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17話-岩崎正寛21歳(無職)

私は18歳の大事故を起こした後、柔術を復帰すると同時にバンド活動を友達に勧められてやっていた。

ポジションはボーカルだった。

ミクスチャーやったりハードロックやったりパンクやったり、色々やったがおかげで私は人前で話したりパフォーマンスするのが得意になった。

決して上手い演奏があるバンドではなかったが、やる気だけはあった。

ちなみにバンドの名前は「OKM(お前のかーちゃんマルチメディア)」と言うバンドだった。

今となっては良い思い出だが、当時は結構集客したりメンバーが変わったり色々苦労した。

そして一時、総合格闘技とバンドと深夜バイトをやっていた時は私の唯一の青春だったのではないかと思う。

深夜バイトに関しては、レンタルビデオ屋で深夜1時から朝の10時までレジしたり普通の業務プラス、アダルトビデオのレビューを書いてポップにしたりしていた。

私のその店での一番の功績は、安達祐実の母親がデビューした時に、一目散に家なき子のDVDを隣に並べてセットレンタルを勧めるポップを作った事である。

ポップには「同情するなら借りてくれ」の一言。

一緒に貼り付けたリュウ(犬役のピュンピュン)の寂しそうな顔も惹きつけるものがあったのかも知れない。

おかげでそのビデオセットは3ヶ月間1位で在り続けた。

しかし、私はそこで言葉の力と発想次第で人の心を掴めることに気がつき、興味を持った。

深夜のバイトは長い時間の拘束時間だったが、私はバイト中空き時間にたくさんの本を読み文章作りを勉強し始めた。

これが無ければ今のような文は決して書けなかった。

ある日また面白い本がないか探していたら、地球の歩き方ブラジルが目に入った。

私はいつかブラジル行ってみたいなぁと心の何処かで思っていた。

プロ柔術も終わりまた普通の生活に戻るのかと思った矢先、私が働いていたレンタルビデオ屋が閉じる事になった。

意外と気に入っていたので残念だったがクビを店長に言い渡された時別の店に移らないかと言われたが私は断った。

私のアダルトビデオのレビュー&ポップ作りはここで終演を迎えた。

そして私は色んな中途半端な事に決着をつける事にした。

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