日に引き続き、低気圧について学習します温帯低気圧は傾圧不安定派の中で発生・消滅します。波というのは、水平方向に直線の運動に対して、回転運動が加わったものです。温帯低気圧の発生・発達条件である渦度をメインに勉強します。

学習ポイント 温帯低気圧と気圧の谷の軸

冬の北半球は、夏に比べて南北の温度傾度が大きくなるため傾圧不安定波の振幅が南北に大きくなり偏西風の蛇行が増幅されることで、温帯低気圧が発生しやすくなります。
今回は温帯低気圧の発生・発達にかかわる気象条件についてポイントを絞って学習します。

偏西風波動は、北半球中緯度の対流圏中・上層で、西から東に流れている地衡風(上空の風)に、反時計回りの低気圧と時計回りの高気圧の「渦」が重ね合わさったものです。

風が蛇行しているとき、カーブの内側と外側で風の速さは異なります。このため、その間に挟まれている空気は回転運動をおこします。このように生じる回転が渦であり、その渦の回転の強さのことを「渦度」といいます。

渦度は角速度(回転する速さ)の大きさで強さが決まります。渦度の正負を考えるとき、反時計回り(低気圧性)の回転は正の渦度、時計回り(高気圧性)の回転では負の渦度としています。

温帯低気圧における渦度分布は、下層では低気圧に中心付近で正渦度が最も大きく、上層では地上低気圧の中心よりもやや西側で正渦度が最も大きくなってます。上層では地上低気圧の西側で正渦度が大きくなる、というのには、上層のトラフ(気圧の谷)が関係しています。

トラフとは、低気圧や低圧部から伸びる気圧の低い地域のことです。
温帯低気圧の発達条件として、低気圧前面(東側)で暖気上昇、後面(西側)で寒気下降というのを前回学習しました。発達中の地上低気圧の西側では寒気が下降しているため、上昇~地上間の平均気温は低くなります。常田い空気ほど密度が大きく体積は小さくなるため、西側では層厚(空気の厚み)が小さくなります。反対に、東側では暖気上昇のため空気の平均気温は高くなり、層厚は大きくなります。

その結果、上層のトラフは低気圧後面、西側に形成されることになり、地上と上層を結ぶ気圧の谷の軸は西に向かって傾きことになります。渦度もトラフ地域内で最大になるため、上層では地上低気圧のやや西側で正渦度が最大になるのです。

気づいたこと

温帯低気圧はボリュームも大きいうえに一般・専門・実技科目すべてで出題範囲になるので、noteも何回かに分けて、温帯低気圧についてはすべてまとめたいと思っています。明日は寒冷低気圧という、ちょっと特殊な温帯低気圧についてまとめます。
ありがとうございました。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集