記憶と記録
2021年2月28日
記憶に残る、記録として残したくなる1日になった。
読みたい【本】があって職場の近くにあるFLAKERECORDS に寄った。店主のDAWAさんはLIVEでよく会い、たまにその流れで飲みに連れて行ってもらったりする。音楽と飲み屋さんの知識に関しては絶大な信頼をしている。
『レコード屋さんに本を買いに？』
と殆どの人が思うだろうが、奈良のLOSTAGE というバンドの20年史の本だから親交の深いFLAKE RECORDSで取り扱っている。
ワクワクしながらFLAKEに到着して 『本まだありますか？』と聞くと 『イセ、今本きらしてて次火曜日入ってくるわ！』と言われた。
すぐ読みたかったけど火曜日なら明後日だ。それくらいなら我慢しようとFLAKEを後にした。
そこからLIVEカメラマンでお風呂仲間でもある橋本塁さんの写真展へ遊びに行った。そしてそこにお目当てだった
の本が置いてあった。出来心で最初の1ページだけ読んでしまった。文章に惹きつけられ続きがすぐに読みたくなった。そしてそれを昨日読み切ったスタッフの女の子が
『めちゃくちゃ面白かったです。私ロストエイジ聞いたことないんですけど、この本読んで聞いてみようと思いました。』
と感想を伝えてくれた。何かに火がついて、その数十秒後にはLOSTAGEの五味さんがやってる奈良のTHROAT RECORDSに電話をかけていた。コロナの影響もあり長期間お店を閉めていたみたいだが、ちょうど４日前から営業を再開したらしい。営業時間を聞けば21時まで。 時間はまだ17時、余裕で間に合う。その電話から30分後には近鉄電車に飛び乗っていた。
電話から1時間ちょっとで奈良のTHROAT RECORDSに到着。
店内には男性と女性が1人づつ。おそらく五味さんが淹れたであろうコーヒーを飲みながら雑談をしていた。 マスクを取って『ご無沙汰してます、イセです。さっきの電話僕です』と伝えると
『なんや！言うてくれたらよかったのに！笑』
と返してくれた。このやりとりだけで奈良まできて良かったと思えた。
この本は『どこで、誰から買うか』が自分の中では重要だった。コンビニで買ったヨーグルトドリンクとビール、奈良駅前で売ってた回転焼きを差し入れた。 テーブルの上には他にも袋がいくつかあり、今日来たお客さんの差し入れなんだろうなーと思った。
すぐに本を購入した。CD買って家に帰ってから聞くまでのワクワク感と近しいものを感じた。 店内にいる4人で雑談、先にいた2人が帰ってからはしばらく五味さんと2人の時間が続いた。出版への経緯や色んな話を聞けて贅沢な時間だった。
先にいた女性は京都から本を買いに来た人だと教えてもらった。やっぱおんなじ感覚の人もいるんだとなんか嬉しくなった。しばらくすると三重の伊賀でNEW THINGSという coffee屋さんをしている北田さんが来店した。 営業終わって三重から車で本を買いに来たらしい。上には上がいた。笑
そのタイミングで、会えたらいいなと思って連絡していた奈良のAgeFactoryのドラム増子がお店にやってきた。近くの喫茶店でこの本を読んでいたらしい。その話を聞いてみんな笑顔になった。
そこから終電まで増子と軽く飲みに行こうという話になった。THROATが閉店の21時まで話し込んでしまったが、奈良は緊急事態が出ていないので夜でも飲食店はやっている。増子行きつけの店に行くことになった。お店まで歩いて10分ちょっと、近況報告しながら増子の昔のバイト先を通過してお店に向かった。いい時間だった。
連れて行ってもらったお店はほんま最高やった。昨日のことやのにもうすでに行きたくなっている。近所なら確実に俺も常連さんだ。
増子との時間が楽しくて時間ないのにハシゴ酒をしてしまった。またLIVEでとお別れをして帰りの電車で本を読み始めた。
五味さん（兄）は学年で言うと俺の一つ上。田舎で育った所も一緒で音楽との出会いやハマっていく経緯が凄く似ていた。それを読みながら電車でニヤニヤしていた。
今、記事を書いている今は3月1日の夜。今日は1日仕事だったが移動中や合間の時間もずっと読み続け先程読み終えた。
行儀は悪いが食事中も、集中しすぎて電車を乗り過ごし、気になり過ぎて信号待ちの街灯の明かりで続きを読んだ。
音楽に全く縁のない人だと、どれがバンド名か、曲名か、ライブハウスの名前か、ちんぷんかんで専門書を読んでいるように思うかもしれない、それでも伝わる【何か】があると思う。
2500円と本にしたら決して安くはないが、俺にとってはその何倍も価値のある本だった。(冗談抜きでネットで課金制なら1万ぐらい突っ込んでると思う。笑)
読み終えて思った
あそこで、あの人から買って本当によかったと再確認できた。
この感覚はこれからも大事にしていきたい。記憶に残る1日だった。
記録としてもここに残しておこう。