第73回税理士試験に挑戦するまで
税理士試験に挑戦するまで
2022年3月から中国深圳の米国系の監査法人で監査の職に就き、いくつかの日本のクライアントを担当しています。仕事の中で例えば課税売上割合や控除対象外消費税などこれまで勉強してきた日商簿記では聞きなれないものに触れ、ずっと海外で働くかもわからないし、日本の税法について勉強してみるのもありだなと思い、税理士試験に挑戦することにしました。
勉強期間
実際に税理士試験の勉強を始めたのは2022年3月末からで、税理士試験は毎年8月に一回のみとなっているので、2022年8月の試験は簿記論と財務諸表論の2科目と決めました。
正直日商簿記1級まで取得しているので、簿記論の内容はほぼ理解できているし、財務諸表論についても計算は問題なしで、理論暗記をすれば大丈夫だろうと考えていました。
実際には、コロナの影響と仕事で、2022年8月の試験は申し込みしたのに参加できませんでした。ただ、一回申込に成功したので、2023年8月の試験の試験の申し込みの際には、受験資格の証明として、前年度の受験票が使えるので楽でした。
また、今年の試験から簿記論と財務諸表論については受験資格が緩和され、誰でも受験可能になったみたいですね。
2022年8月の試験を受けることができなかったため、2023年8月の試験では、簿記論と財務諸表論に加えて、もう一科目税法科目を受けることにしました。法人税法を選択しましたが、その理由は以下の段落でお話しします。
2023年8月の試験に至るまでの大まかな勉強の流れとしては、
2022年9月までに簿記論と財務諸表論の講義を全て一周
2022年10月以降法人税法の勉強を開始
2023年4月までに法人税法の講義を全て一周/簿記論と財務諸表論は週2回くらいのペースで総合問題や演習問題を解く
2023年4月以降法人税法の暗記を開始、計算の方は演習問題
2023年6月半ばにTAC全国模試受験(簿記論、財務諸表論、法人税法)
2023年7月から8月上旬は最後の追い込み
勉強方法
海外に住んでいて予備校に直接通うことができず、仕事も繁忙期にはけっこう残業もあって勉強時間を固定できないこともあるので、STUDYingというオンライン学習専用の税理士試験の講座を取っていました。
講義動画が一コマ一コマ区切られていて、長いものでも一つの動画は1時間以内、短いもので10分以内、多くのものは15-30分以内となっており、空き時間に勉強するのにぴったりでした。
また、何度でも講義動画を視聴できるし、いったん止めてめもすることもできるので、自分には合っていました。
だいたい各講義ごとにオンライン用の選択問題と復習用の問題がついています。僕の勉強法としては、家やカフェなど机のある場所で先に動画を見てインプットし、地下鉄での移動中にオンライン用の選択問題を解き、そのあとまた家やカフェで復習用の問題を解いていました。
簿記論と財務諸表論はSTUDYingの講義だけで、法人税法については、STUDYingの講義に加え、理論対策として、TACの重要理論セミナーという単発の講義を取りました。
他に使用した教材としては、
簿記論: 簿記論直前予想問題集 会計人コースBOOK
財務諸表論: 財務諸表論重要会計基準 TAC
法人税法: 法人税法総合計算問題集 大原/法人税法理論サブノート 大原/法人税法理論ドクター TAC
受験科目の選択
簿記論と財務諸表論の2科目に加えて、もう一科目となるとけっこう厳しいですが、2022年は転職一年目でまだ比較的時間がありそうだったので、法人税法を選択しました。
法人税法と消費税法は今後監査の仕事でもわかっていると便利そうなので、この2つのどちらかにしようと思っていましたが、簿記や会計の知識があると法人税法の方がいいかなと思い、最終的には法人税法を選択しました。
TAC全国模試
本番までに一度現時点における自分の立ち位置を確認するために、2023年6月の半ばに一時的帰国し全国模試に参加しました。当時は深圳からだと成田行きしか直行便がなかったので、東京の八重洲校で受験しました。
一日で簿記論、財務諸表論、法人税法の3科目を受験したので体力的にはかなりきつかったです。
試験を受けての感想としては、簿記論と財務諸表論は第三問の総合問題に残す時間が足りず、試験を想定した2時間で問題を解く練習が不足しているように感じました。また、財務諸表論の会計基準の確認も不十分で、重要な用語が書けないという感じでした。
法人税法について、理論は圧倒的に暗記が足りておらず、直前に覚えたところは書けましたが、それ以外のところは書けず、残りの時間のうち大部分を暗記に割く必要があると感じました。
結果は試験から3週間後に出ました。
簿記論は、第一問がA、第二問と第三問がB、総合ではB判定
財務諸表論は、第一問と第二問がA、第三問がB、総合ではB判定
法人税法は、第一問と第二問ともにD、総合でもD判定
結果を見ての感想は、簿記論と財務諸表論ともにやはり総合問題対策が不足していて点数が思うように取れていないなという印象です。
法人税法については、暗記が圧倒的に不足しており、理論問題がまだまだ、計算問題も細かいところを覚えておらず、中途半端という印象です。
とにかく、全国模試をこの時期に受けておくことで、残り1か月で何をすれば合格に一番近づけるかわかるので受験することをおすすめします。
税理士試験本番についてはこちらの記事をお読みください。
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