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5/20第4回講義のアーカイブ視聴報告②〜自給自足カレッジ97
アーカイブ視聴報告①では、自然の森のサステナビリティは、循環性、生物多様性、多層性が担保されて成り立っているという話から、この三つの要素を田んぼや畑でどう実現するかが、農法の持続可能性を決める大事な観点になり、その方法を今日は説明してみようと思います。
まず、自給自足カレッジ講師の村上眞平さんの講義のスタートは、どういう土が良い土かという設問をされました。それに対して、受講生から色々と意見が出た中で、以下の三つの回答を眞平さんは取り上げています。
1.柔らかい土
2.黒い土
3.良い匂いのする土
ここまでが前回の議論の振り返りになりますが、では、この「良い土」はどのように作るのか❓
今日は、この話を書いてみたいと思います。
眞平さんは、講義の中で、良い土を作る為には、基本的な三つのルールを守る必要があると言います。
良い土を作る時のルール
1. 十分な量の多様な有機物を田畑に返す。
1平米に完熟堆肥か腐葉土を2kg入れる等。
2. 生の有機物を土に入れない。
入れた場合は、土の中で十分に微生物によって分解された事を確かめてから作物を作付けする。(十分に時間をかける。)
3. 土を守る=土を裸にしない。
草マルチをするなど、土を裸にしない工夫をする。
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自然農法では、化学肥料を使いません。
その代わりのものとして考えられているのが次の3つになります。
1.堆肥 腐葉土を作る技術
速効性(ボカシ 液肥)
遅効性(バーク、おがくず)
2.緑肥 稲科と豆科
1平米で4kgの堆肥分の効果が期待できる。
2ヶ月育て、土に漉き込み、1月以上置く
蓮華も豆科で有効な緑肥となる。
3.植物マルチー10cm程度は被せる。
しばらくするとそれが2cmに
これで、雨で表土流出しなくなり、サ
ステナビリティを担保する一つの要素
である多層性を畑に構成できる。
この堆肥や緑肥、植物マルチが、時間と共に微生物によって分解され、それが腐蝕となり、作物に栄養素を提供する元となります。
授業では、ここで眞平さんは堆肥のCN比について解説されています。Cとは炭素の事で、Nとは窒素の事を指しますが、良い堆肥を作るには、CN比が高いものと低いものを混ぜてあげると良いと言います。
CN比 低いー窒素が多い 動物の糞尿 油粕
ボカシ 葉っぱ
高いー炭素が多い 木の枝 すすき 藁
籾殻 バーク堆肥
CN比が低いものはすぐに微生物によって分解され速効性がありますが、結局CN比が高いものが腐植を作ってくれて、土の団粒構造を形作るのに良いと言われています。
あと、自然農法や自然栽培における方法の一つとして、不耕起栽培というのがあります。
土の中の微生物の環境を保持するには、なるべく耕さない事が大事になって来ます。
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多様な有機物を田畑に戻し、それを微生物によって分解してもらう。
微生物による有機物の循環を促し、それを植物が吸収して、光合成でまた新たな有機物を作り出す。
その植物によって作られた有機物を我々含めて動物が食す。
そこに生物多様性が生まれます。
草マルチをする事で、土を裸にせず、雨や直射日光から土を守り、草の間に多様な生物を招き入れる。
このような形で持続可能性を担保する多層性を畑に構成する。
様々な種類の野菜を混植する事も、多様性や多層性に繋がる。
自給自足カレッジでは、上記のような事を、座学でも実習でも学んでいます。
サステナブルな生き方とはどういう生き方なのか。
是非、ここまでお読み頂いて、ご興味を持たれた方は、VISON農園で月4回行われている無料体験会にご参加ください。6月以降でも、本格的に無肥料無農薬でお米や野菜が育てられる自給自足生活の手法を学べる講座が、毎月第一第三週の週末(土曜日曜)に開催されています。
6月・・・ 3日(土)・4日(日)・17日(土)・18日(日)
7月・・・ 1日(土)・2日(日)・15日(土)・16日(日)
8月・・・ 5日(土)・6日(日)・19日(土)・20日(日)
今まで経験した事のない新たな経験や発見があるものと思います。
下記は、自給自足カレッジの紹介ビデオです。
見ていると気持ちが何となく落ち着いてくる気がします。
YouTube動画(3分)
https://www.youtube.com/watch?v=N66HzZV7Td0
体験会等について詳しくは、下記のホームページをご覧ください。
https://self-sufficient-life.jp
自給自足カレッジ
小柴正浩