〜麻、絹、木綿、自給率0%からの脱却③麻〜自給自足カレッジ76
ナチュラルハーモニー代表の河名秀朗さんは、昭和23年制定の大麻取締法の影響で、日本の伝統的繊維産業が葬られたと言います。
その歴史は太古の昔に遡り、古くは、エジプトのミイラを包んだ布が麻布でした。日本でも、弥生時代の吉野ケ里遺跡から、絹とともに麻の繊維が発掘されていますし、より古くは縄文土器の縄は麻縄だったと言います。
麻の衣服の材料となるのは、亜麻の繊維リネン、麻(大麻、狭義の麻)の繊維ヘンプ、苧麻(からむし)の繊維ラミーで、日本では、古来より、麻、苧麻が重宝され、ともに、麻織物と呼ばれてきました。
正倉院御物には、多くの麻織物が保存され、平安時代の「延喜式」にも、麻織物について多く記載されています。
その後、時代が進むにつれ、各地で独自の麻織物が発達します。中世から近世にかけて、奈良晒(ならさらし)、越後上布、宮古上布などが生産されます。上布(じょうふ)とは、細い麻糸(大麻と苧麻)を平織りしてできる上等な麻布のことで、過去には、幕府への献上品として用いられたこともあったそうです。
江戸時代の武士の正式装束は、裃(かみしも)ですが、これも麻布で作られていました。
このような伝統的に広く用いられてきた麻ですが、終戦後の大麻取締法が施行された昭和23年以降、激減します。大麻栽培者数が最も多かったのは終戦後の約3万7千人で、現在はその約1,000分の1 以下の30人(令和2年末)です。 また、栽培面積は約7ha(令和2年末)で、終戦後で最も多かった約5千haの約500分の1となっています。
「第二次世界大戦後、1946年(昭和21年)1月22日、連合国軍最高司令官総司令部から日本国政府に対する麻薬統制に関する指令を受け、認定栽培業者など以外の麻薬の扱いを取り締まる麻薬取締規則を制定した。」と、大麻取締法制定の経緯がWikipediaには書かれているので、これはアメリカの化学繊維を売る為のロビー活動によるものだったのかもしれません。
ナチュラルハーモニーの河名さんは、何とか日本の麻織物の伝統を守りたいと仰っていますが、上記の大麻取締法による規制で、なかなか思うようにいかないようです。
この三日間、日本の衣食住のうちの衣について、伝統的な、綿、絹、麻の生産という面から見てきましたが、これらの伝統的な織物の自給は、かなり厳しいものがあります。
河名さんは、まず家庭でも出来る養蚕をやってみる事を勧められていました。
自給自足カレッジでも、綿や麻、絹糸といった伝統的な糸を用いたワークショップ等を今後企画できればと考えています。
是非一度、VISON農園の無料体験やイベント等に来てみてください。
5月にも、本格的に自給自足が学べる講座が、毎月第一第三週の週末(土曜日曜)に開催されています。
5月以降は、5月6日(土)・7日(日)・20日(土)・21日(日)
6月・・・ 3日(土)・4日(日)・17日(土)・18日(日)
7月・・・ 1日(土)・2日(日)・15日(土)・16日(日)
今まで経験した事のない新たな経験や発見があるものと思います。
下記は、自給自足カレッジの紹介ビデオです。
見ていると気持ちが何となく落ち着いてくる気がします。
YouTube動画(3分)
https://youtu.be/IQPWF9KBu00
体験会等について詳しくは、下記のホームページをご覧ください。
https://self-sufficient-life.jp
自給自足カレッジ
小柴正浩