自給自足カレッジ33
今日は、また自然栽培の野菜等を販売されているナチュラルハーモニーの河名秀朗代表の「第5回 自然と調和した生き方講座」の話を書きたいと思います。
河名さんは、もう40年近くに渡って無肥料無農薬で作られている自然栽培によるお米や野菜等を取り扱って来られており、その消費者への啓蒙活動のみならず、農家への自然栽培の普及と営農指導等も行って来られています。
5回目の今日は、その自然栽培を行う為の土についての話しでしたが、特に肥毒についてかなりの時間をとって話されていました。
字面から見て、肥料が毒になるのか❓という疑問が湧きますが、河名さんは主に二つの方向で害があると説明されていました。
一つは、窒素過多の土で育った野菜は、硝酸態窒素を多く含んでおり、食べると健康に良くないので、緑の濃い野菜、特に慣行栽培で育てられたほうれん草や小松菜、チンゲン菜、水菜等は食べない方が良いと迄言われていたのにはちょっとビックリしました。鍋には入れてはいけないと。ほうれん草を茹でた時に出る緑色は硝酸態窒素だそうです。自然栽培で育てたほうれん草では少ししか出ないと言っていました。
硝酸態窒素が体内に取り込まれると体内で亜硝酸態窒素となり、これが消化管内でアミンやアミドなどと反応して発癌性物質とされるニトロソアミンの生成に関与するとされているようです。また、亜硝酸態窒素が血液内でヘモグロビンと反応するとメトロへログロビンを生成し、これには酸素運搬機能がないので、濃度が高くなると酸素欠乏症となり、頭痛、めまい、呼吸困難、意識障害を起こす事もあるそうです。特に乳幼児は、このような症状を起こしやすいそうです。
もう一方で、肥料を畑に多く撒くと土の中に肥毒層が出来て、土を固めて冷やす層を土中に作ってしまうので、これがあると野菜が上手く育たなくなるようです。自然栽培を始める上で最初に気を付けないといけないのは、野菜を植えようとする畑の肥毒層の存在を確かめ、その対策をまずしないといけないと説明されていました。
まず自分の畑を50センチ強掘ってみて、各層の温度を測り、温度が低くなっている肥毒層の存在を確かめて、対策する事が大事なようです。
対策方法としては、肥毒層に物理的にヒビを入れて、そのあとに麦等根が長く下に伸びるものを植えて、根によって余分な肥料を吸収し、かつ、根で土を耕す事をするのが重要だとされていました。また麦を収穫した後、十分に枯れた麦わらを土に鋤き込み、土の団粒構造をつくる事も重要だという事です。理想的には野菜を植える前に3〜5年は麦等を植えて土作りをしっかりとして、そのあとで野菜を育てるようにすると良いと言っておられました。
自然栽培で野菜や米を作られている農家は、このような努力を重ねて、年々土を良くすることをしておられるとの事です。
自給自足カレッジでは、長年自然栽培や自然農法でお米や野菜を栽培し農業で生計を立ててこられた方々を講師として迎え、座学と実学を交えて、無肥料無農薬で野菜等を育てる事が学べる場を提供しています。安全安心な食べ物は自ら作る。
ご興味のある方は、是非我々のホームページを覗いてみて下さい。
https://self-sufficient-life.jp
自給自足カレッジ
小柴正浩