第73回税理士試験 - 法人税法
試験までの道のり
科目選択
2022年10月ごろから法人税法の勉強を始めました。これまで簿記や会計はかなり勉強していましたが、日本の税法を勉強するのは初めてでした。
法人税法を初めの税法科目として選んだ理由は2つあります。
まず1つ目の理由として、今の監査の仕事でも活かせるからです。米国に上場している又は上場を目指している日本企業の監査をしていますが、監査の際にも必ず税金に関する科目についてチェックします。これまで日本の税金について何度か同僚に聞かれたことがありますが、いつもネットで答えを探さないとわからず、法人税について知っていれば便利だなと思っていました。
次に2つ目の理由として、ここ1年間は比較的勉強時間を確保できると思ったからです。税法科目の中でも法人税法はかなり負担が大きい科目であり、莫大な勉強時間を確保しなくてはいけません。2023年8月の試験では簿記論と財務諸表論に加え、もう一科目税法を受けようと考えていました。簿記論と財務諸表論については、これまでの日商簿記1級の経験から比較的少ない勉強時間で合格できると考え、税法科目で最も負担が大きい科目の一つである法人税法を選びました。
勉強方法
簿記論と財務諸表論と同じく、STUDYingの講座を受講しました。まずは講義動画を聞いて、次に練習問題を解くという流れで勉強しました。
理論暗記については、初めはSTUDYingの暗記ツールを使っていましたが、紙の本の方が覚えやすいと思い、2023年2月に大原の『税理士 法人税法 理論サブノート 2023年(税理士受験対策シリーズ)』を購入し、それ以降ずっとこの理論本を使いました。
2023年6月中旬に受けたTACの全国公開模試の後に、TACの『税理士受験シリーズ 2023年度版 35 法人税法 理論ドクター』を購入し、理論のアウトプットの練習をしました。
最後の1か月は、STUDYingの直前対策問題を繰り返して解き、試験直前は苦手な論点の基礎を復習しました。
いざ試験本番へ
初日に簿記論と財務諸表論を受け、2日目の午前中に法人税法を受けました。
試験が始まるとまずはさっと全ての問題に目を通し、理論問題から解き始めました。
理論問題の問1はグループ通算制度についてで、この分野についてはTACの模試の解答に今年狙われやすい論点として書かれており、何度か確認していたので、ラッキーと思いました。
ただ、初めの通算親法人となることができる法人については、けっこう書けたのですが、その次の通算子法人となることができるかどうかの判定で、勉強不足が露呈してしまいました。この分野の理論を細部まで押さえることができておらず、問題の意図がつかみきれず間違えてしまいました。
その後の損益通算や遮断措置についてはある程度書けましたが、時間配分を考えず、書ける限り書こうとしてしまい、かなり時間を使ってしまいました。
問2は過大支払利子税制についてでしたが、問題文の理解ができず、国外支配株主等の理論についてけっこう時間をかけて書いてしまいました。勉強不足です。
問3貸倒損失と貸倒引当金に関する計算を含む理論問題でした。比較的簡単な問題でしたので、おそらく10点中6点は取れていると思います。
理論問題には40分かかりましたが、これまでの過去問対策が不十分であったため、正直理論問題に40分かかることが早い方なのか遅い方なのかいまいち分かりませんでした。
残り時間80分で計算問題に突入です。
計算問題は問1と問2の2つで、問1は総合問題で、各論点の小問があつまったもので、問2は貸倒と受贈益の問題でした。
問2の方が簡単そうなので先に手を付けました。自分では結構できたつもりでしたが、実際に採点してみると10点中4点でしたので、ここでも基礎がしっかり固まっていなかったことを再認識しました。
問1は、租税公課、受取配当金、役員給与、減価償却、交際費といった各論点から出題されていました。
租税公課、役員給与、交際費の問題は時間を割いたのである程度できましたが、時間配分が悪く、受取配当金と減価償却には合わせて10分ほどしか時間がありませんでした。
減価償却の問題を解いてみると、割と簡単で、時間さえあれば取れる問題が多かったので作戦ミスです。
自己採点と来年に向けて
120分が終わった瞬間に法人税法には落ちたことが分かりましたが、来年に向けてやっていくべきこともはっきりと認識できました。
まずは各論点の基礎固めです。基礎がしっかりとしていないので、問題を解く速度が遅く、応用問題になると全然できていませんでした。
来年に向けてNet-Schoolの法人税法の講座を受講することにしました。
初心者コースを選び、再度基礎から叩き直します。
そして、次に理論暗記不足が今回の失敗の原因です。理論暗記を始める時期が遅かったですし、重要性をあまり考えずに暗記していたのでかなり非効率でした。
Net-Schoolの法人税法の講座では、理論についての解説もあるので、早いうちから少しずつ時間をかけて理論を覚えていきたいです。
ちなみに、自己採点の結果は、第一問と第二問ともに20点ほどで、ボーダーラインはそれぞれ35点前後と38点前後のようですので完敗です。
想定では今年の受験で簿記論と財務諸表論には合格できているはずなので、来年は税法科目に集中できそうです。
そして、明日11/30はいよいよ税理士試験の結果発表です。
結果が分かりましたら、また記事にしてみます。
ちなみに、以下が簿記論と財務諸表論の記事です。