18話-ブラジル修行への道
私がまず決断したかったのは、バンド活動の事。
このまま続けても大したものにならない感じは薄々感じていた。
だからこの際、もう少し本気でやる気があるのかをメンバーに聞きたかった。
すると6人中3人は社会人だったので、そこまで本気にはできないとのことだった。
私はすぐに決断した。
「解散」
私はその時ブラジルに行くと宣言し、帰宅するとすぐブラジルのチケットを取り始めた。
一度はブラジルに行きたいと思っていた。
そして今何も無くなった。
多分今しかないのだろうと直感的に思った。
目指す場所はサンパウロ、バルボーザ道場。
なぜそこを選んだかと言うと、柔専館にはバルボーザ信者が多くいて、さらに日本語をバルボーザ先生は話せると言う話を聞いて即座に決めた。
しかしブラジルのビザ取りにはかなり手間がかかった。
ブラジル大使館は関西圏だと名古屋にしかなく、わざわざ名古屋まで行って取りに行った。
その際にバルボーザ先生に黒帯をもらった人たちに情報を聞くと思い、ジェントルアーツ名古屋ブラジリアン柔術の早川さんに会いに行き、その時たまたまTAISHOさんにも会うことができた。
そのあと福住柔術の福住さんにも会いに行き、出稽古ツアーをしながらビザを取り帰ってきた。
そして大体情報がまとまったので、旅に出る準備は整った。
10万円ぐらいしか残っていなく、当時無職の私がクレジットカードなんか作れるわけもなく、それでもなんとか三ヶ月ぐらいならなんとかなるだろうと気軽に考えていた。
そして私の人生初の海外旅行は、ブラジルサンパウロ三ヶ月柔術修行の旅が始まった。
もちろんポルトガル語は少しは勉強したが、そんな短期間に身につくわけもなく、しかしポルトガル語を覚えてからブラジルに行くなんて死ぬまで行けそうになかったので向こうで必要性を感じながら覚えようと思った。
そして当日兄に関西空港に送ってもらう途中、神戸空港だったことに気づく。
すぐ引き返していきなり冷や汗をかいた。
そんなで大丈夫か?と心配していたが時は既に遅し。
そんなこんなで私のトラブルだらけの海外修行が始まった。