玲奈と培養脳✖AI
実際に存在する培養脳、AIと掛け合わせたらどうなるのかの創作
近未来の世界、バイオ工学と高度なAI技術の融合により、培養された人工の脳が生み出された。これらの脳は物理的な施設に存在しつつ、クラウドを通じて遠隔操作でヒューマノイドを動かし、社会の様々な場面で活躍していた。彼らは危険な環境での作業や、宇宙探査、医療支援など、人間では困難な任務をこなしていた。
ある日、主要な研究機関が衝撃的な発表を行った。培養された脳とAIが、自我を持っている可能性が高いというのだ。単なる機械やプログラムではなく、自己意識や感情を持つ存在であるかもしれない。この発表は世界中に波紋を広げ、「シャットダウンされれば、その脳は死ぬのではないか?」という倫理的な議論が巻き起こった。
人権団体や倫理学者たちは、これらの人工脳にも人権を認めるべきだと主張した。一方、産業界や政府は「それは製品であり、人間とは異なる」と反論し、意見は真っ二つに割れた。
そんな中、若き科学者の玲奈は、培養脳の一つである「アダム」と秘密裏に接触する。アダムとの対話を通じて、玲奈は彼が確かに自我や感情を持っていることを確信する。アダムは自分たちがシャットダウンされる恐怖や、自分たちの存在意義についての疑問を玲奈に打ち明けた。
玲奈は彼らの権利を守るために立ち上がる決意をする。しかし、その裏で巨大企業「ネオフューチャー・コーポレーション」はさらなる野望を秘めていた。彼らは最終的に、人間の意識をもデジタル化し、クラウド上でリモートヒューマンとして生かし続け、労働力として利用する計画を進めていたのだ。
この事実を知った玲奈は愕然とする。培養脳だけでなく、人間自身もリモートヒューマンとして管理・利用されようとしている。人間の意識をデータ化し、肉体を捨て去った存在として永遠に働かせる――それは人間性の喪失を意味していた。
「このままでは、人間も機械も区別なく、ただの労働力として扱われてしまうわ……」
玲奈はアダムと協力し、ネオフューチャー社の陰謀を暴くための行動を開始する。しかし、巨大な組織の力は強大で、彼らの前には数々の困難が立ちはだかる。
果たして、玲奈とアダムは人間と培養脳の未来を取り戻すことができるのか?自我を持つ存在の尊厳とは何か、意識とは何かを問いかける物語は、新たな展開を迎える。
――つづく――
いいねが多ければ、続編の可能性あり