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友逝く〜自給自足カレッジ93
友人の菊池真が亡くなった。
私よりも5つ下の57歳。
普通に元気だったのが、この日曜日に脳内出血を起こし、月曜日に手術をして、手術自体は成功したようだが、火曜日に息を引き取ったとの事。
目立ちたがり屋だった彼への追悼の意味で、少し文章を残しておきたいと思ったので、ここに少し彼のことを書いておきたいと思います。
彼、菊ちゃん、とは、いつ最初にあったのかは正確には思い出せないが、多分1990年代後半、私が香港勤務から東京勤務に変わって帰京したあたりで、業界の飲み会で知り合ったのだと記憶している。
そうすると、もうかれこれ30年近く付き合っていることになるので、私の人生の半分は彼と時間を共有してきた。
それも同じ運用業界で。
97年98年の金融危機、2000年のITバブルの崩壊、2001年の湾岸戦争、2006年のライブドアショック、2008年リーマンショック、2011年の東日本大震災、2012年アベノミクスと黒田バズーカ、その後のGAFAMによる世界経済の席巻と米中対立、2020年からのコロナパンデミック。
彼は、私が2000年にヘッジファンド業界に転身すると、「お前に出来るのなら、俺にも出来るな」といって、数年後にミョウジョウアセットを立ち上げ、一気に日本のヘッジファンド業界での雄に躍り出た。
お互い一番景気の良かった2000年代半ばあたりまでは、良く一緒に飲みに行き、ゴルフもして、彼の影響で、車も買ったりした。
しかし、彼は2人の子供が出来ると生活スタイルを180度変えて、ゴルフも辞め、飲み会の数も制限し、かなりの時間を子育てに使うようになった。
彼は2人の子供を慶応幼稚舎に入れることに執念を燃やして、2人とも入学させている。
彼の運用するファンドは、2000年代半ばに一気に1000億円まで資産規模を膨らませたが、ライブドアショックやリーマンショックで大きく資産規模を10分の1以下に下げた。
リーマンショック後に、私は彼から頼まれてハワイの子会社を彼から買って、その事業と共に彼の運用するファンドのサポートもするようになった。
去年彼の運用するファンドをクローズするまで、10年以上一緒に仕事をしてきた事になる。
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彼は、リーマンショック以降の日本政府の財政政策についてかなり批判するようになり、円安を契機とする日本経済の崩壊シナリオを説くようなった。
上記の著書は2012年11月に発刊されているので、アベノミクスとその後の黒田バズーカとは、同じタイミングになる。
その後、ファンドの運用スタイルもショートバイアスに変えて、この10年弱気を貫き通したが、ここ数年は弾が尽きた状態で、ついに去年彼の運用するファンドをクローズする事になり、私がその引導を渡す役をやる形になった。
菊ちゃんは思ったことはトコトンやり通すタイプで、日本の財政危機に関しては、この10年以上身を張って警鐘を鳴らしてきた。
去年、5割もの円安を見ているので、彼の予想は路半ばといったところだとは思うが、もう始まったから見届ける必要はないと思って先に次に逝ったのかもしれない。
おそらく、彼のことだから次にやりたい事を思いついたのだろう。
私は、彼の遺志を引き継いでいるつもりだ。
もう少しこの世にいて、菊ちゃんが予想した日本経済の崩壊があっても、なるべく沢山の人が幸せに生きていけるようにと思って、今年自給自足カレッジを立ち上げた。
昨日お通夜に出た時から、妙に「お前を助けてやるよ。」という菊ちゃんの言葉が聞こえてくる。
自給自足カレッジ
小柴正浩
自給自足カレッジ
YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=N66HzZV7Td0
NOTE
https://note.com/masahirokoshiba/
ホームページ
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