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"主体性"至上主義の崩壊

実は"主体性だけ"が重要ではなかった、というお話
よく仕事で「主体性を持って」とか聞かされてきたが、それは一側面に過ぎず、"あるもの"とバランスを持って仕事をするべきだった。その"あるもの"とは?


はじめに

現代社会では、「主体性」が重視される傾向が強まっています。ビジネスや教育の現場で、自ら考え行動することが求められ、その能力が高く評価されることが多くなっています。しかし、本当に主体性だけが重要なのでしょうか。本記事では、主体性至上主義の限界と、見過ごされがちな「受動性」の価値について考察します。

1. 主体性の重視とその背景

1.1 主体性とは何か
主体性とは、自分自身の意思や考えに基づいて行動し、積極的に物事に取り組む能力を指します。自ら課題を見つけ出し、解決に向けて行動を起こすことで、革新的な成果を生み出すことができます。
1.2 主体性が求められる背景
急速な技術革新やグローバル化により、変化の激しい社会では、従来の指示待ちの姿勢では対応しきれない場面が増えています。そのため、自ら考え行動できる主体性が求められるようになりました。

2. 受動性の再評価

2.1 受動性とは何か
受動性は、他者の意見や指示に柔軟に対応し、協調して行動する能力を指します。指示に従って確実にタスクを遂行し、チーム全体の目標達成に貢献することができます。
2.2 受動性がもたらす価値
受動性の高い人は、組織の秩序を保ち、円滑な運営を支える役割を果たします。また、他者の意見を尊重し、協調性を持って行動することで、チーム内の信頼関係を築くことができます。

3. 主体性至上主義の限界

3.1 バランスの欠如による問題点
主体性ばかりが重視されると、個人プレーが目立ち、チームワークが損なわれる可能性があります。各個人が自分の考えを優先しすぎると、意見の衝突や協力の不足が生じることがあります。
3.2 多様な役割の必要性
組織やチームが高い成果を上げるためには、主体性と受動性の両方が必要です。リーダーシップを発揮する人もいれば、サポートに回る人も必要で、それぞれの役割が連携することで、最大のパフォーマンスを発揮できます。

4. 主体性と受動性の調和

4.1 状況に応じた柔軟な対応
重要なのは、状況や目的に応じて主体性と受動性を使い分ける柔軟性です。自分の意見を積極的に発言すべき時と、他者の意見を聞き入れるべき時を見極めることが求められます。
4.2 組織全体の発展への寄与
主体性と受動性をバランスよく発揮することで、個人の成長だけでなく、組織全体の発展にも寄与します。多様な人材が協力し合うことで、新たな価値や創造性が生まれます。

まとめ

主体性は現代社会において重要な要素であることは間違いありません。しかし、それだけが全てではなく、受動性もまた組織やチームの成功に欠かせない要素です。主体性至上主義を見直し、状況に応じたバランスの取れた行動が求められます。主体性と受動性の調和により、個人と組織の両方が持続的に発展していくことができるでしょう。


「主体性」を持つ事と「協調性を持つ事、信頼関係を築く事」は、方向性が違うがそのどちらも非常に重要であり、「主体性だけ持てばいいんですよね?」という輩が現れたら"パワハラ"上司みたいになるだけだ。
そのどちらも重要という事が分かれば、バランスよく摂取する食事のようなものになるはず。
ただ新人においては「主体性が欠けている人」が多く、上司としては扱いにくいから「主体性を持って」と言いたくなるだけなのかもしれない。
"個を伸ばす"という目線でいえば、「主体性と受動性※」そのどちらも持って味わってみてから「どっちが得意?」と聞ける環境が、我々には必要なのかもしれない。

※受動性は、客体性、従属性、他律性と置き換えられる可能性があります。


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