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“~と思います” をプレゼンの中で使わないための心理的逃げ道
誰かに話すとき、「~と思う」「~と思います」と言ってしまう。聞いている側としては、聞きづらい。「言い切らないんかい」と思ってしまう。
個人的に、気持ち悪いナンバーワンは、プレゼンや会議の冒頭、
では、はじめていきたいと思います。
いやいや、嫌がってもはじめるじゃないか。とツッコミたくなります。
でも、話す側からすると、「言い切るのは怖い」みたいな心理でしょう。
そんな、私も、ついつい「~と思います」と話してしまいます。
自信満々に言い切れない日本人(私)のために、「話の中では言い切ってるけど、逃げ道あったから、そんなに怒らないでよ」な方法を上げていきます。
プロな「思います」離脱方法は、下記のような方にお任せし、本記事では、すぐにできそうな逃げ道を取り上げてみたいと思います。
独自の見解ですが
最近、「エビデンス」なんてよく聞きます。エビデンスは直訳だと「事実」ですが、たくさん調べたけれど、アカデミックな世界にいないから、「エビデンス」とか言われても困る。
そんなときには「独自の見解ですが」でしょう。
その分野の物事に対して自分の意見を持っており、かつ主張する意志が強いさま
人間、意見が変わるものです。数年、数カ月、早いときに数日で意見が変わるもの。だから、「独自の見解ですが」でクリアです。
発言は全て個人のものです
会社に所属していて、対外的な発言のときに、とくに偉い人が良く使う方法に「発言はすべて個人のものです」があります。
X(旧Twitter)で、代表取締役社長のアカウントを調べると、みなさんプロフィールに書いてあります。
これは、対外的な場面でなくても使えます。会社の中、他部署との打ち合わせのあと「勝手な発言をするな」と怒られたことはありませんか?部門の合意形成の場なんてないのに。
このときに、「発言は個人のものです」で回避です。
○○時点
特に、IT業界は変化が激しい。調べたことが、いつの間にか変わっている。
そんなときは、「本資料は2024年11月17日時点」とか、「本資料は作成時点の情報に基づいており、記載内容は予告なく変更される場合があります」といった発言でクリアです。
調べたことが、実は上書きされていた、なんてこともあります。アカデミックな世界では怒られてしまうでしょうが、そうでないなら、クリアできると思います。
Safe Harbor
欧米のプレゼンテーションの冒頭で、よく見るのが「Safe Harbor」です。
あらかじめ定められた一定の基準や要件を満たしている限り、法令違反とはならないとされる範囲のこと。安全港。
検索したら出てきた、Okta社のドキュメントを見てみます。
This presentation contains “forward-looking statements” within the meaning of the “safe harbor” provisions of the Private Securities Litigation Reform Act of 1995, including but not limited to, statements regarding our financial outlook, long-term financial targets, product development, business strategy and plans, market trends and market size, opportunities, positioning and expected benefits that will be derived from the acquisition of Auth0, Inc. These forward-looking statements are based on current expectations, estimates, forecasts and projections. Words such as “expect,” “anticipate,” “should,” “believe,” “hope,” “target,” “project,” “goals,” “estimate,” “potential,” “predict,” “may,” “will,” “might,” “could,” “intend,” “shall” and variations of these terms and similar expressions are intended to identify these forward-looking statements, although not all forward-looking statements contain these identifying words. Forward-looking statements are subject to a number of risks and uncertainties, many of which involve factors or circumstances that are beyond our control. For example, the market for our products may develop more slowly than expected or than it has in the past
上記はSafe Harborの冒頭になります。DeepLで翻訳します。
本プレゼンテーションには、1995年米国私募証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の「セーフハーバー」条項で定義される意味での「将来予想に関する記述」が含まれています。これには、当社の財務見通し、長期財務目標、製品開発、事業戦略および計画、市場動向および市場規模、機会、位置付け、Auth0, Inc.の買収から得られるであろう期待される利益に関する記述が含まれますが、これらに限定されるものではありません。これらの将来の見通しに関する記述は、現時点での期待、見積もり、予測、予想に基づいています。期待する」、「予想する」、「はずである」、「信じる」、「希望する」、「目標する」、「プロジェクトする」、「目標する」、「見積もる」、「可能性」、「予測する」、「かもしれない」、「意志する」、「かもしれない」、「可能性がある」、「意図する」、「しなければならない」、およびこれらの用語の変化形や類似の表現は、これらの将来見通しに関する記述を識別することを意図していますが、すべての将来見通しに関する記述がこれらの識別語を含んでいるわけではありません。将来の見通しに関する記述は、多くのリスクや不確実性の影響を受けますが、その多くは当社が制御できない要因や状況を含んでいます。例えば、当社製品の市場は、予想よりも、あるいは過去にそうであったよりも、発展が遅れる可能性があります。
さすが欧米です。要するに、前章の「○○時点」とほぼ同じです。
誰かに言わせる(引用)
私がもっとも多用する方法です。私のような無名な一般人ではなく、「この人が言ってるんだから」と責任転嫁する方法です。
エビデンスなんて意識の高いことではありません。セキュリティ業界なら「マイクロソフトが~」「パロアルトが~」「クラウドストライクが~」といえば、なんか説得力が出ます。そもそも自分の発言でさえない。
最近使ったのは、PaloAlto Unit 42レポートの一部です。
・Speed matters. The time between initial compromise and data exfiltration is decreasing. Attackers are sometimes beginning to exfiltrate data in hours, not days. Defenders need to speed up as well.
・Software vulnerabilities still matter. They were behind the largest-scale attack campaigns in 2023. They lead the list of ways attackers get in. Measure your threat surface, then fix it quickly and comprehensively.
・Threat actors are becoming more sophisticated. They’re more organized, with specialized teams for dierent parts of the attack. They’re more knowledgeable and able to use IT, cloud, and security tools as weapons of oense. And they’re more ecient, using processes and playbooks to achieve their goals more quickly
翻訳
・スピードが重要。最初の侵害からデータ流出までの時間は短縮されている。攻撃者は、時には数日ではなく数時間でデータを流出させ始めている。防御側もスピードを上げる必要がある。
・ソフトウェアの脆弱性は依然として重要である。2023年の最大規模の攻撃キャンペーンの背後にはソフトウェア脆弱性があった。攻撃者の侵入経路のトップはソフトウェア脆弱性である。脅威サーフェスを測定し、それを迅速かつ包括的に修正する。
・脅威者は、より洗練されてきている。彼らはより組織化され、攻撃のさまざまな部分に特化したチームを持っています。彼らはより知識が豊富で、IT、クラウド、セキュリティ・ツールを武器として使うことができる。また、プロセスやプレイブックを利用して、より迅速に目標を達成するため、より効率的になっている。
「パルアルトのレポートでも、スピードが重要となり、脅威者も洗練らされてきている、と。セキュリティの投資を上げる必要があります」みたいな感じです。自分の発言ではないので、責任感が軽減されます。
さいごに
私がこれまでに使ってきた、その他使えそうな「逃げ道」をあげてみました。ただ、思ったよりも数は上がりませんでした。
「思います」と言ってしまう。でも、「思います」がちりばめられていると、説得力が欠けてしまうだけならまだしも、聞きづらい。だから、「と思います」は、極力なくすべきです。
ただ、私のような知名度のない人の発言は、注目されていません。誰も自分のことは見ていない。だから、断言しても怒られません。自信をもって断言していきたいと思います!
本記事では、3回「~と思います」と言いました。自信がない部分を強調しました。ごめんなさい!